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友軍誤射に警戒

本日1回目の更新です。

……………………


 ──友軍誤射に警戒



 久隆たちはしっかりと休みを取ると、ダンジョンに挑む準備を整えた。


 今回は15階層までの掃討戦と15階層以降への挑戦になる。


 16階層は2日前に掃討したので正確には17階層からのスタートだ。


 モンスターハウスは18階層。そこまでの道のりを作っておきたい。


 そして、今回は泊りがけだ。フルフルに模造人形を作ってもらい、それを設置し、見事に朝帰りした朱門に対応を任せた。そして、久隆たちはキャンプ道具を久隆とフォルネウス、マルコシアが抱えて、ダンジョンに潜る。


「ここから先が11階層だ」


「いつでもいけるの!」


「よし。じゃあ、潜るぞ」


 久隆たちは慎重に階段を降りていき、久隆がすぐさま索敵に入る。


「ジャイアントオーガ3体、オーガ3体、オーク4体、ゴブリン6体」


「楽勝なのね」


「油断はするな。これまで倒せてきたとしても危険な魔物であることには変わりない」


 とは言え、11階層の戦闘は何事もなく終わった。


 久隆は斧がアーティファクトとなったので壊れることを心配せずに振るえたし、レヴィアたちは魔力回復ポーションが存在するということで遠慮なく魔法を使えた。


 12階層も全力で突破し、13階層に降りたときだった。


「待った。魔物以外の存在がいる。恐らくは魔族だ」


「魔族、ですか? そうか15階層から上がってきているんですね」


「そのようだ」


 久隆は魔物の足音が少なく、魔族と思しき足音を感じ取っていた。


「同士討ちは避けたい。こちらの存在を知らせる。魔物を引き寄せるかもしれないが、仕方あるまい。友軍同士で殺し合うよりもずっとマシだ」


 そして、久隆はレヴィアを見る。


「レヴィア。ここから大声で俺たちの存在を知らせてくれ。お前の声を知らない魔族はいないだろう? 頼むぞ」


「分かったの!」


 レヴィアがスーッと息を吸う。


「こっちには味方がいるの! 気を付けて!」


 そして、可能な限りの声を張り上げてそう告げた。


「これでいいの?」


「ああ。相手も攻撃するときには用心するだろう。それから魔物はこっちに向かってきている。上手く味方と挟撃できればいいんだが、どちらかというとこっちが敵に挟撃されそうだな……」


 魔物は通路の両サイドから迫ってきているのが分かる。


「とりあえず、友軍が進んでこない方から片付けるぞ。右だ!」


「了解なの!」


 久隆たちはもはや足音も気にせずに右に向けて突き進む。


 そして、魔物と遭遇。


 鎧オーガが4体だ。


「『吹き荒れろ、氷の嵐!』」


 レヴィアが真っ先に魔法を叩き込み、鎧オーガたちの動きが鈍る。


 そして、久隆が突撃する。


「『我が敵の守りを蝕み、錆びつかせよ!』」


 フルフルの付呪が敵に命中したのを確認して久隆が斧を振るう。


 首を刎ね、頭を潰し、腎臓を潰す。


 最後の1体が雄叫びを上げながら、ハルバードを振り上げ、久隆めがけて振り下ろす。久隆は斧で敵の攻撃を弾きつつ、次の攻撃のチャンスを窺う。


「久隆様! 後方から来ました!」


「フォルネウス! マルコシア! 一先ずはそっちでやってくれ!」


「了解!」


 久隆は指示を出しながら戦うのも前線指揮官の役目かと思いつつ、目の前の鎧オーガに集中しつつも後方の戦闘に気を配る。フォルネウスとマルコシアの戦いはこれまで見てきたが、彼らはそう簡単にはやられはしない。久隆が鎧オーガ1体を片付けている間の時間稼ぎぐらいはできるだろう。


 いや、ひょっとするとふたりだけで撃破してしまうかもしれない。久隆としてはそれが望ましい。成功経験は士気を上げる。自分たちの手で勝利したという実感があれば、それが次の勝利に繋がることもある。


 久隆は鎧オーガの隙を探る。


 これまでの鎧オーガは動きも単調でただの的だったが、これは微妙に異なる。動きに無駄がなく、隙を見せない。だが、魔物は魔物。人間や魔族を見たら、退くという選択肢はない。攻撃あるのみだ。


 久隆は敵がハルバードで刺突してきた瞬間にカウンターを入れた。ハルバードの刃をするりと躱し、顔面に斧を叩き込む。鎧オーガは悲鳴を上げて蹲り、そこで頸椎に久隆が斧を叩き込んだ。それで片付いた。


「フォルネウス、マルコシア。どうだ?」


「ジャイアントオーガです……! 勝てるかどうか……!」


 フォルネウスはジャイアントオーガと格闘していた。


 ジャイアントオーガもハルバードを振るい、フォルネウスを狙ってる。


「『燃え上がれ、炎の舞!』」


 マルコシアは魔法で戦闘を支援していた。


 炎がジャイアントオーガを包み、焼きながらもジャイアントオーガは耐えていた。


「フンッ!」


 フォルネウスはマルコシアの支援の直後に攻撃を行う。


 魔法剣は炎を宿し、ジャイアントオーガを焼きながら切り裂く。だが、致命傷には至っていない。フォルネウスはジャイアントオーガの下半身ばかり攻撃していて、攻撃は分厚い脂肪と筋肉によって阻まれてるのだ。


「フォルネウス! 上だ! 頭を狙え!」


 そこで久隆が指示を出す。


「頭……!」


 フォルネウスは一度下がり、ジャイアントオーガから距離を取る。


「はああああっ!」


 それから一気に駆け抜け、ジャイアントオーガの振るうハルバードを躱すと地面を蹴って、ダンクシュートを決めるように飛び上がった。そして、ジャイアントオーガの頭に短剣を突き刺す。


 ジャイアントオーガはバランスを崩して倒れ、フォルネウスは離脱する。


「フォルネウス!」


「おお!」


 そして、ジャイアントオーガの倒れた方向から魔族たちがやってきた。


「もしかして、15階層からここまでの掃討戦は終わっているのか?」


「ああ。安全だ。フォルネウスはこれより上を?」


「久隆様がご活躍なさって撃破された」


「そいつはいい。敵を挟み撃ちにしてやったわけだ」


 フォルネウスは友軍の魔族たちと喜びの言葉を交わし合う。


「久隆様! 15階層まで一気に降りられますよ!」


「そいつは朗報だ。15階層に降りて、それ以降への準備をしよう」


 これでかなりの時間短縮に繋がると思いながら、久隆はフォルネウスとマルコシアが戦力となっていることに安堵の息をついた。


 ふたりが完全な戦力になれば後方を気にせず戦える。


……………………

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