その十六 誘いと約束
通と望美のフォローでクラスに溶け込めた美夜子。
その視線には熱が宿り……?
どうぞお楽しみください。
放課後。
「あ、あの……」
美夜子が通の席へとやって来た。
「あ、京極さん! どうしたの?」
「そ、その、今度の土曜日、買い物に付き合うてもらえんやろか……」
ざわつく教室。
動きを止める望美。
しかしそんな空気を全く感じていない通は、
「うん、いいよ! 何時にどこ集合にする?」
「えっ!? あ、駅前に、その、十時でええ……?」
「うん!」
あっさりと返事する。
あまりの呆気なさに、戸惑う美夜子。
「あ、他にも友達誘った方がいいかな?」
「え、あ、その、うん……」
口ごもる美夜子だったが、それでも頷いたのを見た通は、
「五階さん! 一緒に行かない?」
「!?」
隣の望美へと声をかけた。
「しっ仕方ないわねっ! そっそこまで言われたらついて行ってあげなくもないわっ! かっ勘違いしないでよねっ! べっ別にあんたのためじゃないんだからねっ!」
「うん! 京極さんのためだよね!」
「……そうよ」
いつもの反応に若干テンションを下げつつも、
(楽面君と休みの日にお出かけ! やったぁ!)
と内心大喜び。
その様子を美夜子は、
「……」
頬を染めながらじっと見つめるのであった。
読了ありがとうございます。
お休みのお出かけ。
さてどうなる事か……。
次回もよろしくお願いいたします。




