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ワーム対策

本日2回目の更新です。

……………………


 ──ワーム対策



「発炎筒、まだ残っているな」


「残ってます」


「それを使おう。なるべく派手に挑発する」


「了解」


 久隆たちは無人地上車両(UGV)を回収してから、ワームの頭を目指して進む。


 そしてワームの頭と自分たちが十二分に離れた距離が得られる廊下で待ち伏せた。


「見えた。来たぞ」


「いいですね?」


「やってくれ」


 サクラは発炎筒に着火し、矢をワームの頭めがけて放つ。


 矢は思った通り、ワームの装甲によって阻まれたが、ワームは怒りを燃やし始めた。うねり、唸り、咆哮し、久隆たちの方を向いて口を開く。


「退避だ、サクラ!」


 サクラはさっと身を曲がり角に隠し、次の瞬間10メートルの距離を炎が舐めつくしていった。射程は10メートルかそれ以上ということはこれではっきりした。


「炎に粘着性はないな。燃え続けることはなさそうだ。だが、それでも厄介だな」


「そうですね。何か防護方法を考えないと」


「だな」


 久隆とサクラはそう告げ合って、ワームから逃げるように39階層に戻った。


「戻った。ワームについてある程度のことは分かった」


 久隆はそう告げて階段を上る。


「何か対策は立てられそうなの? ワームは厄介な敵なの。けど、無敵の魔物ではないの。何か対策を立てれば勝てるの」


「ああ。今、考えているところだ。このダンジョンに以前にワームと戦ったものはいるのか? いるならば意見を聞きたい。何か対抗手段があるということだからな」


「アガレスが知っていると思うの」


「なら30階層に戻るか」


 40階層までの道のりは切り開き、後はワームを倒すのみ。


 そのワームをどうするのか。


 久隆は必死に頭を回転させながら、対抗手段について考えていた。


 そして、30階層へと戻る。


「アガレス。聞きたいことがある」


「何だろうか、久隆殿?」


「ここに以前、ワームと戦ったものはいるか?」


「ふむ。確か数名だがいたはずだ。もう40階層を攻略するのか?」


「善は急げだ。やっと掃討したミノタウロスが復活する前に仕留めてしまいたい」


「分かった。では、紹介しよう」


 アガレスは側近に魔族を呼ばせた。


 アガレスの呼びかけで2名の魔族が姿を見せた。


 ひとりは宮廷魔術師、ひとりは近衛騎士で軽騎士だ。


「アガレス閣下。何か御用でしょうか?」


「うむ。久隆殿がワームに挑まれる。お前たちはワームと戦った戦歴があるだろう。ワーム討伐についての経験を久隆殿にお伝えするのだ。どのようにして倒したか、久隆殿は興味を持っている」


「了解」


 2名の魔族が久隆の方を向く。


「久隆様。我々が実際に行ったワームの討伐方法についてお話しますが、我々がワームに挑んだのは中深度ダンジョンで、そして仲間は10名いたことをまずはご理解ください」


「ああ。分かった」


「では。まずはワームの頭を押さえます。ワームの火炎放射は射程にして3メートルから10メートルと言われていますが、そこを鋼鉄のアーティファクトの盾を構えた重騎士が前に出て火炎放射を受け止めます。そしてそのままワームを引き寄せます」


「なるほど。頭を押さえておく、と。盾があれば確かに火炎放射を受けても大丈夫だな。その手は思いつかなかった」


 久隆は機動隊員ではない。軍事作戦で盾を使うことはほとんどと言っていいほどない。まず銃弾に耐えられるだけの盾というのは重苦しいものになるし、そしてそんなものを持ち歩くよりボディアーマーを身に着けて相手を射殺した方が楽であるからにして。


 だから、盾を使うという発想はなかなか生まれてこなかった。


「頭を押さえたら別動隊が尻尾を押さえます。これでワームは後方に頭を向けられなくなります。蛇と同じです。ダンジョンの狭い構造では、ワームは自由自在に動けるようで動きに制限があります。そこを突くのです」


「ふむ。では、肝心の攻撃はやはり後方から?」


「ええ。後方は火炎放射の影響を受けることもない安全な場所です。頭を押さえる部隊がしっかりと頭を押さえ続けていれば、ワームに集中砲火を浴びせて、撃破することは不可能ではありません」


「もっとも我々の経験は中深度ダンジョンでのものですが……」


 騎士と魔法使いはそれぞれそう告げた。


「ふむ。しかし、今の俺たちでは戦力不足だな……」


 頭を押さえるのに久隆とフォルネウスを投入するとして、尻尾を押さえるのに人が足りない。サクラもいるが、サクラはいざという場合の火消しとして運用したい。


「我々が参加しましょうか?」


「いいのか?」


「ええ。私の操るのは土属性の魔法。壁や障害物を作るのは得意です。尻尾を抑えるなら、ご協力できますよ。どうでしょうか?」


「是非頼む。今は戦力は少しでも多い方がいい」


 久隆は頭を下げてそう頼んだ。


「お気になさらず。我々は久隆様のおかげで命拾いしたようなものですから」


 魔法使いはそう告げて微笑んだ。


「では、加わってくれ。名前は?」


「イポスです。どうぞ、よろしくお願いします」


「ありがとう、イポス。頼りにしている」


 これでようやくワーム攻略の算段が立ちそうになってきたのであった。


「さて、問題は頭を押さえる方の盾だな……」


「材料となる金属があれば、私が加工することはできますが……」


「本当か? なら、今度鋼板を持ってくる。加工を頼む」


「はい。分かりました」


 流石の久隆も軍で金属加工の訓練は受けていない。金網を焼き切ったりぐらいはしたものの、溶接したりなどはしたことがない。


「鋼板そのものが熱されるのは耐熱手袋で耐える。攻撃はレヴィアたちに任せ、俺とフォルネウスは頭を押さえるのに専念するとしよう」


 頭部の装甲は如何にも硬そうだった。強固な装甲となるだろう鱗と分厚い頭蓋骨に守られた頭部を攻撃するのは得策とは言えない。ここは自分たちは守りに専念し、攻撃はレヴィアたちに任せてしまおうと久隆は考えた。


「ダンジョン内の時間とずれがあるから、ずれるかもしれないが明日には鋼板を持ってくる。加工をよろしく頼む」


「お任せください」


 イポスはそう告げて頭を下げた。


 それから久隆はレヴィアたちを探した。


「魔力回復ポーション完成!」


「これで思う存分魔法が使えますね……」


 マルコシアとフルフルは魔力回復ポーションの作成に勤しんでいた。


 既にビール瓶ケース1個分の魔力回復ポーションが完成している。相当頑張ったらしい。それか久隆たちが潜っている間に仲間たちがポーションを作ってくれていたのか。いずれにせよ、戦術物資としては申し分ない。


「フルフル、マルコシア。そっちの準備はできたか?」


「はい、久隆様。これからもバリバリ戦闘しますよー!」


「頼んだ」


 久隆はフルフルとマルコシアと合流し、次にレヴィアとフォルネウス、サクラを探す。この階層のどこかにいるはずなのだが。


……………………

本日の更新はこれで終了です。


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