表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
143/234

困りごと

 最近になってエルフ達は、夢の中で妖精の都への道が閉ざされて入れなくなってしまったという。正直因果関係は良く分からなかったが、結果としてエルフ達はジワジワと弱っているらしい。そこでエルフ達はオルフ大森林の奥に住むという伝説のハイエルフに助けを求めようとしているそうだ。


「えっ、迷いの森ってエルフも迷うんですか」

「サゲぽよ」


 しかし、ハイエルフが住む大森林の深層とここエルフ達の村のある浅層の間には、エルフ達から迷いの森と呼ばれる領域があり、そこを突破しようと何度も探索隊を出したが未だ成功していないという。うん、迷いの森の突破に協力できれば、檻から出してもらえるんじゃなかろうか。

 俺はアンブリットからもらったヘーゼルナッツの様な木の実を噛みながら、探知スキルで周囲の状況を窺う。この3日の間何度もしているが、スキルに映るこの村のエルフの人口は100人くらい。そして、毎日村の外に30人くらいが出て行って戻って来るが、それは食料採取組なのだろう。

 それ以外で5人くらいの集団が、採取組とは別に出て行き、また戻って来ている。これが探索隊なのだろう。方向は村から西だ。俺は西の方に探知スキルを集中してみると、およそ30キロメートル先でスキルがパチンと切れるような境界線のような物があった。なるほど、この先が迷いの森か。


 結構精神力が削られるようでしんどいが、そのまま境界を南北に探っていく。10キロくらい北に行ったところに入れそうな穴があった。ふう、今日はもうこれ以上スキルを使えそうも無いが、現場に行けば謎バリアの穴を通って迷いの森を抜けられそうな気がする。

 あとはどうやって長老達に信用されるかだが。


「ねえ、アンブリットさん。

 もし私が迷いの森を抜ける道が分かるって言ったら信じてもらえますか」

「無理ぽよ」


「ですよね。でも実は探し物とか、得意なんですよ。

 アンブリットさん、何か最近無くした物ってないですか」

「う~ん、朝、顔を洗った時に落としたピアス、

 いくら探しても無くってガン萎え」


「ピアスってどんな形してましたか」

「ハダカデバネズミが、くしゃみした顔の木彫りでエモいヤツ」


 いや、それってエモくないだろ。ってこっちにもハダカデバネズミいるのか。類似のネズミが異世界語翻訳でそうなっただけか。まあいい、イメージは付いた。いや、付きづらい。っていうかさっき迷いの森のバリアを探して、結構頭痛いから余程近くじゃないと分からないけど。


「あの、アンブリットさん。

 服の中のそれがそうじゃないですか」


 俺はアンブリットの右胸の服の膨らみの先端を指さす。アンブリットは何気ない様子でその先端を摘んでふにふにイジって言った。


「はあ、これあーしの乳首だけど。マジ変態」

「うわ~、人間って変態」

「ちょっと、ズボン脱ぎなさいよ~」


 アンブリットだけでなく、他のエルフ女どもまで騒ぎだす。最後、もっと変態になるよね。とにかく俺は急いで否定する。


「ち、違いますよ。

 ピアスがそこに引っ掛かってるんですよ」


「え~、ウソ~」 ふにふに、コリコリ 「あ、なんか固い」

「アンタ、なに固くしてるのよ」

「ちょっと、ポロリしてみなさいよ~」

「違うって、元々固い何かがあるっしょ」


 アンブリットが胸元に手を突っ込んでゴソゴソすると、変な生き物の頭のピアスが出て来る。俺にはそれがハダカデバネズミかどうかは分からなかったが、見つかってホッとした。ちなみにポロリは俺も賛成です。


「どうですか、失せ物探しは得意なんですよ」


「アンタ、マジ凄ぽよ」

「アイツ、アンブリットの乳首ガン見してたのよ」

「私も見てたのに気付かなかったわ。ハイレベルガン見ストね」


 とりあえずアンブリットの信頼は得られたようだ。後ろの二人は俺に濡れ衣を着せようとしているが。




「長老、本当に人間を連れて行くのですか」

「ふむ。アンブリット、本当にこの人間が迷いの森を抜けられるというのか」

「マジ卍、おススメ」


 その後、アンブリットの口添えもあり俺達は檻から出してもらえた。だが引き換えに妖精の都を目指して、迷いの森を抜ける第七探索隊に加わる事になるのだった。探索隊はエルフ男5人と俺達3人だ。エルフは皆若そうに見えるが、長老を年長者、檻の周りにいた6人を若者とすると、この5人は中堅といったところに見える。

 俺達は返してもらった装備だが、エルフ達は全員が弓と矢、和弓ではなくアーチェリーくらいの大きさ、と刃渡り1メートル以下の剣、それと短剣を装備している。森を進むのに、鉈や手斧などを持たないのはエルフスタイルか。探検隊らしくナップザックを負っている。

 このナップザックは俺達も借りて負っているが、登山のような大きなリュックサックでないのは、食料は現地調達できる前提で、少量の食料に水、野営で体を包む毛布ぐらいしか入っていないせいか。食料は映画のエルフが作る乾パンのような物ではなく、採取した木の実やイモをペーストして乾かした物と兎等の干し肉らしい。


 とにかく俺達8人は、妖精の都を目指してオルフ大森林の深層を目指して森へと入っていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ