001 その名は——。
長らく更新を滞らせてしまい申し訳ありませんでした。
準備が整いましたので、これから更新を再開させていただきます。
竜とは、幻想の生物である。
霊峰に住まい、人の目には映らない。
彼らに会った者たちは、数少ない。
霊峰に挑む勇敢な者たち————いや、愚か者か。
その中でも運よく生き残った者は、決して竜のことを多くは語らない。
「何故ならば、誰に言ったって信じやしないからさ」
ケール薬店の店主、ケールは、読んでいた竜にまつわる伝承の本を閉じた。
外では雨が降っており、元々陰鬱とした店内は湿気によりさらに暗い雰囲気が漂っている。
「……信じるわけがないさね。あそこに立つ者が、どちらも竜だなんて」
窓の外、土砂降りの中に二つの人影があった。
片方は金髪の女。そしてもう片方は黒髪の女。
人気のない大きな通りで、二人の竜は向かい合う。
エルドラとアビス。
彼女らはまさしく一触即発の状態だ。
伝説の存在同士が何故ぶつかり合うことになったか————。
その背景には、たった一人の人間の存在があった。
竜に、いや、竜たちに選ばれた一人の男。
その名は————。
12月28日より、BKブックス様から本作「用済みとしてSランクパーティから追放された回復魔術師、捨てられた先で最強の神竜を復活させてしまう。~竜と歩む成り上がり冒険者道~」が書籍化されます。
タイトルは諸事情により「竜と歩む成り上がり冒険者道 ~用済みとしてSランクパーティから追放された回復魔術師、捨てられた先で最強の神竜を復活させてしまう~」という形で本タイトルとサブタイトルが入れ替わっておりますので、お求めの際はお気を付けください。
イラストはシソ先生が担当してくださいました。大変美麗なイラストに仕上げてくださいましたので、それだけでも一見の価値があるかと思います。
書店によっては書き下ろしの短編が付属しますので、ぜひお確かめください。
今後の活動のためにも、この機会に協力してくださると幸いです!




