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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『特殊な部隊』と『征夷大将軍』  作者: 橋本 直
第一章 モテる『男装の令嬢』の火遊び

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第1話 呼び出されて

「おはようございます!」


 何が無くてもカラ元気。それが彼の近頃感じてきた生きていくために必要だと考えるありかただった。それくらいの事しか自分には出来ないんだと最近はそんな悟りにも似た境地に彼は達していた。


 最近は司法局実働部隊機動部隊第一小隊三番機担当の神前誠曹長は、同じ機動部隊第二小隊小隊長の日野かえで少佐の所有する電動高級乗用車で出勤するのが当たり前になってきていた。


 かえでは遼州人が持つ特殊能力である『法術』の強力な使い手で、同じく使い手でありながら遼州人には珍しくない法術という力を持たない地球人に拉致されたり、テロ組織の法術師に襲われれば役に立たずに逃げ回るだけの同じ法術師の誠のボディーガードとして誠に付き添うことが多くなっていた。


 今日もかえでが自ら誠の護衛を志願して、その貴族趣味に合わせた改装を司法局本局に認めさせるために司法局から買上げてオーナーとなった誠達が住む寮からの出勤ではかえでの副官である渡辺リン大尉の運転で快適に出勤し、ゆったりとした気分で着替えを済ませてこうして機動部隊の詰め所に入った。


 いつもなら笑顔で誠を迎える自称誠の『許婚』であるかえでの姿はそこには無く、普段は片時もかえでの傍を離れないリンが一人で端末を起動してすでに日報の整理の作業を開始していた。


「なんだ、オメエは呼ばれてねえのか?かえでの奴は叔父貴の所に呼ばれて説教されてるぞ。オメエも行ってこい。かえでの事だ……又何かやらかしたな……露出徘徊でついに県警に捕まったか?それともセレブをたぶらかしてまた自分のクローンでも孕ませたのか?まったくアイツの学習能力は島田並みだな。何が甲武海軍一の切れ者『斬大納言』だ!やってることがヤンキーの島田よりエグイんだったら島田以下の存在ってことになるぞ。つまり馬鹿の下……大馬鹿だ」


 そう言ったのは誠の上司に当たる第一小隊二番機担当のかえでの姉である西園寺かなめ大尉だった。かなめはサイボーグの身体を持つ戦闘能力の高いパイロットで、以前は誠の護衛を担当していたが誠を狙う勢力の強大化により法術を持たないかなめは妹のかえでに護衛の地位を譲り、今はその補佐を担当する立場にあった。数々の実戦を経験し、かえでの強さは認めてはいたものの、かなめ自身はその現実に全く納得がいっていなかった。


「隊長が?僕とかえでさんを?一体何だろう?僕は何もしてませんよ……僕は……かえでさんが何をしたかは知りませんけど」


 誠は身に覚えが無いので首をひねった。


「オメエに何かが出来るような度胸はアタシも期待していねえよ!とりあえずかえでとオメエを一緒に呼ぶってことはかえでがお前の体液を使って勝手に何かをやったんだろ?アイツも神前を何だと思ってるんだ?いくら自称『許婚』だからって何をしても許されるって訳じゃねえんだぞ……まあ、そん時はアタシに言え。アタシがかえでを徹底的に折檻してやる。まあ、そうすると一番喜ぶのがかえで本人だってのが困ったもんなんだがな」


 かなめの軽口を聞きながら誠はそのまま背を向けてかなめの叔父にあたる司法局実働部隊隊長嵯峨惟基特務大佐の待つ隊長室を目指した。



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