表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幽閉された式神使いの異世界ライフ  作者: ハクビシン
2章-7不思議な細工師
138/457

ラヴィニアとルークの災難

「嫌だっーーしにっ……」

「…………」

 自分と同じ顔を持つ者が、実の姉に首を跳ねられる最期を見て彼女がどう思ったのか等、今の私にはどうでも良かった。


 最初フォロンが彼女を連れて来たときは、驚いたが、それも今はどうでも良い。


「ベルヴェーラ、()()()()()()()()ありがとう。後は任せるわね」

「此方こそ、お陰様で愚か者を始末出来ました。……所で話は変わりますが、もしかしてあの男の子は?」


 ベルヴェーラは、表情も変えず彼女の身の丈と同じ程の大剣を()()()()()()話を振ってきた。

 やはり食い付いてきたか、そう思いながらも私は無表情のまま言葉を返す。


「そうよ、彼はあのルーク男爵ですよ。ラーゼリア伯爵の三男で、三国の国宝勲章を授与された。貴女の席からだと余り顔は見えなかったでしょうから、分からなくても仕方無いわね」

「セレーナ? もしかして……もう?」

「失礼ね、貴女の様に節操無いわけ無いでしょ」


 我々二人の共通点は、同じ学院の同期だけではなかった。同じ趣向があったのだ所謂(いわゆる)ちいさな男の子が好きなのだ。


 当然、性的な意味ではない。

 私達はただ、母性本能を擽られるという物であって、ひたすらに可愛がりたい、愛でたい、お姉ちゃんと呼んでほしい。

 ━━ただそれだけで良い。


 だが、理解されない上に変態扱いされてしまう。故に今回のルーク君が来たことを同志に伝える事を一度躊躇った。


 今回の騒動の渦中で、ルーク君の従者を見たが、いずれも歳上それも見た目は私達と同じくらいの歳で、胸は流石に負ける者も居たが、そう変わらない。


 そこで、何度か考えて抱き締めてみたが、嫌がる事も無かった彼の姿を見て『私達の理想の弟』にする事にし行動に移る事にした。


 ━━━━━━━━━━

 今、目の前に居る三人の笑いを堪える姿を見て、普段の彼女等を知る人なら何と答えるのだろうか?

 原因となるものは、俺の姿だというのは明白ではあるのだが……何故こうなった?


「ル、ルーク様……!!」

「ーー~~!!」

「クックッ…すまぬ…よ、よく…に、にあっておるぞ」


 そりゃそうでしょうよ、元々の顔立ちはお母様の方に良く似ていると言われているからね。


「「やっぱりこのシチュエーションが最高よね……男の娘!!」」

「ごめんなさい、ごめんなさい。姉がごめんなさい」


 今の服(ドレス)を着せられたうえ、化粧まで施された姿は、確かに別人に見える。

 ラヴィニアさんも壊れた様に謝り続けてるし。

 ……本当にどうしてこうなった?


 最初は、ラヴィニアさんの事やフォロンさんの今後についての話をしていた。


 騒動が大き過ぎる事や、元々良い噂の無かったラヴィニアさんが、騒動の後も領内で生きていては、要らぬ混乱を招く事になるからといった話があって、最終的に髪型や髪の色を変えることに加えて、魔法薬の1つ『獣化薬』による変化をする事が決定となった。


 加えて、フォロンさんの店は被害に遭ったものの、建物自体は俺の魔術で何とかなるため、伯爵家と子爵家からの依頼として俺が冒険者として受ける事になったのは覚えている。


 問題はその後だった。


 魔法薬自体は、素材から調合(まで)はスムーズに行った。

 予想外だったのは、素材の1つが手短な体毛が無かった為、ネーヴェの体毛を使用したのだが、結果として猫耳と尻尾が生えてしまい、服を変える必要が出てきたのだ。


 そこで、カミナ用に作成した服の中から、気に入らないと言われた服を一式取り出しラヴィニアさんに着てもらったのだが、それを見た途端に、セレーナ様とベルヴェーラ様の目が変わり様々な服を魔法鞄から取り出しては、着せ替え人形の様にラヴィニアさんを着せ替えていた。


 ……そこから何故か子供サイズの服やアクセサリーが少しずつ出てきていたが、鞄自体が古い物であった為、余り気にしていなかったのが間違いだったと今になって思う。


「さあ、次はどのお洋服が良いかしら?」

「こっちのフリルドレスなんてどうかしら?」

「それとも、このクロークとスーツなんてどう?」


 次の服を用意されている間、外を見ていると、不意に目の合った人物が居た。


 フォロンさんが帰ってきた様だが、彼は何かを確認した後、首を振りその場を離れて行ってしまう。


 同時に、次の服が決まったのであろう、セレーナ様とベルヴェーラ様は、満面の笑みを浮かべ新たな服へと俺を着せ替えるのだった。


 時間も夕方になろうとしている頃に、漸く着せ替えは終わりを迎え、俺とラヴィニアさんは解放された。


「さて、皆さん食事の用意も終わりましたし、夕食を食べてからお話の続きを致しましょうか?」

「「ドレスの着せ替え以外なら大歓迎です!!」」


 俺とラヴィニアさんは同時に言うと、他の皆は残念そうな顔をしている事に気が付く。

 渚と沙耶は、「カメラが在れば」や「転写の魔術でも在れば」等、恐いことを言っていたし、カミナに至っては、「中々悪くない催し物だったぞ」と言いながら、嫌な笑みを浮かべていた。


 結局フォロンさんが戻ってきた時間では、満足の行く話し合いが出来ないという結論に至ったため、翌日の昼から話し合いの時間を設ける事になり、フォロンさん達の今後についての内容が決まった所で、俺達は用意された客室に戻り、眠りに就いたのであった。


 ━━━━━━━━━━


 翌朝、フォロンさんと変化をしたラヴィニアさん、アルマさんが初めて顔を会わせるのだが、彼女の姿を見たアルマさんが暴走しかけたり、それに乗じて再び着せ替えが始まりかけるといったハプニングも有ったが、なんとか話し合いの続きをする事が出来た。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ