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その二十六 会話と横入り

美夜子みやことの関係を勘違いしてほしくない望美のぞみ

何とかとおるとの関係を近付けたいと決意しますが……?


どうぞお楽しみください。

 授業中。

 望美のぞみとおるを横目で見ながら、強い焦りを抱えていた。


(このままじゃ楽面がくめん君に京極きょうごくさんとの仲を誤解される……! そうしたら今以上に関係が遠くなる……!)


 素直になれず、ツンデレ台詞を口にし続けてはいたが、通と仲良くなりたい気持ちは人一倍ある望美。


(休み時間になったら話しかけよう……! 緊張しないで、明るく、感じ良く……!)


 そう決意すると、望美は授業の終わりをじりじりと待つ。


「……では今日はここまで」

「!」


 教師の言葉に顔を上げる望美。

 教室を出ていくのを見送って、通に話しかけようとするが、


五階ごかいはーん」

「! 京極さん……!」


 すかさず駆け寄って来た美夜子に阻まれた。


「昨日のドラマ観たん? すれ違いのラブストーリー」

「……観たけど」

「ああいうのえぇよねぇ。うちキュンキュンしてもうて」

「……わかるけど、その……」


 望美が何かを言いかける前に、美夜子は矛先を通に変える。


「楽面はんも観た? 昨日のドラマ」

「ううん、観てないや。ごめんね」

「そうなん。せやったら五階はん、女の子同士でゆっくり話そうなぁ」

「え、いや、でも……」

「五階はんはここに来て最初にできたお友達やから、色々話したいんや」

「……」


 そう言われると、どうにも断りづらくなる望美。


「すまんなぁ楽面はん。うちらだけで盛り上がってしもうて」

「全然いいよ。楽しく話してね」

「……あの、とっ友達として仲良いだけだから、勘違いしないでよね……」

「うん」


 通の屈託のない笑顔に、望美は溜息を堪える。


「……」


 そんな二人を、美夜子はじっと眺めるのであった。

読了ありがとうございます。


望美は根が良い子なので、美夜子の誘いを断れませんでした。

このままでは……!


次回もよろしくお願いいたします。

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