表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

122/284

27階層への突入

本日2回目の更新です。

……………………


 ──27階層への突入



 小休止を終え、久隆たちはついに27階層に降りることになった。


 誰もお喋りはしない。緊張感が漂っている。


 27階層に降りてすぐに久隆が索敵を行う。


「オーク20体以上、ゴブリン50体以上だ」


「す、凄い数なの……」


 久隆は偵察部隊の地図に記された通路を進み、戦闘を展開する場所として選んだ場所で位置についた。曲がり角と丁度いい長さの階段で敵が展開できる戦力が限定でき、かつ連携を難しくしている場所だ。


 久隆たちの側の連携に問題はない。


「さあ、鬨の声(ウォークライ)を響かせろ。ここに魔物どもを誘導するぞ」


 久隆が告げる。


「こっちに来いなのー!」


「来やがれ、化け物どもー!」


 それぞれが思いっきり叫ぶ。


 すると、一斉にダンジョン内の魔物が動くのが分かった。


「来るぞ。レヴィア、フルフル、マルコシア。適切な距離を取れ。フォルネウスは俺と一緒に絶対にここを通させるな。サクラ、目標の選別はお前に任せる」


「了解」


 物凄い音で魔物の大群が押し寄せてくるのが分かり、緊張感が走る。


「来るぞ。フルフル、今のうちに付呪を」


「『このものに戦神の加護を。力を与えたまえ。戦士に力を』『賢きものよ、より多くの叡智を極め、力を得よ。賢者に力を』」


 フルフルの付呪がかけられ、戦力が底上げされる。


「──来た」


 ゴブリン長弓兵たちが一斉に曲がり角から飛び込んでくる。


「『吹き荒れろ、氷の嵐!』」


「『焼き尽くせ、炎の旋風!』」


 魔物の第一陣は突入してきたと同時に八つ裂きの丸焼きになった。


「次が来るぞ、オークだ」


 曲がり角からぬっと重装オークが3体同時に姿を見せ、さらに後方からも重装オークが列をなして続いてくる。


「『我が敵の守りを蝕み、錆びつかせよ!』」


 フルフルの付呪で一斉に重装オークの鎧がボロボロと崩壊を始める。


「押さえ込むぞ、フォルネウス!」


「了解です、久隆様!」


 重装オークたちは短剣で武装している。


 久隆は最前列の重装オークの短剣を回し蹴りで叩き落とすと、重装オークの首を刎ね飛ばした。2体目の重装オークも短剣による攻撃をひらりと躱し、重装オークの腎臓めがけて斧を叩き込んだ。


 フォルネウスの方も短剣を重装オークの顔面に突き立て、魔法剣を炎上させる。それによって中から焼かれた重装オークが倒れる。2体目も心臓の付近に短剣を突き立て、同じように内部から炎で焼き殺した。


 そうやって、3体、4体と重装オークたちが倒れていき、重装オークたちの間に原始的な混乱が生じる。仲間たちがやられていくのに、自分たちもやられるのではないかという混乱である。


「レヴィア! マルコシア! 魔法を叩き込め!」


「了解なの!」


 久隆たちは一瞬の迷いが生じた重装オークたちから距離を取り、レヴィアたちは久隆たちの先にいる重装オークたちに狙いを定めた。


「『降り注げ、氷の槍!』」


「『爆散せよ、炎の花!』」


 レヴィアの魔法が鎧オークたちを貫き、マルコシアの魔法が前方2体の重装オークの顔面を弾き飛ばした。


「上出来だ」


 久隆は斧をしっかりと握りしめると、顔面を潰されたオークの首を刎ね飛ばす。


 そうやって戦闘が着実に推移していく中、久隆たちの恐れていたことが起きた。


「不味い。オークとゴブリンが同時だ」


 重装オークが前方に展開する中、ゴブリン長弓兵とゴブリンシャーマンが後方に展開した。想定していた中でも最悪のパターンだ。


 だが、ゴブリンシャーマンは姿を現したと同時に頭を撃ち抜かれてしまった。


「優先目標のみを排除します。矢にも限りがありますから」


「助かる、サクラ」


 フルフルが再び付呪をかけ、まずは前衛の重装オークを排除する。首を刎ね、頭を潰し、腎臓を叩き切り、そうやって着実に重装オークを排除していく。


 その間、ゴブリン長弓兵たちは矢を久隆たちに浴びせかけてきていた。


 矢が放たれ、ダンジョンの天井すれすれを通って床に降り注ぐ。


「レヴィア、マルコシア! 敵隊列後方に魔法!」


「了解です!」


 レヴィアは氷の嵐で、マルコシアは炎の旋風でそれぞれゴブリンたちを攻撃する。


 ふたりの魔法の威力は凄まじく、瞬く間にゴブリンたちは壊滅した。


「フォルネウス! 次が来る前にオークをやるぞ!」


「はいっ!」


 それからゴブリンシャーマンたちが3体同時に出現したり、重装オークとともにゴブリンロードが姿を見せたりしたものの、6名の連携で相次いで敵を撃破。


「そろそろ最後のはずだが……」


 久隆は足音に耳を澄ませる。


「オークとゴブリンだ。サクラ、矢にまだ余裕はあるか?」


「あります」


「それならいくぞ」


 重装オーク6体を盾にゴブリンシャーマン2体とゴブリン長弓兵12体が展開する。


「サクラがゴブリンシャーマンを仕留めたら、敵隊列後方に魔法だ!」


 久隆はそう告げてフルフルの付呪を待ってから重装オークとの交戦に突入した。


 重装オークたちは短剣を振り回しながら久隆たちに向けて突撃してくる。


 そして、ゴブリンシャーマンはその隙を縫って魔法を久隆たちに浴びせてくる。


「『そのものに魔法使いの加護を、その身を悪意ある魔の力から守りたまえ!』」


 しかしながら、フルフルの付呪のおかげで攻撃は久隆たちには達しない。


 それでも脅威であることに変わりはない。


 サクラがゴブリンシャーマンの頭を撃ち抜き、矢を番え、狙いを定めまた撃ち抜く。


「今だ!」


 レヴィアたちの魔法攻撃が後方に叩き込まれる。


 今回は全滅とはいかなかったが、かなりの数のゴブリン長弓兵を削った。


 ゴブリン長弓兵は重装オークの壁が薄くなってきたことで曲射を止め、直接射撃に切り替えていた。ダンジョン内では広さのせいであまり効果を発揮しない曲射よりも直接射撃の方が威力が高く、面倒である。


「『吹き荒れろ、氷の嵐!』」


 だが、ゴブリン長弓兵たちの攻撃は久隆たちには達さなかった。


 レヴィアの放った魔法により弾道がそれ、同時にゴブリン長弓兵たちがダメージを負う。矢は明後日の方向に飛んでいき、よりによって重装オークの方向に飛んでいった。


 威力の弱まった矢は重装オークには刺さらなかったものの、隊列に混乱が生じる。


 その隙に久隆たちは畳みかけた。


 重装オークの頭を潰し、内部から炎上させ、首を刎ね飛ばし、心臓を貫く。


 久隆とフォルネウスが前衛を削りきり、重装オークは壊滅した。


 そして、久隆たちは手早く残ったゴブリン長弓兵たちを仕留めてしまった。


「なんとか攻略完了のようだ、27階層」


「つ、疲れたのー……」


 久隆も肩の荷が下りると同時に緊張感がほどけ、どっと疲労が押し寄せるのを感じた。だが、彼らは勝利したのだ。ダンジョンの悪意に対して、またひとつ勝利したのだ。


……………………

本日の更新はこれで終了です。


では、面白いと思っていただけたらブクマ・評価・励ましの感想などお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ