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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『特殊な部隊』と『征夷大将軍』  作者: 橋本 直
第二十八章 『将軍様』と竹馬の友

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第143話 ごたごたとそれを見守る目

「だから言ってるだろ!コイツと夫婦になったとしてもアタシは浮気をする!当然その浮気の対象は神前だ!だから麗子、文句は言うな!」


 もはやかなめの論理は完全に破綻していた。


「いえいえ、旦那さま。私は黙って耐えますの。どんな無茶を申されましても構いませんわ。浮気の十や二十は許します。ですのでどうか傍においてくださいませ」


 麗子は先ほどまでの偉そうな夫モードから悲劇の妻モードへとモードチェンジしていた。


「田安中佐。貴様も言ってることが無茶苦茶だな。西園寺は本当に何をするか分からんぞ」


 烏龍茶を飲みながらカウラは麗子を憐みの目で見つめた。


「いえ、これで私とかなめさんは正式に夫婦となりました。それでは祝言の日取りは……」


 麗子は完全に先ほどのかなめの言葉を真に受けてそう言っていた。


「おい、麗子?オメエ断るんじゃねえのか?アタシはオメエに無茶を言うぞ。縄で縛るぞ?鞭で打つぞ?蠟燭垂らすぞ?三角の先のとがったお馬さんにも乗っけるぞ?それでも良いのか?」


 自分の予想していなかった麗子の反応にかなめは明らかに焦りの色を見せていた。


「妻として夫の趣味に付き合うのは当然の事ですわ。いかなる仕打ちにも耐えて見せます。それが内助の功というものですわ」


 誠は思った。変態がまた一人増えたと。


「やっぱやめ!関白宣言取り消し!アタシは別にオメエの脳内妻で十分!オメエと結婚して餓鬼を産むなんざ御免だ!」


 かなめは慌ててこれまで言ったすべての無茶苦茶を取り消そうとした。


「私は聞いてましてよ。かなめさんは麗子さんを妻に迎えることにした……『関白』の言葉はそれほど軽いものでは無い。左大臣を務めてきた私にはその意味は良く分かります」


 かなめと麗子に挟まれていた響子は明らかにかなめを困らせよとそう言ってのけた。


「響子!おめえまでそんなことを言うのか!これは誤解だ!間違いだ!」


 かなめは響子にまでそう言われてただ赤面して慌てふためく。


「かなめ坊よ。いい加減諦めろ。一回吐いた言葉は取り消せないのが関白ってもんだ。もうお前さんにはほかに道が無いんだ。残念だったな。俺は面白そうだからそれでいいけど」


 嵯峨はそう言うと笑顔でタバコに火をつけた。


「叔父貴まで!神前!カウラ!アメリア!それと鳥居!オメエ等もなんとか言え!アタシが時々冗談を言うのはいつもの事だって!」


 かなめは必死になって反論する。


「西園寺さん。田安中佐とお幸せに」


「いいじゃないか、これで貴様も少しは大人しくなるだろう。大歓迎だ。それと出産は時期を考えてくれよ。任務に差し支えると面倒だ」


「良かったわね!『関白』と『征夷大将軍』の結婚!儀式的なものには出られないかもしれないけど披露宴には呼んでね!」


「田安中佐、おめでとうございます。これで念願の跡継ぎをお産みになることが出来ますね」


 かなめの期待を完全に裏切る発言が次々と飛び出す。


「やってられるか!こうなったら証拠隠滅だ!」


 そう言ってかなめは脇に下げていたホルスターから銃を抜こうとした。


「ちょっとやめなさいよ!誠ちゃん!隊長!私一人じゃかなめちゃんは止められないから手伝って!」


 アメリアはすぐにかなめに飛びつくとかなめの右手を抑えた。誠と嵯峨もこれに加勢する。


「殺す!この場に居る全員を殺せば今アタシが口を滑らせて出た言葉を聞いてた奴はいなくなる!そうなればすべてが平和になるんだ!」


 かなめは三人に取り押さえられながらもサイボーグの怪力で何とか振りほどこうとしながらそう叫んだ。

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