乱闘戦
鬼神祭が始まってから2時間程が経過していた。
そしてようやく朧さんの番がやってきたのだ。
「朧さん頑張って下さい!」
そんな俺の声援に対して彼は笑みを浮かべるとこう告げたのだ。
「あぁ……行ってくるよ」
(それにしても、やっぱり朧さんは凄いな)
俺はそんな事を考えながら試合を見つめていた。そして、その試合はというと━━。
「勝者!朧!」
そんな審判の言葉と同時に会場からは歓声が沸き上がったのだった。そんな光景を見つめながら俺は思わず笑みを浮かべた。
(流石だな……)
俺がそう思っている間にも次の試合の準備が進められていた。そして、俺の番がやってきたのだ。
「それでは次の試合を始めたいと思います!次は貞宝対ルークです!」
そんな審判の言葉と同時に俺は中央へと歩みを進めた。そして、審判らしき人物から刀を手渡されたのだ。
(よし……やるか)
そう決意すると対戦相手である男性と向かい合った。そして、互いに軽く拳をぶつけ合うと試合開始の合図を告げたのだ。
「それでは!試合開始!」
その瞬間、俺に向かって貞宝選手が拳を振り上げながら迫ってきた。そして、そのまま俺の腹目掛けて殴りかかってきたのだ。
「っ!?」
俺は咄嗟に刀で防ぐと相手の拳を受け止めたのだった。すると、相手はニヤリと笑みを浮かべると口を開いたのだ。
「へぇ……やるじゃないか」
そんな彼の言葉に対して俺も笑みを浮かべたままこう告げたのだ。
「ありがとうございます!」
その言葉と同時に俺達は距離を取ると構え直した。そして、再びお互いに距離を詰めると互いの技をぶつけ合ったのだ。そんな戦いを観戦していた観客からは歓声が沸き上がったのだ。
1つ打てば2手返され、2つ打たれれば3手返す。そんな戦いを続けていると首元に刀を当てる寸前で審判が俺達の間に割って入ってきたのだ。
「そこまで!勝者は……ルーク!」
その審判の言葉と同時に歓声が沸き上がったのだ。そして、対戦相手である男性は悔しそうな表情を浮かべると俺に視線を向けた。
(やっぱり鬼神族ってのは強いな…)
そんな感想を抱いていると朧さんが笑みを浮かべながら近づいてきたのだ。
「よくやったな」
そんな彼の言葉に対して俺は笑みを浮かべて答えたのだった━━。
それから暫くして11試合が終わり本日最後最後の試合となった。
「それでは!最終戦を始めたいと思います!」
その言葉と同時に会場からは歓声が沸き上がったのだ。そして、審判らしき人物が口を開いた。
「それでは!最終戦を始めたいと思います!最後の試合は無手の組、酒泉対大童です」
そんな審判の言葉と同時に筋骨隆々な大柄の男とやや年老いた人中央へと歩みを進めたのだ。
「それでは!試合開始!」
その瞬間、筋骨隆々な男が相手の顔面目掛けて拳を放ったのだ。
「うぉおおおお!」
そんな雄叫びと共に放たれた拳を相手は紙一重で躱すとそのまま相手の鳩尾に拳を叩き込んだのだ。そして、その一撃で男は倒れてしまったのだった。
「勝者!酒泉!」
まさかのカウンターに会場からは歓声が沸き上がったのだ。そして、審判らしき人物が口を開いた。
「それでは!これで全ての試合が終わりましたので、明
日の正午から二回戦を開始致します!」
そんな審判の言葉と同時に観客達は帰路に着いたのだった。
そして、俺も帰ろうとした時、朧さんが話しかけてきたのだ。
「ルーク……明日の試合も頑張れよ」
そんな彼の言葉に対して俺は笑みを浮かべて答えたのだった。
「はい!頑張ります!」
そう答えると俺達は宿屋へと戻ったのだった━━。
宿屋に戻ると、俺達は明日に備えて早めに寝る事にしたのだ。
そして、次の日になり2回戦目が始まったのだが、俺と朧さんは難なく突破し、蒼月選手と酒泉選手の試合が始まろうとしていた。
「それでは!これより二回戦を始めたいと思います!」
そんな審判の言葉と同時に蒼月選手と酒泉選手が中央へと歩みを進めたのだ。そして、互いに拳をぶつけ合うと試合開始の合図を告げたのだ。
「それでは……試合開始!」
その瞬間、2人は同時に駆け出した。そして、お互いの拳を受け止め合うと激しい攻防を繰り広げたのだった。そんな戦いを観戦していた観客からは歓声が沸き上がったのだ。
だが、途中から動きが変わった。
最初は打ち合う流れで始まっていたが、今は酒泉選手がふらふらとしながら紙一重で蒼月選手の拳を躱していた。
━━まるで酔拳のような動きだが、確実に蒼月選手の攻撃を躱していたのだ。
そして、そんな戦いを観戦していた観客からは歓声が沸き上がったのだ。
そんな光景を見ながら俺は思わず笑みを浮かべたのだった。
(凄いな……)
そんな事を考えていると酒泉選手が拳を振り抜いた瞬間、蒼月選手に直撃したのだ。その一撃を受けた蒼月選手は吹き飛ばされてしまったのだ。
「勝者!酒泉!」
審判らしき人物の声を聞いた瞬間、会場中から歓声が沸き上がったのだ。そして、朧さんは笑みを浮かべると俺に視線を向けたのだ。
「ほら……行くぞ」
そんな彼の言葉に対して俺は笑みを浮かべるとこう答えたのだ。
「はい!」
そして、俺達は次の試合が行われる場所へと移動を始めたのだった。
最終戦は残った6名による乱闘戦だった。
「それでは!最終戦を始めたいと思います!」
そんな審判の言葉と同時に会場からは歓声が沸き上がったのだ。そして、朧さんと俺は中央へと歩みを進めたのだ。
中央に陣取ったのは俺と朧さん、酒泉選手の3名。
残る3名は其々、俺達を囲む様な位置に立っていた。そ
んな状況を見て俺は思わず笑みを浮かべた。
(これは……少し厳しいかもな)
そんな俺の考えを他所に朧さんは笑みを浮かべていたのだ。
「どうした?ルーク」
「いえ……何でもありません」
そんな俺の言葉に彼は笑みを浮かべるとこう告げたのだ。
「そうか……なら、始めるぞ!」
その言葉と同時に俺達は構えたのだ。そして、試合開始の合図が告げられた瞬間、酒泉選手が一歩前に出る。
「俺が一番乗りだ!」
そんな叫び声と共に一人の選手が酒泉選手に向かって駆け出したのだ。そして、拳を繰り出したのだが、それを軽々と躱すとカウンター攻撃や、裾を引き込んで投げ飛ばそうとする攻撃を逆手に取り投げ返していた。
「なっ!?」
そんな光景を見ていた他の選手が驚きの声を上げると、酒泉選手はニヤリと笑みを浮かべると拳を振り上げたのだ。そして、そのまま振り下ろすと一人の選手の鳩尾に直撃したのだ。




