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幽閉された式神使いの異世界ライフ  作者: ハクビシン
2章-1 新たなる季節、学院生活の準備
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お風呂完成と魔力枯渇

「おはようございますルーク様」


 ダリウスが朝の支度を終えてやって来た。


「本日の予定ですが、デービル殿より伝言で、ガレー達ドワーフ組は屋敷内部の扉や欠損箇所の修復作業と、作成を行うとの事です。デービル殿は本日参加出来ないとの事でした。ルーク様達はどうなさいますか?」


「今日は風呂の作成と、建物をするだけで終わると思うから夕方には戻ってるよ」


「畏まりました。本日も行ってらっしゃいませ、ルーク様」


 俺はダリウスに告げて、カミナ達と予定地に向かった。


「よし、それでは始めるぞ」


 カミナの一言で、俺はまず浴槽の作成を始めた。


 今回、露天風呂は岩風呂にして、内風呂は木製の物を創る事になった。


 最初に取り掛かるのは、木材の浴槽だが、これはカミナが前日に言っていた通り、木材がかなりの量積んであった。


 何の木か気になった為、鑑定を行うと


【ハードトレントの木材】

 一般のトレントの木材よりも、強固なハードトレントを加工した高級木材。

 防水性が高く、腐りにくい性質を持つ、加工をするのに時間がかかる程固いが、高い保温性を持つので、家の建材等に向く。


 鑑定結果を見て、少し不安に感じたが、誰かに鑑定されるワケでもないので、加工に取り掛かる。


 大きさは、大人が3人入れる程度の大きさで作りたかったので、丸太の状態で別枠に置かれた物を一つ使用し、錬金術と創造の合わせ技で、檜風呂の様な見た目の物を創った。


 入り口側と壁側の二ヵ所、中に座れる所を一段分付て、階段状にしてあるので半身浴も出来る様にしてある。


 浴槽を創り終わると、次の岩風呂に向かった。


 露天風呂にする為、予定地をオリジナルの土魔術『アースクエイク』で少し押し下げて平らにし、そこへ岩を水魔術『ウォーターカッター』で切り分けて、平らな面を上にして並べた。


 源泉が上に来る様に調整したので、浴槽の床には少しずつお湯が溜まっていた。


 このままでは排水出来ない為、浴槽の外に溝を掘っていき、『浄化』の付与された排水溝の蓋に繋げた。


 お湯を流すと、詰まる事もなく流れたので、多分大丈夫だと思う。


 そこまでの作業で一度、昼ご飯休憩に入った。


 今日のメニューは、以前作り置きしていた、カウの塩ダレを使った野菜スープと、渚が残った食材で作った即席のピザだった。


「こうも美味い飯が食える仕事なら、いつだって歓迎だな、……お前らっ!!食ったら仕事を再開だ。今日中には窓と扉の作成に置き換える作業を終えるぞ、職人魂魅せやがれ」


「「「「ヘイ、親方」」」」


 ガレーの声に合わせて、他のドワーフ職人が声をあげる。


 ガレーの話しを聞くと、屋敷の中は、柱などに防腐の魔術が施されていた為、沈殿時の外傷や衝撃で、壊れた箇所以外は殆ど無害だったらしい。


 全ての作業が終わるのが、後3ヶ月と10日位だと言っていたので、遅くても(ウンディーネ)の月二月目中頃には、この屋敷全体が完成する予定だ。


 一応、屋敷本体だけなら、後6日程で二部屋終わるらしい。


 俺はガレーさんと話した後、作業に戻る前に、内風呂の浴槽と露天風呂のお湯が、機能しているか確認をした。


 木製の浴槽は、しっかりとお湯が溜まっており、保温性が高い材質の為、野外でもしっかりとした温度を保っていた。


 露天風呂の方はまだ溜まりきってはいないが、濁りや汚れ等は無く、内風呂の浴槽に溜まっていたエメラルドグリーンのお湯であった。


 源泉の温度が、そこそこ高いのでパイプを通して内風呂に繋げ、露天風呂はそのまま、木製の注ぎ口からお湯を出している形で完成した。


 排水も、問題無く流れていたので、メーターの色が、赤になったら魔力を溜める形で、常時『浄化』の魔術が発動する様にしたので、環境には問題ない。


 最後に内風呂と露天風呂の建物を完成する予定だったので、急いで資材の所に戻った。


 俺は、残りの木材を束ねて露天風呂の屋根や周りの囲い、温泉宿の外観を想像して、一気に魔力を注ぎ込んだ。


 しかし、ここでとある問題が起きた。


 想像の内容が細かくし過ぎた為、一気に9万程の魔力と意識を持っていかれたのだ。


「うぅ…気持ち悪い……」


「大丈夫ですか、ルーク様?」


 気がつくと、俺は何か柔らかく良い匂いがする物に包まれていた。


「…柔らかい」


「気がついたのなら、早く起きろ、流石に幼子の姿でも、そこに頭を埋めるのは良くないぞ」


 カミナの声が上から聞こえてきた。


 目を開けると、俺はカミナに膝枕をされていた。


「……ゴメン」


 頭がはっきりとはしていなかったが、カミナに謝り、頭を退けた。カミナは意地の悪い笑みを浮かべて


「私の膝枕は、そんなに良かったか?気に入ったなら今からでもしてやろう」


 と言って来たので

「うん……頼む…」

 と俺はまだしっかりしていない頭で返事をしていた。


 意外な返事をしてしまった事に、カミナは驚き、そのまま俺を抱えて、回復魔術『ヒール』を膝枕しながら掛けてくれた。


 気を失ってからどれだけたったのだろうか?

 気がつくと、夕方の鐘が鳴っていた。


 膝枕は継続中であったが、カミナは優しく微笑み、頭を撫でながら


「昔は、私がされていたのに、今はする側か……何とも感慨深いな……そうは思わないか渚?」


「そうですね、渚も一時はどうなるか不安でしたが、貴女やご主人様が変わっていない所が多いので、安心出来ましたよ。」


「さて、ルーク、起きろ…まさか屋敷の隣に温泉宿が出来るとはな」


 カミナの呆れた声を聞き、頭を起こした。


「ここは……?」


「ここはルーク様が造られた、内風呂用の建物ですよ、全くもう、心配させないでくださいませ……ネ」


「はい、ゴメンナサイ」


 渚から感じた事の無い、威圧感が背中を震わせた。


「まぁ、今回は私が急かしたのもあるからな、渚もそこまでにしてやってくれないか?」


 この世界に来てから珍しく、反省しているカミナを見て、渚も威圧を解いた。


 この日、突然現れたこの木造建築に、ガレーさん達含め、後日デービルさん達から問い合わせが来たのは云うまでもない。


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