表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幽閉された式神使いの異世界ライフ  作者: ハクビシン
2章-8 無名の地
156/457

無名の地と各集落

 翌朝、目が覚め身体を動かすと、痛みも無く、寧ろ調子が良い。


「取り敢えず朝練するか」


 動きやすい服装に着替え、走り込みや腕立て伏せ、素振り等の身体トレーニングを行う。

 一通り終えると次に移るのだが、先客がいた。


「おはよう、渚」

「……えぇ、おはようございます。ルーク様」


 何時もと違い、笑顔がぎこちないのだが、どうかしたのだろうか?


「ルーク様? 昨日、渚は、なんと言ったか、もうお忘れですか?」

「あぁ、安静にしてたでしょ? 今日は調子が良いんだ。渚の治療が効いたんだね、ありがとう! 流石は俺のメイドさんだ、これからも側にいてくれ」


 どうやら昨日の今日で身体を動かす俺の心配をしているようだ。

 俺の目線に合わせて屈む渚の頭を、そっと撫でながら、感謝を伝える。


「……痛みは無くても、かなり身体に負担をかけていますから、エルザ様をお送りしたら、本日はこれ以上身体を動かすのは我慢してくださいませ」

「分かってるよ。渚も心配しすぎだ」

「今までが、今までですから」


 確かに無理をしたのは、今回だけでは無いがちょっと過保護過ぎやしないかと内心思いはしたが、身体の内部まで治療してくれたのだから感謝はすれど文句は言えない。

 そのまま身体を『清潔』と『浄化』の魔術で綺麗にしてから、朝食に向かった。


「おはようございます。ルーク君、お身体はもう良いみたいですね?」

「ルーク君、大丈夫?また無理したの?」

「昨日は随分と可愛いらしい姿でしたからね~」


 ティアさんとエルザは、食事を準備しているところで、ファナンさんは俺をからかっているが、正座をした上に抱き石を乗せられていた。


「ファナン? 貴女の責任だということを忘れたのかしら? もう1つ乗せる?」

「これ以上はかんべん願いイ゛ィ痛い、痛いよエルっち」

「わたし、それは聞いてないよ?」


 エルザは、俺が怪我をしたことは知っていたが、原因の1つにファナンさんが絡んでいるとは知らなかった様だ。

 普段の人懐っこい笑顔で、ティアさんが行動に移す前に抱き石の上に重石を乗せていた。


「それでは、朝食を食べながら今後について話を始めましょうか」

「そうですね。そろそろ他の集落についての情報も欲しい所でしたから、お願いします」

「まず、私の集落(霊域の集落)ですが、ご覧の通り夜間しか活動しない者や、闇聖霊の加護を持った獣人族が大半です。同じ様な集落は【闇護りの集落 フラクタル】ですが、こちらは吸血鬼や闇聖霊の加護を持った人族が住む集落ですね━━━━」


 話が進み、最初は大体の地理的な説明に入った。

 まず中央の湖にある、始めて行った時の建物が『儀式の間』と呼ばれる場所で、一応、俺の城を建てる予定地らしい。


「現状機能している集落は、私の所を除けばこの3つとなります。以前言った問題集落はココと、ココです」


 その湖を中央として、南西【霊域の集落】南東【フラクタル】北西【妖精の大樹】北東【鬼神の郷】の四集落が存在しているらしく、以前言っていたエルダードワーフ達の集落【シュルフェーレ】は、霊域の集落と妖精の大樹との中間にある洞窟を入り口にしているそうだ。

 そして問題なのが、予期せぬ異邦人の子孫が住む集落なのだが【名も無き村】と呼んでおり、霊域の集落とフラクタルとの間に小さな村として存在しているらしい。

 幸いにして、魔術や毒を使うような攻撃は無いものの、会話が出来ないらしく近寄れば攻撃される為、どの集落も相手が出来ないそうだ。


「以上で簡単な説明を終えますが、ルーク君、何か質問はありますか?」

「最終的に、一つの国として発展させますので、大規模な整地作業や水路、その他に必要な生活基盤の確保が優先されますが、各集落で種族街とした方が良さそうですか?」

「そうでもないですね、ポルターガイスト達のような霊体達は、基本夜にしか活動しませんから、アルケニー族やメデューサ族に関しては、魔術を人前で使わなければただのアラクネ族やラミア族と変わり有りませんから」


 たしか闇聖霊の加護は、自身の魔術に対して呪いを付与する事、もしくは呪いを身体に溜め込み自身の力に変える事が出来る物だが、その性質から昔は(よこしま)な者の証とされていた。

 理由としては、闇精霊がベルフォートの力の残滓とも言われているほど、当時の勢力に闇精霊が多く居たからだ。

 その為か、同じ読み方の闇聖霊の加護を持つ者は迫害された歴史を持つ。

 とは言え、呪いを身体に溜め込み浄化する事も出来るため、現在では解呪術師として活動する者も少なくはない。

 寧ろ、時代の移り変わりによって、迫害よりも場所よっては歓迎される人も居る程だ。

 因みに現在の定義として、闇聖霊と闇精霊の違いは、人に有益とされるのが、闇聖霊。魔族に有益とされているのが闇精霊とされている。

 どうやら、この辺の常識に違いがあるようだ。


「治療師や解呪術師は居ないんですか?」

「居なくはないですが、私も含めこの土地から出ることが無いので、基本治療魔術を覚えている者が治療師として働いたり、解呪術師として活動したりといった所です。フラクタルの人族も似たような物ですね」


 どうやら長い間外部との閉鎖をしていた弊害で、教育体制にも問題がありそうだ。

 そこで、ティアさん達の知識と、周辺4ヵ国の現状を話て、ある程度の方針を決める事にした。


「ダリエラは時々、外に出ているみたいだから、ある程度の情報は持っているみたいだけど、私のように集落から出ない者は、眉唾物な話ばかりと思っていた……でもそうじゃ無いのね」


 話を聞いたティアさんは、納得している部分もあれば、疑う部分もまだ有るようだけど、そこは時間が解決することだろう。もちろん俺も解決に動いていくけどね。

 話し合いの結果、霊域の集落は、とにかく整地作業と魔素の分散、上下水路の作成作業を行う事と知識の現代化が必要なことが分かっただけでも次の行動に移りやすい。


 決まったことは、基本教育を行う事が先決となった。次いで整地作業と水路の作成等のインフラ整備だが、どちらにせよ全ての問題を片付けてからでないと動けない為、俺は一度エルザを送る前にジークリッド陛下に連絡を入れる為、王都レシアスに転移し一度館に戻った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ