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幽閉された式神使いの異世界ライフ  作者: ハクビシン
3章-2 ベルフォート
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六龍達の契約

そして次の瞬間、黒龍オルクスは大口を開きベルフォートに向けて『息吹』を放ったのである。


「これは……中々に厄介な相手ね」


そんな呟きを残しながらも彼女は姿を消していたのだ。それを追おうと身体を動かすが激痛により顔をしかめる事しか出来なかった。

しかしオルクスはそんな彼女を無視して俺の側に来ると優しく頭を擦りつけてきたのだ。


「大丈夫だったか?」


そう言いながら見つめるオルクスに思わず笑みを浮かべた俺は黙って頷く事しか出来なかった。そんな俺達の様子を見ていたカミナが俺の側までやって来たのである。


「ルーク……良く頑張ってくれたな」


そう言って笑みを浮かべる彼女の声には何処か嬉しさが混じっているように感じられたのだ。そして俺は再び意識を失うのだった。

次に目を覚ました時、俺の視界には白い天井が見えた。

周囲を見回してみると、どうやら医務室のベッドに横たわっているようだと分かった。その時、扉が開きカミナが入ってきたのだ。

彼女は俺が起きている事に気が付くと嬉しそうに笑みを浮かべて近付いてきたのである。


「やっと目が覚めたか?体調はどうだ?」


そんな問いに対して身体を動かしてみるが特に異常は感じなかった。


「大丈夫だと思う……少し痛むけどね」


そんな俺の言葉にカミナは安心したように頷いた後、優しく俺の頭を撫でてきたのである。突然の事に驚いて硬直していると彼女は優しい表情を浮かべながら口を開いたのだ。


「良く頑張ったなルーク、お前は本当に凄い奴だよ」


そう褒められると照れ臭かったのだが素直に嬉しかったのだと思う。だから自然と笑みが溢れていたようだ。そんな俺を見たカミナも笑みを浮かべていたのである。

(やれやれ……参るね)と言いながら視線を逸らした時、ふとある物が視界に入った。それは壁に立て掛けられたマルミアドワーズだったものの残骸だった。それを見て改めて思う……俺は仲間を救う事が出来たのだと実感したのであった。


「そういえばさ、オルクスはどうなったんだ?姿が見えないけど……」


そんな俺の疑問にカミナは首を横に振りながら答えたのである。


「オルクスはまだ顕現出来てないんだ」


その言葉の意味を理解する為に少し考えた後、納得したように頷く。


「ああ、神力が回復してないのか?」


という問いに対してカミナは首を縦に振っていたのでやはりそうなのだろうと納得する事にした。

とりあえず身体を起こそうとすると激痛が走る。


「いっつ!?ああ……まだ無理か」


そんな俺の姿を見たカミナは慌てて体を支えるとゆっくりと起こしてくれたのだ。そして痛み止めを飲ませてくれたお陰で少しだけ楽になったのである。


「大丈夫か?すまなかったな、こんな傷を負わせてしまって……」


そう言いながら申し訳なさそうな表情を浮かべる彼女に対して首を横に振った。


「気にしないでくれ、俺が好きでやったことなんだしさ……」


あ~ダメだ……やっぱり照れ臭いなと思いながら頭を掻いているとカミナはクスクス笑っていたのである。その顔は悪戯っぽく微笑んでおり明らかに面白がっているように見えた。


「なぁ……お前って意外と照れ屋だよな?」


そう言って顔を覗き込んでくる彼女に俺は何も言えず顔を逸らすしか出来なかったのである。そんな俺をカミナは楽しそうに見つめていたのだ。


(カミナの奴め、調子に乗りやがって!)


そんな事を考えつつも恥ずかしさの方が勝っていたので反論する事は出来なかったのである。だが、何故か悪い気分ではなかったと思う俺がいたのも事実だった。

「さてと……」そう呟くと同時に気を引き締め直して立ち上がった俺は改めてカミナを見つめた後で声を掛けたのである。


「じゃあ行こうか?次の目的地へ」


すると彼女も表情を引き締めると頷いていた。その表情を見た俺は覚悟を固めながらも内心ではワクワクしていたのである。


「オルクスからの伝言だ『ベルフォートは再封印した。今の内に六柱の龍と契約せよ』だとさ、これから龍神達が護る湖に向かうぞ」


彼女の言葉に頷いた俺は天界を経由、そして目的の場所まで辿り着いた時、俺達は大きな池の畔に立っていたのだ。

「ここは?」と問い掛けると彼女は指を差して答えてくれたのである。


「あれが水龍レヴィアスが居る湖だ……どうだ?何か感じるか?」


そんな問いに首を傾げてしまうが特に何も感じなかったのだ。そんな俺の反応を見た

カミナは苦笑しながら説明してくれたのである。


「まぁ、見ただけじゃ分からないよな……だがこの湖の中にレヴィアスが居るなんて」


その言葉を聞いた俺は思わず息を呑んだ。


(そうか……ここが龍神達が護る湖か)


そう考えながらも改めて周囲を見回していくと湖の畔に大きな岩があったのだ。そしてその上に何かが乗っている事に気が付いたのである。近付いてみるとそれは立派な剣であったのだ。それを見た俺の顔を見て察したカミナは小さく笑みを浮かべると答えてくれたのである。


「あれが水龍レヴィアスに会いに行く鍵なんだろうな」

そんなカミナの言葉を聞いていた俺はふとある事を思い出して彼女に問い掛けた。

「契約ってどうすれば良いんだ?」

「さぁ? そこまでは言ってなかったぞ」

(やれやれ、1から探らなきゃ駄目らしいな)


レヴィアスに会う為に準備を進める事にしたのだ。そして鏡花水月を手放さず湖に向かって歩き出した。

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