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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『特殊な部隊』と『征夷大将軍』  作者: 橋本 直
第二十一章 売り買いの対象となったヒーロー

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第104話 どこまでも勝手なかなめの言い分

「『徳川譜代』が怖い?そのための護衛のアタシ達だろ?連中は元地球人だ。法術が使えるわけじゃねえ。アイツ等の襲撃なんかヘタすると法術師であるオメエ一人でもどうにかなるくらいだぞ。それとも何か?これまでオメエはランの姐御の法術戦訓練は無駄だったと証明したいわけなんだな?それを聞いたらランの姐御はどれほど悲しむか……というか『見込みのねえ奴は要らねー』とかいつもの舌ったらずな台詞を吐いて『関の孫六』でオメエを真っ二つにするかもな。可哀そうに」


 そう言ってかなめは満面の笑みを浮かべる。


「それが迷惑だって言ってるんです!西園寺さんの乱れた性の尻拭いをなんで僕が引き受けなきゃいけないんですか!それにクバルカ中佐の訓練で僕だって法術の使えない地球人相手なら一個中隊くらい一人で何とかできますよ!クバルカ中佐はその程度には僕を鍛えてくれました!僕はクバルカ中佐の弟子としてその期待に応えてる自信はあります……まあ、かえでさんの足下にも及ばないのは事実ですけど……」


 かなめが自分勝手なのは分かっていたがここまで来ると温厚な誠でも正直頭にきた。


「そうよねえ、テロリストならまだしもかなめちゃんの滅茶苦茶を正そうとする正しい人達に制裁を加えるのは私はちょっと……それにいつ誠ちゃんをかなめちゃんの彼氏にして良いって私とカウラちゃんが認めたのかしら?そんなこと一言も私は言ってないわよ。それに……まあ、これは後のお楽しみということで!」


 アメリアがここで誠の加勢に入る。それはうれしかったが、その言葉の最後には言った一言が誠には引っかかってならなかった。


「そうだな、神前は西園寺の彼氏では無い。そんな事を言ってまわっているのはうちでは隊長だけだ。そもそも隊長の言うことを真に受ける人間などこの世に居ないから神前が西園寺の彼氏では無いということはこの世のすべての人が認める事実だ。捏造も大概にしろ。貴様の身勝手に付き合わされるのにはもううんざりしているんだ。神前もそうに決まっている」


 かなめをにらみつけるカウラの目には殺意が籠っていた。


「なんだよ、仲間の危機には協力するのが仲間ってもんだろ?まったくあてにならねえ連中だな。いいじゃねえか、ちょっと借りるだけなんだから。その過程で神前がアタシに惚れちまうこともあり得る。これも事故だ。アタシのせいじゃねえ」


『自分が蒔いた種は自分で刈れ』


 かなめの自分勝手な発言にカウラとアメリア、そしてなぜかアンまでもが同調してそう言った。



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