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蝕む黒の霧  作者: 栗木下
2:10年

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第83話

「憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎いニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイ憎い!!」

 突然別士が「憎い」という言葉を繰り返し始めます。


「何故ただの人間であるあいつ等は外で生きれて、私は外にすら出れない!」

 別士の体から私目がけて数羽の鳥が勢いよく突っ込んできます。

 もちろん、受けてやる必要はないので≪形無き王の剣・弱≫で撃墜します。


「何故私の力で貴様を殺せない!」

 続けて数種類の昆虫が自らの獲物を前面に出して突っ込んでくるのでこれを両手に出した長剣で打ち払います。


「何故貴様は魔王でありながら外に出れて低俗な人間に味方をする!!」

 今度は蟹や海老などの甲殻類が弾丸のように飛んでくるので、飛んでくる甲殻類の軌道を見極めて大剣を前に出して、軌道を逸らします。


「私は魔王だ!人を超えし存在なのだ!!あのバカ者どもとは違うのだ!!だからとっとと貴様は死ねえ!!」

 今度は牛を初めとして偶蹄目が突進してきます。さすがにこれは捌けないので≪形無き王の剣・弱≫で建物の上に飛び退きます。


 それにしてもこの『種を分離する別士』という魔王は…


「話はそれだけですか?」

 私は建物の上から別士を軽蔑するような目で見下ろします。

 この別士と言う魔王の人間時代は分かりません。それを示すものは全て魔神の手によって消し去られたでしょうから。

 ですが、その発言を聞いていれば分かります。この魔王はただ絶対的な力による優越感に浸りたいだけの魔王です。


「そんな目を…私を見下すなぁ!!」

 別士の体が数十種類の生物に分割され、その全てが私に向かってきます。


「何故、貴方が上半身を植物に変えていたのか、その理由がよく分かりました。」

 長い助走距離があり、一匹一匹が魔王の一部であるためなのか、既に私に向かってくる生物の勢いは身体に掠っただけでも致命傷を与えられそうなほどになっています。


「それほどの激情を身に宿すような精神で戦いに臨むのは利点もありますが、欠点もある。だから、感情を持たず、切られても容易に再生できる植物の体で冷静に戦いを進めようとしていたのですね。ですが、植物の体は私によって破られ、貴方はその激情に身を任せるしかなくなった。」

 そして私に向かって無数の生物が迫りつつある間にも、別士の体からは次々に新たな種類の生物が生み出されていて、今現在外に出ている生物は百種を余裕で超えるでしょう。


「何にせよ、貴方が元々はどんな人間であろうが私のやる事は変わらない。」

 生み出された生物の中で最も速い生物であるチーターの牙が私の喉元に迫ります。


「私はただ、貴方を討つだけです。」

 が、私はそれを紙一重で避けて、逆にその首を刎ねてやります。


「図に……乗るなぁ!!」

 続けて何百体という動物が私の足場にしていた建物を破壊して私に迫ります。が、私は自ら集団に入り、近いものから順に一撃で仕留めていきます。

 当然、倒しても倒してもキリがありません。だから次第に攻撃を一撃必殺からとにかく巨大剣を振るって当たるを幸いに敵を吹き飛ばしていくように戦い方を変えます。

 一振り、二振り、三振り、四振り、五振り、六振り…、ああもう数えるのは止めておきます。とにかく手当たり次第に敵を薙ぎ払いつつ、少しづつ別士に近づいて行きます。


「何故だ!?何故そんな事が出来る!痛くは無いのか!」

 当然このような戦い方をする以上は相手の反撃によって私の体は確実にダメージを負っていきます。ですが、ここで退けば物量で押し切られるだけですし、恐らくはこの別士と言う魔王は分かれた体全てを殺さなければ死にません。

 と、別士まで後10m程の所で別士の放出する敵の量と私の殲滅スピードが釣り合ってしまい先に進めなくなります。


「ふ、ひ。ハハハハハ!!どうやらそれ以上は進めないようだな!このまま押しつぶして…」

 となれば、取る手は一つ。


「『我は虚空を跳ぶものにして無限の型を持つ剣。求めるは命の華、血の噴水。霧散せよ鋭く長き刃の粉塵。我が求めるものが手に入るまでひたすらにその刃を持って我が敵を切り続けろ。アウタースキル・ムジンノリョウイキ』」

 私は大剣を作る際に三つのスキルを無理やり混ぜ込み、生み出されたそれを手に持ちます。

 それは持ち手は大剣のそれなのに刃はありません。それは持ち手だけなのに普通の大剣よりも遥かに重いです。それが出て来た瞬間私の周囲は霧に包まれました。


 そしてその剣が私の手によって横に一閃された瞬間。私の周囲の霧が急速に動き始め、私の周囲に居た別士本体以外の全ての敵はその全身を霧散させていきます。


「へっ?」

 そして別士本体の身体にも徐々に傷が刻まれていき、


「な、なんだこれは!?こんなものg…!!」

 最後は私の手の中にある持ち手と一緒に塵のように散っていきます。


 アウタースキル・ムジンノリョウイキ。≪形無き王の剣・弱≫で大剣を作り出す時に≪キーンエッジ≫≪ロングエッジ≫≪霧魔法付与≫を組み合わせることによって、私の転移可能領域に居るもの全てを切り刻む魔剣を作り出すアウタースキル。尤も強度の問題なのか一度振るっただけで壊れてしまいますが。


 その後私は頭を失い統率のとれなくなった別士の末端を一匹ずつ仕留め、久しぶりのレベルアップを感じつつ、ダンジョン『世が違いし島』を攻略しました。

別士戦終了です。


いつも感想・指摘・意見・登録ありがとうございます。


06/02 誤字訂正

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