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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『特殊な部隊』と『征夷大将軍』  作者: 橋本 直
第二十五章 『将軍様』と接待

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第127話 接待始まる

「酒は行きわたったか?アタシは別にアタシのお気に入りのこの『レモンハート』が有ればそれで良いんだけどな」


 場を仕切る気満々のかなめは満足げにそう言った。


「見れば分かるだろ。貴様は飲み会を仕切るのが本当に好きなんだな。いつもは箸一本動かすことにだって文句をたらたら垂れるくせに」


 仕切りたがるかなめにうんざりした調子でカウラがそう言った。実際ショットグラスにラムを注いでいるかなめ以外は全員がジョッキを手にかなめが酒を注ぎ終わるのを待っていた。


「それじゃあ……麗子。司法局実動部隊へようこそ!乾杯!」


『乾杯!』


 かなめの言葉を聞いて一同がジョッキを上げる。


「カンパーイ」


 麗子が一々その場の人々のジョッキに自分のジョッキをぶつけてくる。


「マメだねえ……麗子の奴はこういうはじめだけ、かっこだけの事は出来るんだよな。他は何もできねえけど。まあそんなだからアタシよりは人望がある。それだけは認めねえといけないかもな。アタシは見ての通りの不愛想だからまるで人付き合いとかしねえから」


 かなめはショットグラスでラムを飲みながら乾杯して回る麗子に向けてそう言った。


「かなめさんが大雑把すぎるのですわ……人々の上に立つものとしては当然のことでは無くて?まったく妻の割に気が利かないというか……これ以上夫である私に恥をかかせないでくださる?」


 パーラとの乾杯を終えて振り向いた麗子は呆れたような表情のかなめにそう反論した。


「さすが武家の棟梁と言う所か。式典だけは出来るが他は何もできない。まあ、貴族としては合格なんじゃないのか?」


 カウラはどう反応していいのか分からないというようにそう言った。


「でも田安中佐も意外と気安い方ですよね……かなめちゃんほどじゃないけど。もっと威張り散らして人を見下すような感じの人かなあなんて思ってたんですけどね」


 アメリアはビールを一口飲んだ後そう言って頬杖をついた。


「よく言われますわ……まあ、私の友達で一番お堅いのは響子さんですけど」


 麗子はアメリアの言葉を誉め言葉と受け取ったのか、満足げにそう言うとビールを飲んだ。


「響子か……アイツは堅いわな……なんと言っても『官派』の首魁だった奴だからな……まあ、アイツこそ本当に婿でもとりゃあ良いんだよ。アタシ等の中では唯一家事が出来るんだから。アイツは本家に冷遇されて使用人一人いない屋敷で官位も爵位も無い貧乏公家の孤児として育ったんだから当たり前か」


 かなめはショットグラスに注いだラムを飲みながらそう言った。



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