第151話 突然去っていく将軍様
「まあ、あれからこの三人でつるむことが多くなったな。いつも一緒というか……まあ、アタシは不良少女とか呼ばれてて修学院中学では飲酒や喫煙、それに時々発砲で停学くらいまくって……で、高等部ではついに放校になって高等予科に移ったんだ」
かなめは懐かしい顔をしてそう言った。
「あのー、島田先輩も飲酒や喫煙や窃盗でよく高校を停学になったとは言ってますが、発砲はたぶんしたことは無いですよ」
思わずかなめの良い話にそうツッコまざるを得ない誠だった。
「貴様等また頼むか?」
ビールの味を覚えて酒を飲みたいのに飲めないカウラは不満そうな顔をして周りを見渡す。
「お願いしますわ……響子さんもビール……いけるんでなくて?」
気を利かせたカウラに向けて麗子はそう言うと隣の響子に声をかけた。
「明日は重要な会議が有るのでこれくらいにしておくわ。これからは烏龍茶で」
響子は遠慮がちにそう言った。
「パーラはどうする?ほうら、こうしてアタシもたまには気を使えるんだ。感謝しろよ!パーラ!」
そんな響子に笑顔を向けながらかなめは珍しく気を利かせてこまごまとしたことに気を遣うパーラに声をかけた。
「私は烏龍茶だもの。おなかが水で一杯になるからいいわ」
カウラに向けてパーラはそう言った。カウラの気遣いにパーラは少しうれしそうに見えた。
「それじゃあお蔦に言ってくる」
そう言ってカウラは立ち上がった。
「僕も行きます」
誠もカウラにあわせて立ち上がった。
「そうか?じゃあイカゲソを頼むわ……焼鳥飽きて来たわ」
かなめは誠にそう頼んだ。誠は苦笑いを浮かべつつ二階の座敷の階段を下りた。
「意外と田安中佐はなじんでますね」
誠は普通に焼鳥を楽しんでいた麗子を思い出してそう言った。
「そんなものか?私にはそうは見えないのだが……貴様がそう言うのならそうかもしれない」
誠のささやきにカウラは苦笑いを浮かべた。
「西園寺さんから聞いてたよりもとっつきやすい人ですよね……単純と言うかなんと言うか……」
誠は言葉を選びつつそう言った。
「それにしてもかなめさん、今何時ですの?」
突然麗子がそう切り出した。
「今は八時半……なるほどねえ」
ラム酒を飲みながらかなめはうなずく。
「それは大変。夜更かしは美容の大敵ですもの……失礼いたしますわ」
そう言って麗子は立ち上がる。それに合わせるように鳥居も立ち上がった。
「まだ八時半じゃないの……早いんじゃないの?」
アメリアはあまりに突然の麗子の行動に唖然としたようにそう言った。
「クラウゼ少佐。若い時代はすぐに過ぎていくわよ……私は失礼します。これからは関白であるかなめさんの妻としていつまでも美しくある義務が私にはありますの」
呆然としているアメリアを無視してそのまま麗子達は二階を後にした。




