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幽閉された式神使いの異世界ライフ  作者: ハクビシン
3章-2 ベルフォート
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封印の地

 寒々しい地下空間にこの世界を生み出した悲しき女神の肉塊の一部、そこに最も邪悪な存在が一人佇んでいた。


「お母様……もう少しで会えるね」


 そんな彼女は笑みを浮かべていたのだった。

 ティアさんにベルフォートの因子の位置を伝えてから数日後の事である。

 俺は自室で各集落の護り人達の報告を受けていたのだ。


「ルーク様、先日お話した通りベルフォートの因子は大陸中に散らばっています」


(確か……楔を打ち込んだ結界では大陸中の瘴気を完全に浄化する事が出来ないと言ってたな)


 俺がそんな事を考えていると突如警報音が領主邸に鳴り響いたのだ。


「何事だ!?」


 俺がそう叫ぶと、警報音を聞いて駆け付けた渚が慌てた様子で口を開いたのである。


「ルーク様!何者かによって結界が破られました!」

(馬鹿な……ベルフォートの因子を封印する為の楔を打ち込んだ結界だぞ?)


 そんな俺の疑問は直ぐに解消されたのだった。


「ルーク様!地下から強力な瘴気の反応があります!」


 俺は慌てて立ち上がると指示を出したのだ。


「各集落に伝令!戦闘態勢を取らせろ!渚は結界が破られた原因を調べてくれ!」


 俺の言葉に渚は頷いて駆け出すと、俺は地下に向けて走り出したのだった。


(まさか……何者か知らないけど創り出した結界が破壊されるとは思わなかったな)


 そんな事を考えながら走る事数分で地下に辿り着いたのだ。

 地下は瘴気が充満しており、その中心には1人の人物が立っていた。

「お前は誰だ?」俺はその人物にそう尋ねたのだ。

 だが、俺の言葉に目の前の人物は笑みを浮かべて言ったのである。


「お母様……ようやく会えた」


 そんな言葉に俺は眉を顰めたのだ。


(こいつは何を言っているんだ?)


 そんな俺に構わず彼女は笑みを浮かべながら口を開いたのだ。


「さぁ……お母様の望む世界を作る為に、私達も動きましょう?」


 そんな彼女の笑みに俺は目を細めて言ったのだ。


「何を言っているんだ?お前は何者なんだ」

(ベルフォートの因子を封印する為の結界が破壊された事を考えると恐らくだが……)


 そんな俺の言葉に彼女はなおも笑みを浮かべて答えたのである。


「私は……お母様の因子から生まれた者、ベルフォートの因子から生み出された存在」


 彼女の言葉に俺は顔を顰めたのだ。


(やはりか……)


 不気味な程美しいその翼に俺は思わず息を呑んでいた。


「さぁ……お母様の為に私達も動きましょう?」


 何度も呟く同じ言葉。そして、彼女の周囲から瘴気が吸収されていき、その身体が少しずつ変化していったのである。

 最早少女の体を成していないソレは、竜のような翼と人の形をした上半身、そして下半身は蛇のようになっていた。


「さぁ……お母様の為に私達も動きましょう?」


 そんな彼女の笑みに俺は思わず後退りしたのだ。


(これは……流石に不味いな)


 そんな俺の様子を見て彼女は笑みを浮かべたまま言ったのだ。


「貴方は何?お母様の匂いがするわ……でも違う…チガウ…チィガァウゥ!!お母様は何処?お母様はどこなの?」


 そう言って彼女はまるで駄々をこねる子供の様に暴れ出したのだ。


「チィガァウゥ!!お母様は何処!何処にいるの!?」


 そんな彼女の叫び声と共に、周囲にあった残りの瘴気が彼女に吸収されていき、その身体が更に変化していったのである。


(不味いな……)


 俺はそう考えながらも思考を巡らせていたのだ。


(さて……どうするか?ベルフォートの因子から生まれた存在となると、下手に攻撃すれば何が起こるか分からんしな)


 そんな俺の考えなどお構いなしに彼女は暴れ続けたのである。


「チィガァウゥ!!お母様は何処?何処にいるの!?」


 そう言って暴れる彼女に俺は思わず後退ってしまったのだ。


(どうする?このままじゃ不味いな……)


 そんな事を考えていると、「チィガァウゥ!!お母様は何処!何処にいるの!?」そんな彼女の叫び声と共に、その鋭い爪が俺に襲いかかってきたのだ。


(不味いな……)


 俺はそう考えながらも咄嗟に身体を捻って躱した。


(さて……どうしたもんかな?)


 そんな事を考えていると、化け物は翼を羽ばたかせて宙に浮いたのである。そして上空から俺に向けてブレスを放ってきたのだ。

 俺は咄嗟に結界を張って防いだのだが、その威力に思わず顔を顰めた。

 張った箇所が、ものの見事に抉られ結界の意味を成していなかったのだ。

 そのまま鏡花水月を引き抜き正眼の構え

 で化け物と対峙する。


「チィガァウゥ!!お母様は何処!何処にいるの!?」


 目の前の化け物が放つブレスを躱し続ける。


(さて……厄介な攻撃だ……破壊不可を破壊するなんてどうなってんだよ)


 そんな俺の考えなどお構いなしに彼女は翼を羽ばたかせて宙に浮かんだままブレスを放ってきたのだ。

 その威力は凄まじく、避けた隙を狙って放たれた先は、強化していても無意味なほどに壊されていく。


(このままじゃ埒が明かないな)


 そんな事を考えていると上空から広範囲に向けてブレスを放ってきたのだ。俺は咄嗟に『転移』と『空間歪曲』のスキルを用いて座標を化け物に向けて放ったのである。

 そんな空間歪曲によって放ったブレスは方向が曲がり化け物に直撃したのである。

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