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80階層へ

……………………


 ──80階層へ



 78階層に降りたと同時に久隆が索敵を行う。


「18体。9体の群れがふたつ。ふむ。無条件に数が多くなるわけでもないのか」


 76階層が20体だったのを考えると数は減っている。


「どうしますか?」


「76階層の時と同じだ。ひとつの群れを迅速に片付け、すぐに別の群れを叩く」


 久隆はそう告げて無人地上車両(UGV)を展開する。


 無人地上車両(UGV)は78階層を群れに向かって進み、画像を送信してくる。


「長剣に盾。盾はライオットシールドに近い構造。材質がどうあれ、面倒な相手だな」


 これまでのリザードマンと違って、78階層のリザードマンの装備はラウンドシールドではなく、長方形のライオットシールドに近いものだった。これは材質によってはただでさえ防御力の高いリザードマンの防御力を高めることになる。


 久隆にとっても厄介な相手だ。


「今回は面倒なことになりそうだ。迅速に叩くのも難しいかもしれない。いざという場合はフォルネウスとサクラは後方に回れ。挟撃に備えなければならない」


「了解」


 フルフルの付呪がどの程度有効かは分からないが、ラウンドシールドが鋼鉄製であっても叩き切れるようになることを祈るのみだと久隆は思った。


「では、いくぞ。先導する。最初は奇襲と行きたい。協力してくれ」


 久隆が先導し、レヴィアたちが続く。


 久隆は慎重に足音を殺し、静かに移動していく。


 できれば初撃は背中から一撃を食らわせたい。相手が陣形を転換し終える前に叩いてしまいたい。そう考えていた。


「よし。目標視認。3カウントだ。迅速にやるぞ」


 久隆がそう告げ、3秒のカウントが始まる。


 3──2──1──。


「今だ」


「『我が敵の守りを蝕み、錆びつかせよ!』」


 フルフルの付呪によってリザードマンたちが一斉に攻撃に気づく。


「『降り注げ、氷の槍!』」


「『爆散せよ、炎の花!』」


 リザードマンたちは態勢を整える暇もなく、レヴィアとマルコシアの魔法に襲われた。リザードマンたちが氷の槍に串刺しにされ、炎の爆発によって頭部を殴れたように衝撃を受けた。これによりリザードマン9体中、7体が打撃を受け、3体が死亡した。


「フォルネウス! 今のうちに1体でも多く仕留めろ!」


「了解!」


 久隆たちは混乱するリザードマンの群れに襲い掛かる。


 リザードマンが盾を構える前に久隆がリザードマンの頭を叩き割り、フォルネウスが短剣で眼球を貫いた。2体同時にリザードマンが倒れる。


 残り4体。


 久隆たちはこのまま敵を撃破してしまいたかったが、流石にリザードマンもいつまでも殴られてばかりではない。盾を構え、久隆たちに迫ってくる。


 こうなると責めにくい。特にフォルネウスは攻撃がほぼ不可能だ。


 久隆は敵を盾ごと蹴り飛ばし、体勢が崩れたところを攻撃する。ガンッという金属音が響き、リザードマンが衝撃を受けてよろめき、そこを久隆が襲う。


 だが、これでは時間がかかるし、確実に仕留め切れない場合もある。


 そして、その影響はすぐに表れた。


「後方から来るぞ! フォルネウス、サクラ! 後方に回れ! 俺もこっちを片付けてすぐに合流する!」


 恐れていた挟撃である。


 後方から進軍してきたリザードマンが久隆たちの後方から姿を見せた。


「いきますっ!」


 まずはフルフルが付呪をかけて、相手の防御を削る。


「叩きのめしてやるの!」


「吹っ飛べ!」


 そして、レヴィアとフルフルの魔法攻撃が叩き込まれる。


 だが、リザードマンたちは盾を頭の上に構え、レヴィアの攻撃を阻止した。


 今回はラウンドシールドではなく、ライオットシールドに近い長方形の盾のために、本当にほとんどの攻撃が不発に終わってしまう。


 そして、リザードマンたちは盾を手に前進してくる。


「ここで押さえないと……!」


 フォルネウスは短剣を手に、リザードマンの群れと対峙する。


 リーチで言えば、リザードマンの長剣の方が遥かに長い。そして、防御においてもリザードマンは盾と鱗という防御力を有している。


 状況的には圧倒的にフォルネウスが不利だ。ただ、フォルネウスだけを見るならば。


「フォルネウスさん。右です」


「了解」


 フォルネウスには強力な支援がある。サクラの狙撃だ。


 サクラがリザードマンの頭を射抜き、前列が倒れたところを後列が盾を構える前に、フォルネウスが短剣で目を貫く。


 即座に側面のリザードマンが動くが、防御を固めすぎているのがあだとなった。すぐには攻撃目標を変更できず、フォルネウスは隙の生まれたリザードマンの眼球を再び貫いて即死させた。


「フォルネウスさん! 再度右です!」


「了解!」


 フォルネウスとサクラのコンビネーションは抜群であり、サクラはフォルネウスの攻撃を助けていた。1体、また1体とリザードマンが倒れる。


「フォルネウス! 下がるの! 魔法を叩き込んでやるの!」


「はい、陛下!」


 再び攻撃の機会が訪れる。


「『吹き荒れろ、氷の嵐!』」


 レヴィアの魔法でも生身の敵には有効な魔法が行使された。これならばいくら盾を構えても防御できない。渦を巻くような氷の嵐を前にリザードマンたちの鱗が剥がれ、体温が低下したことによってリザードマンたちの動きが鈍る。


「待たせたな、フォルネウス!」


「久隆様!」


 そして、久隆の参戦である。


 先ほどの4体を始末した久隆が参戦した。


「一気に畳むぞ」


「了解!」


 久隆が加わった状態での戦いは圧倒的に久隆たちに有利となった。


 久隆が盾を蹴り倒し、斧で頭を叩き割る。首を刎ね飛ばす。混乱する敵をサクラが援護射撃でより混乱させる。フォルネウスは隙を見出して、攻撃を繰り出す。


 そのまま一気にリザードマンの隊列を押し込み、動きの鈍ったリザードマンは殲滅される結果となった。


「クリア」


 久隆が隅々まで捜索して敵がいないことを確認するとそう宣言した。


「78階層攻略だ。80階層までもう少しだ」


「レッツゴーなの!」


 79階層は典型的なエリアボス前の階層となっており、リザードマンの数も少ないと偵察報告にはある。このまま押し切っても大丈夫だろうと久隆は考えた。


「これから79階層を攻略したら、80階層を軽く偵察して、撤退だ。地上でワイバーン戦の準備を整える。いいな?」


「分かったの!」


 そして、久隆たちは79階層に降りていった。


 79階層は予想通りというよりも予想していたより敵が少なく、久隆が斧を数回振るっただけで階層はクリアになった。


「クリアだ。では、いよいよ」


 そして、いよいよワイバーンの待ち構える80階層の偵察を行うことになる。


 偵察は久隆とサクラだけで行うことになり、彼らはゆっくりと地上に昇っていった。


……………………

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