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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『特殊な部隊』と『征夷大将軍』  作者: 橋本 直
第三十章 悲劇のヒーローオークション

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第154話 寮について……なぜかついてくる二人

 誠達はいつもより早く月島屋を切り上げて寮に到着した。


「今日は疲れたなあ……でも収穫はあった。なんと言ってもアタシは明日からは正式に『関白太政大臣』だ。ついにようやく手に入れた地位だ。これで……あの島津の糞爺にデカい面をされることも無くなる。どうだ、オメエ等も同僚に貴族制国家の『関白太政大臣』が居るなんて自慢できる話だぞ。いいぞ、言いふらしても。どうせ明日の甲武の朝刊にもでかでかと出るし、この国でも国際ニュースではアタシの写真と関白就任はトップニュースになるだろう。時の人と一緒の部隊なんだ。いいもんだろ?」


 かなめは車を降りるなりそう言うと寮の玄関に向けて誠達を置いて駆け出していった。


「衝撃的な出来事だな。アイツが貴族の最高位そのものになるとは……甲武という国が不安になる」


 運転席から降りたカウラの隣にリンの運転するかえでの黒い高級乗用車が乗り込んできた。


 後部座席から降りたかえでの表情には一つの目的を達成したという感慨が浮かんでいるのが誠にも分かった。


「今日で歴史が変わったんだ。皆さんはその生き証人になった。こうして時代は動いていく。面白い物だろ?」


 かえではそう言い残すとゆったりとした足取りで寮の建物に向う。


「僕達も行きましょう」


 誠はそう言うとカウラ、アメリアそしてリンを引き連れて寮に入った。


「とりあえず、僕は部屋でアメリアさんに頼まれたエロゲの立ち絵の仕上げをするんでこれで」


 寮の玄関でそう言うと誠は早足にカウラ達を置いて自分の部屋を目指した。


 しかし、誠が自分の部屋のドアの前に着いた時にはぴったりとアメリアとリンが付いてきていた。しかも、リンの手にはいつの間にか大きめの銀のアタッシュケースが握られていた。


「お二人とも……なんでここに居るんです?」


 誠は嫌な予感がしてアメリアに向けてそう尋ねた。


「まあね、誠ちゃんには絵の仕上げより重要なお話が私とリンちゃんからあるからここに居るのよ」


 全く動じることの無いアメリア。リンはといえばいつもの無表情で銀色の長い髪を弄っていた。


「お話?仕方が無いですね……じゃあ入ってください」


 これがリン一人なら誠を襲うことが目的なので追い出しにかかるのだが、アメリアがついている以上、安全だろうと判断した誠は鍵を取り出して部屋のドアを開けた。


「それではお邪魔します!」


 アメリアは誠にぴったりくっついて部屋に入った。その後ろをリンが何も言わずに続いてくる。


 誠がベッドに腰かけるとアメリアは椅子に、リンは床に正座して誠を見つめた。


「話って何ですか?長くなりそうなんですか?創作には勢いというものが有るので手短に済ませてくださいよ」


 ぶっきらぼうに誠は二人に向けてそう言った。


「それではクラウゼ中佐。これがお約束の前金です。後日残りの金額は指定の口座に入金させていただきます」


 リンはそう言うと銀色の大きめのアタッシュケースをアメリアに手渡した。


「ありがとう。一応、契約条件はしっかり読んだうえでの契約ということで良いわけね?時々、私も使うからその時はよろしくね!」


 アメリアはそう言うといかにも嬉しそうにアタッシュケースを受け取って自分の背後に置いた。


「心得ております。これで契約成立です」


 アメリアがアタッシュケースを引き寄せて満面の笑みを浮かべるのを見てなんでこんな光景を自分が見ることになっているのか。そしてなんでこの契約とやらが自分の部屋で行われなければならないのか誠には理解できずにいた。

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