魔術『ニルヴァーナ』と従魔『黄昏の守護者 』
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発動後に魔術陣から、紅 藍 深緑 紫 白 黒 灰色の体毛を持った7羽の大きな白鳥の様な物が現れた。身体は白鳥のそれなのだが、頭部に関しては普通の白鳥よりも全体的に鋭く、凛々しくした様にも見える。各々が色に応じた各属性を司っているようだ。
魔力を意識しながら操ると、思った通りに動くが、意識をしないとそのまま俺の周囲を飛び旋回する。
俺は、藍色の白鳥と灰色の白鳥に残って貰い、残りの鳥を亀に仕掛け任せた。
そこからは、凄まじい光景だった。俺の知らない魔術を放つ白鳥や、複数の白鳥が集まり複合魔術を放つオンパレードとなり、出現した敵を残さず殲滅し始める。
そのうえ、周りの地形を変えかねない出力で、白鳥達から放たれていた魔術は、倒した対象の魔力を吸収した物と、発動時に俺が込めた魔力で放っていた。
最後には全ての白鳥が集まり、凹凸が酷くなった地形を元の状態に戻したかと思えば、そのまま消えて癒しの光が降り注ぎ、俺達の軽い疲労や傷を癒した後、完全な静寂に変わった。
どうやら、魔術陣を発動した際の魔力は尽きたようだ。消費した魔力も多く、一人で発動するのでは無く、集団で発動する魔術に近い物を感じた。
周辺の敵を『索敵』で探し、安全が確保されたことを確認して、周囲を見渡す。
その場に遺されていたのは、ドロップアイテムとほんの少しの魔素が漂う光景だった。
そして、巨大な氷結亀の名前も明らかになった。【氷山亀】と言う名前でAランクの魔獣で、最高級品の食肉になるらしい。
ただし、野生の物は滅多に確認されず、討伐される事が少ない為、市場やギルドでも御目に掛からない、王族でも一生の内に食べれるかどうかと言う代物だそうな。
残念ながら今回は、肉はドロップしていなかったが、代わりに大量の魔氷と生き血、巨大な甲羅を手にいれる事が出来た。
その他の氷山亀と氷結亀からドロップした物は、甲羅以外を『アポート』でかき集め、甲羅を含めた物を全て異空間収納に入れて整理を行った。
必要なアイテムは集まったが、問題は目の前にある大型宝箱の中身だ。
大人が隠れられそうな大きさの宝箱の外見は豪華な作りになっているのだが、カミナ曰く、浅い階層で出現する宝箱は、見た目が豪華な割りに中身がハズレ何て事が良くあるらしい。
俺はトラップの有無を『解析』で確認して、罠が無いことを確かめ終えてから蓋を開いた。
中に入っていたのは、古い金属の塊が2つと、何か別の金属と思われる腐食もしていない細長い棒が1つ入っていた。
俺は気にせず中身を全て、異空間収納に収納し内部で分解して金属と宝石を剥ぎ取っていた。
木材もトレントの素材を使っていたので、しっかり回収済みである。
そして宝箱を回収し終えると、メアとカミナの立っている間に1つの転移陣が現れた。
そのまま転移陣に乗り、3人と1匹居ることを確認してから起動させると、まばゆい光が辺りに広がり気が付くとダンジョンの外に出ていた。
今回はメアのゴーレム操作の為に潜ったので、目標達成した今日は、これくらいで終わらせる事にした。
俺達はそのまま宿に戻り、各々準備に取り掛る為、俺は沙耶と3騎士に会いに『転移』を使う。
今回の依頼は、冒険者としての護衛任務になるがカミナと俺、沙耶とベリト、ゴーム、ノルドの3騎士を率いた6名での対応とした。
今回3騎士達には、婚約者達のダンジョンアタックに対しての注意点や、いざという時の近接戦闘の技術指導をお願いしたのだが、着いた時には、指導自体終了しており、直ぐに行動に移せるとベリトから言われた。
沙耶には、今回『魅了』を使い、そのまま捕らえられた違法奴隷の居場所を探して貰う事にした。
「任せてよ、お兄ちゃん。その代わりにお仕事が終わったら、魔力を吸収させてね?」
含みのある笑みを浮かべながら、俺の影に入り溶け込んだ。
そのままグランツ伯爵にビクターから預かった書類を渡すようにダリウスに言付けてノヴォルスクの宿に戻ったのだが、部屋に置いていた鞄から妙な魔力反応があった。
その鞄は卵をいれていた物なのだが、明らかに卵を入れた時よりも熱くなっていたのだ。
袋を良く確認すると布の一部に焦げた跡があり、どうやら内側に記述してある術式の悉くを破壊されている様だった。
もしやと思い、中身の確認をする為に右手を入れると、何かの破片らしき物を掴んだ。
「━━ッ!?」
その時卵が孵化した事を確信したのだがそれと同時に、鋭い何かに啄まれている感触があった。
そのまま袋から手を引きずり出すと、俺の右手には、首回りに黒いふわふわの羽毛を生やしたワシミミズクの様な鳥が手先に甘噛みをしていた。
翼の開張はだいたい190cmに達するくらいある。羽色はミッドナイトブルーで、全体に不規則な縞や斑があり体色は黒色。目の虹彩は青色で、くちばしは黒い。足指まで羽毛がある。
しかし、俺の顔を見たと同時に、噛み付くことを止め、暫くそのまま腕に乗っているのだった。
おとなしくなったワシミミズク擬きの鳥を鑑定すると、焔達の時と同じ様な事になっていた。
【名前】【種族】黄昏の守護者 式神
【体力】600,000/600,000
【魔力】390,000/390,000
【筋力】SS
【知力】SSS
【器用】SS
【対魔力】SSS
【スキル】フル・エレメント 念話 魔力吸収
結界 擬態 病魔拡散 黄泉渡り
素晴らしく強い式神が、誕生していた。
流石に見た目が格好良くなりすぎた上に、違う種族に産まれ直したので、新な名前を考えねばならなくなったのは、言うまでもない。




