表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幽閉された式神使いの異世界ライフ  作者: ハクビシン
2章-5 ダンジョン都市ノヴォルスク
113/457

追い付いた結末

 グレゴリーは、ノルドに魔術で攻撃を仕掛けているようだが、悉くノルドは剣で弾き飛ばしていた。


「何なんだよ、この騎士は!!」


「私はノルドと申します。貴方の様な者を処刑する事を目的とした。暗殺特化の騎士ですが?」


「……ありゃあ、かなりキレてるぜ」


「彼、子供好きでしたからね…許せないんでしょう。将来の夢が先生でしたし」


 ノルドの魔力が、やたらと濃く成っていたのだが、どうやらグレゴリーに対する怒りが原因らしい。


 普段のノルドは、近隣の見廻りや、その他の仕事が無い時は、近くの広場で子供達の先生をしていた。


 鎧姿なのは仕方が無いとして、教え方が上手いため、近所の人達からは、かなり評判が良い。


 そんな彼が、子供を実験台にしたり、反道徳的な行動を取るグレゴリーに対して、憤慨するのは当然だろう。


 ノルドの振るう双剣から、衝撃波が放たれてグレゴリーに迫る。


 グレゴリーは、避けようと身体を動かすが、外側からはゼファーが、その足元を狙い魔術を放っていた。


「ノルド、ゼファーは、もう良いよ。次の仕事よろしく、沙耶?」


「は~い、お兄ちゃん(ご主人様)魅了(テンプテーション)』!!」


 俺は、顔を見たく無かったので、後ろから迫り、状態を確認した。


「グレゴリー・フォルティス」


「………ハイ」


 どうやら成功したようだ。グレゴリーは沙耶の『魅了(テンプテーション)』にしっかり掛かっている様だ。


 必要な情報をさっさと聞き出す事にしよう。


「捕らえた違法奴隷はどこにいる?」


「……」


「もう一度聞くぞ? 違法奴隷はどこに居る?」


「………屋敷の地下室……隠し部屋」


「そこには、他の貴族に繋がる物はあるのか?」


「……貴族名簿…売り上げ…リスト…」


 グレゴリーの様子を見ているベリトが、顔を横に振る。どうやら、時間切れのようだ。


 ジンとベクターは、各々長剣を持って構えると、そのままグレゴリーの首と心臓を貫いた。


 しかし、様子がおかしい。


 剣を引き抜くと、違和感に気付いた二人が飛び退いた。


 グレゴリーの身体が、どんどんと膨らみメキメキと音を立てながら、変形していく。


 暫くすると、心臓部の傷口から剛毛の腕が伸びてグレゴリーの身体を引き裂いた。


 恐らくこれは、グレゴリーの最後の抵抗なのだろう。現れたのは、牛の頭を持つ巨人(ミノタウロス)


 それも、全身が赤茶けた通常個体ではなく、漆黒の毛と鎧を着た個体。それは、上位種の証だった。


「マジかよ、糞愚兄(グレゴリー)め、余計な事をしやがって」


「いやはや、まさか自分を生け贄に、ブラッドタウルスを呼ぶとは思いませんでした」


 ベクターとジンは、ブラッドタウルスと呼ばれる上位個体から急いで離れた。


「ヴォオォォォォォ━━━」


 ブラッドタウルスは吼えると、腰に備えていた斧を取り、こちらを睨み付けて構える。


 どうやら、完全に敵視しているようだ。


 このまま放置することも出来ない。


「お二人は、戦えますか?」


「無理だな、俺とベクターの装備でどうこうする相手じゃない」


「逃げは出来そうですが、放置するとダンジョンが危険になりますね」


 二人が敵わない事は分かった。


 俺は、魔力を転移石に込めてベクター達の足下に叩きつけ起動させた。


「どうするつもりですか…まさか戦うのですか?」


「お前の護衛が強くても、あれは無理だ。逃げろ!!」


「大丈夫ですよ。お二人は早く転移してください、奴が来ますから」


 俺は鏡花水月を構えて、ブラッドタウルスの動きを見る。


 動きは巨体の割にかなり素早い。


 既に斧を構えたまま、こちらに走り向かってきていたが、躱すのがギリギリなスピードだった。


 カミナも人の姿になっていたが、どうやら相手はコイツだけではないようだ。


 グレゴリーの死体から、続々と魔物や魔獣が沸き出してくる。


「ルーク、そのデカブツはお前に任せた。回りの奴らは私達で刈り取る」


 カミナはそう言って、群れの中に飛び込んだ。


 ベリト達も既に対応をしているようで、ゼファーも範囲魔術で動きを撹乱している。


 俺はブラッドタウルスの攻撃に備えて、火の構えから居合いの構えに変える。


 動きは速いが、足場に慣れていないため、斧を地面に刺して勢いを殺しているようだ。


 ブラッドタウルスが、再びこちらに走り出す。


 走ったスピードを威力に変換して、斧を俺に叩き潰すかのように、振り下ろしてくる。


 先ずは脛に一撃当てる為、刃先に魔力刃を纏わす。


 振り抜き様に一撃を浴びせたのだが、その一撃は二つ目の斧によって防がれた。


 どうやら、戦闘に対して頭の働く魔獣の様だ。


「こいつは、ちょっと骨が折れそうだな」


 不謹慎ではあるのだが、少しだけ楽しくなってきた。


 久々の上物だが、この後の事もあるので、余り時間をかけてはいけない。


 急いで距離を開け、構え直した。


 恐らく、次の一撃で決めてしまわないと、このダンジョンで、この化物がボスや雑魚として出現することになりかねない。


 という訳で、早いところ仕留めることにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ