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リザードシャーマンの付呪

……………………


 ──リザードシャーマンの付呪



 久隆は84階層に降りると同時に索敵を始める。


「リザードマン22体。ふたつの群れに分かれている」


「リザードシャーマンは2体でしょうか?」


「確認しよう」


 久隆は無人地上車両(UGV)を走らせる。


「ひとつ目の群れ。リザードマン10体、リザードシャーマン1体。武器は長剣のみ」


 久隆は映像を確認すると気づかれないうちに無人地上車両(UGV)を離脱させる。


「ふたつ目の群れ。リザードマン10体、リザードシャーマン1体。装備は同様」


 久隆はリザードマンたちの存在を確認するとすぐに無人地上車両(UGV)を回収した。そして、サクラの方を向く。


「上層で話したように一度付呪の効果を見定める。いつでも敵を狙撃できる位置についてくれ」


「了解」


 サクラは頷いて、フォルネウスとともに狙撃位置に向かう。


 久隆たちはまだこの時点では隠密を維持して、リザードマンたちに迫る。何も全てのリザードマンに付呪をかけさせる必要はないのだ。1、2体のリザードマンに付呪をかけさせ、その効果を見定める。それでいい。


 10体6体ぐらいまでは隠密で仕留められるだろう。それからが勝負だ。


 久隆はいつもの要領でリザードマンを誘い出し、1体ずつ首を刎ね飛ばしていく。


 1体、2体、3体とリザードマンが消えていく。


 久隆は廊下を進み、リザードマンの群れへとさらに近づく。


 そして、一撃。リザードマン6体はこれで倒れた。


 残るリザードマンたちは味方が倒れたのに気づいて久隆に武器を向ける。


「フルフル!」


「『我が敵の守りを蝕み、錆びつかせよ!』」


 フルフルがすかさず付呪を叩き込む。


 それと同時にリザードシャーマンが人間には理解不能な言葉で詠唱した。


「来るぞ」


 久隆が警告を発する。


 次の瞬間、リザードマンが恐ろしい速度で攻撃を仕掛けてきた。


 久隆はそれを受け止めるが、一撃が酷く重い。なんとか受け切り、弾き返す。


 だが、間髪入れずに次の攻撃が来る。思い打撃の連続だ。


 それでも敵の脅威は分かった。それで十分だ。


「サクラ、やれ!」


『了解』


 サクラの矢がリザードシャーマンの頭部を射抜く。


 その時点でリザードマンたちの付呪も効果切れになる。


「レヴィア! マルコシア!」


「『降り注げ、氷の槍!』」


「『爆散せよ、炎の花!』」


 動きが通常の状態になったリザードマンに魔法が叩き込まれる。


 リザードマンは一気に大損害を受け、久隆が斬り込んだことで殲滅された。


「次の群れだ! 急ぐぞ!」


 狙撃チームは既に移動している。


 ふたつ目の群れは移動を始めており、久隆たちに向かってきている。そこを狙撃チームがリザードシャーマンを狙って仕留めるのだ。


『狙撃チームより打撃チーム。狙撃可能』


「やれ」


 サクラがリザードシャーマンを仕留める。


 これでもう付呪の心配はしなくていい。


 ただ、リザードマンたちを叩きのめすたけである。


「正面から来るぞ。10体だ。レヴィア、まだまだいけるな?」


「行けるの!」


「よし。叩きのめしてやろう」


 久隆たちとリザードマンが接敵する。


「いっけー!」


「やります!」


 フルフルが付呪をかけ、レヴィアとマルコシアが魔法を叩き込む。


 10体中8体が打撃を受け、4体が死亡した。


 久隆が残り6体と勝負する。


 リザードマンは長剣を振りかざして襲い掛かってくる。


 久隆は長剣をリザードマンの腕ごと弾き飛ばし、次にリザードマンの首をめがけて斧を振るう。リザードマンの首は刎ね飛ばされ、金貨と宝石に変わる。


 次のリザードマンが来るのに久隆は真っすぐ一瞬でリザードマンの首を刎ね飛ばし、死体が消える前に長剣を奪い、他のリザードマンの顔面をめがけて投げつける。長剣はリザードマンの顔面に突き刺さり、即死させた。


「残り3体」


 久隆は隙を見せずに攻撃を加える。


 リザードマンの頭が叩き割られ、首を刎ね飛ばされ、軍用ナイフで眼球を貫かれる。


 6体のリザードマンは殲滅され、久隆は残敵を確認する。


「クリア」


 そして、戦闘終了の合図を出す。


「久隆さん、どうでした? リザードシャーマンの付呪というのは」


「かなり不味いな。今回はこっちの都合で付呪を終わらせられたが、そうでないとなると完全にこっちが押される。モンスターハウスではフルフルに対抗魔法をかけてもらうことを忘れないようにしないといけないな」


 リザードシャーマンの付呪は脅威だった。


 久隆の恐ろしい力を生み出す人工筋肉でも、弾くのが限界。カウンターのチャンスはなし。これが1体のみならず、2体、3体となるととてもではないが戦えない。


 それを防ぐにはリザードシャーマンを早期に排除するか。あるいはフルフルの対抗魔法に頼るかだ。フルフルに頼りすぎるのは彼女に負担を生むが、しかしこれはやむを得ないのだ。他の戦う術がない。


「フルフル。負担になるだろうが、やってくれるか?」


「任せてください。やってみせます」


 フルフルは気合いを入れている。


「ところで対抗魔法に効果時間はあるのか?」


「はい。永続ではありません。30分程度で解けます」


「30分か。大丈夫だな」


 30分もあればリザードマンをなぎ倒し、リザードシャーマンを仕留めることはできる。久隆たちにはそれだけの実力があった。


「待てよ。リザードシャーマンが複数いて、それがそれぞれ付呪をかけるなら、それは付呪の重ね掛けになるのか?」


「ならないと思います。重ね掛けは同一の術者が行って、初めて効果を発揮するものですから。別々の術者が同一の目標に付呪を重ね掛けするのは無理かと」


「それは助かった。重ね掛けなんてされたら手に負えないからな」


 付呪の重ね掛けの威力は久隆がよく知っている。


 あの暴力性をリザードマンが手に入れたら、大変なことになる。


「この調子で確実に進んでいこう。決して油断せず、着実に。これまでの戦闘の結果も考慮しつつ、かつ臨機応変に。以前の成功にとらわれすぎると失敗する。いいアイディアが浮かんだら、遠慮なく申し出てくれ」


「了解なの」


「では、小休止を挟んでから前進再開だ」


 久隆はマットを広げ、休憩の準備をする。


「チョコレートを食べておけ。糖分補給だ。それから水分もな」


「チョコレートは美味しいからすきなのね」


 レヴィアたちがチョコレートを口にする。


「フルフル。お前たちはどれほどリザードシャーマンとの戦闘経験があるんだ?」


「あまりありません。1、2度程度です。リザードシャーマンは超深度ダンジョンにしか出没せず、我々が超深度ダンジョンに挑むことはほとんどないのです」


「ふうむ。となると、全員がそうなのか?」


「いえ。近衛騎士団の中には戦闘経験が豊富なものもいます。リザードシャーマンと戦ったものもいるでしょう」


「それは朗報だ。俺たちはこれまでの戦闘経験からマニュアルを記さなくてはならない。これから90階層に到達したとして、90階層から上層までの兵站線を確保しなければ、俺たちは行き詰まる」


 久隆たちが道を切り開き、アガレスたちが維持する。


 そうすることでダンジョン攻略は進むのだ。


……………………

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