表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幽閉された式神使いの異世界ライフ  作者: ハクビシン
2章-4 錬金術師試験と今後の計画
99/457

夜の告白

 パキパキと小さな音を立て、焚き火はほんのりと周囲を照す。


 俺は、交代の時間になるまで、周辺に『索敵』を使用して警戒を行う事にした。


 暇な時間であるため、少しだけ作業に入る。

 魔導人形(ゴーレム)の作成だ。


 ミスリルと魔石を錬金術で結合しながら、1つの球体を造り出す。


 これは、ゴーレムコアの基になる物で、この珠に持ち主の情報になる髪の毛や、血などの触媒と魔力を流し込み、魔石部分に印を刻む事で初めてゴーレムコアとして使用できる様になる。


 ダンジョン等で出現したゴーレム等は基本的に魔物と同じ存在で、倒す事により無印の珠をドロップする事があるが、身体は自分で用意する必要があるのは変わらない。


 俺は護衛用の守護魔導人形(ガーディアンゴーレム)を造る事にした。

 速度に関しては、素材の軽さを選ぶか、魔石のランクで出力を上げるのかは、好みにもよる所だろう。


 今回は、素材の軽さで選ぶ事にした。

 ワイバーンの鞣し革と竜蟲の外殻。

 魔力糸には、ミスリルワームの糸を使い、フレームは、蒼月(ブルームーン)魔鉱石を加工して造り出した、球体間接付きの骨格を使用する。


 フレームの稼働箇所に、魔力糸を一本一本通していき、その都度、指の握りや、関節動作を確認して作業をしていく。


 両足をコアに繋いだ段階で、交代の時間まで残り1時間くらいになっていた。


「やっぱり専門書を買ったのが良かったな」


 今回のゴーレムは、王都の魔導具店に置いてあった書物から、調べた中で比較的、作成が初心者向けの操り型魔導人形(マリオネットゴーレム)という、ゴーレム単体での活動以外に、人が魔力糸を使い、直接操る事も可能なゴーレムを造っていたのだが、中々難しい行程を幾つか挟む為、探りながらの工程になっていた。


 因みに人の姿以外には、動物や虫を模した物もあったが、今回はオーソドックスかつ、扱いやすい人の姿を模した物を作成中だ。


 既にパーツは作成済みなので、魔力糸をフレームに取り付ける作業が終われば、残りの鎧部分を取り付けて完成になる。


 魔力糸を使用する際には、背部にある指輪が鍵になっているので、操る時はその指輪を装着して引っ張れば、セルフモードに変更する事が出来るようにした。


 残りの時間で組み立て終えるのは、難しいので異空間収納に片付け、焚き火に木の枝を入れる。


 テントの方から、誰かが起きて来たようだ。

 ゆっくりとした足どりで、側に来たのはカミナだった。


「ルーク、少し早いが交代するぞ」


「カミナ、どうかしたのか?」


「あの娘、一緒に寝たのは良いが、抱きつき癖でもあるのか? 暑くてたまらんから出てきた」


 月明かりに照らされた肌には、冬場だというのに、うっすらと汗が流れていた。


 カミナにタオルを渡すと、汗を拭きながら


「……やはり、この身体になってから、湯浴みが出来んのはストレスが溜まるな」


「なら湯浴みするか?」


 俺は、カミナが切り分けた倒木の片割れに親指を差して尋ねた。


「いや、それでは野営の醍醐味が無いだろう? 最低限の装備で良いのに、あのテントも本来なら禁止したいところだがな」


「快適なテントの方が、風邪も引かないで良いでしょ?」


「あんなテントが、何処に売ってあるのか、聞いてみたいがな!!」


 珍しく、微笑みながらのお怒りだ。


「全く、……普通のテントかと思えば、見た目より広いわ、暖かいわ……もう一個作れたら作ってくれ、流石に普通のテントには戻れんぞ」


「あれ、試作品だから、よかったらあげるよ」


 今回のテントは、試作品で作った一品物で、実は改良品の作成図も描いてある。


 最終形態としては、風呂にベッド、トイレが備え付けてある物を、作る予定だ。


 結局話をしていると、交代する時間になったので、そのままテントに入ると、最初に使っていた左端に向かい、横になった。


 何故か、俺の布団から甘い香りがしているが、気にしないことにして寝ていると、足音が衝立の方から聞こえてきた。


「ルーク君、起きてますか?」

「…メアさん? どうしたの?」


 足音の正体はメアさんだった。


「私ね、…血が欲しくて仕方がないの、お願い……お願い、ルーク君の血を少しだけ、飲ませて?」


 メアさんの顔を良く見ると、何か思い詰めた顔をしていた。


 辛そうな顔を見て、どうにかしてあげたいと思い、俺は首筋を軽く拭き首を反らした。


「……ルーク君? 何をしてるの?」


「メアさん血を飲むんでしょ?だから飲みやすい様に首を出したんだけど?」


 その言葉を聞いたメアさんは、顔を真っ赤にしていた。


「そこは、バディーになった後で吸うところだから……大事な人同士じゃなきゃ駄目な所だよ…ううっ…」


「そうなの?」


「うん、パパとママが、抱き合ってしていたから…その……ママ、凄く目がとろんってしてビクビクしてたの。……ワタシが見てたのに気が付いたらそう言ってた」


「……そうか、分かったよ。じゃあどこを吸うんだ?」


「その前に、私のお話しを聞いてくれますか?」


 再び、赤らめた顔から思い詰めた顔に変わる。

 ただし、覚悟を決めた様な雰囲気もあった。


「お話しを聞かせて貰うよ、メアさん」


「ありがとう、ルーク君。先ずは呼び方を変えて欲しい。名前で呼び捨てて」


 名前の呼び捨てを求められる展開に、少しだけ既視感があるが、そのまま頷く。


「ありがとう、私も呼び方を変えるから……ルーク」


 ハニカミながら、名前を呼ぶメアさん……メアは顔を真っ赤にした後、布団に顔を埋めていた。


『何だこの可愛い生き物は!?』


 思わずそう叫びそうになるが、我慢した。

 そのまま待つと、落ち着いたのか再び言葉が紡がれる。


「私ね、人見知り……と言うか同い年のお友だちが居なくてね、そんな私が、スキルの『予知夢』で見たのは、ソフィアさん達とカミナさんの側で、笑っていたの」


「うん」


「それでね、皆と同じ形の指輪をしていたの。その時は、お洒落用のアクセサリーだと思ってた」


「うん」


「でも、ソフィアさん達から聞いたのは、婚約指輪だって言ってた事に驚いた。しかもルークの手作りだと言われたの」


「うん」


「その日に見た予知夢は、別の物に変わったわ。私達がルークと一緒にいたの、みんな笑っていたわ。その時にこの人が私のバディー何だって確信したわ」


「そうか」


「だからね、ルーク。私のバディーに、私をお嫁さんに、してくれませんか?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ