442 建国祭に向けて
アニメ版のPV第三弾と新たなキービジュアルが公開されました!
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放送まで、あと二ヶ月……。
よろしくお願いします!
四百四十二
マリアナと和解した後は、いつも通りに長閑な時間が戻ってきた。
「ミラ様がお戻りになられたと聞きまして──」
そして夫婦団らんしていたところで、クレオスが帰ってくる。
ミラの帰還をどこからか聞いたようだ。急いで帰ってきたといった様子だ。
「うむ、戻ったぞ。して、生徒達の様子はどんな具合じゃ──」
そうなれば今度は召喚術について、ひいては学園についての話が始まった。
クレオスは学園での事、そして自分自身の特訓の成果などについて報告していく。
マリアナがミラの帰りを心待ちにしていたように、クレオスもまた帰りを待っていたのだ。
最初の内は不貞腐れ気味のマリアナだったが、クレオスの気持ちもわかるからだろう。そっとお茶を用意するなどして、召喚術の未来について話す二人を優しく見守る。
「熱っ……!」
否、少しばかりの意地悪さが顔を覗かせる。マリアナはお茶に口をつけたクレオスを見て悪戯っぽく笑った。
ニルヴァーナから久しぶりに自国へと帰ってきたミラは、それから日々をのんびりと過ごしていた。
自由気ままに術の研究に打ち込み、マリアナと語らい時に出かけ、ルナとも存分に遊ぶ。
また、約束通りにエミリアとクレオスの特訓も再開した。共に腕を上げており、教える内容は更に次へと進んでいく。
孤児院に立ち寄っては子供達とも遊び、ソロモンに頼まれれば魔封石の追加を作製したりもした。
加えて、いつも以上に召喚体の仲間達との時間をとり、労ったり語らったり共に訓練したりと充実した時間を共にする。
そうして建国祭まで、あと数日となった日の事。
首都ルナティックレイクでは、既にお祭りムードがそこかしこに広がっていた。
商店街には準備中の出店が並び、そこらじゅうの建造物の壁には装飾が施されている。何とも賑やかで壮観な眺めだ。
市民達の様子もまた、建国祭に向けて大いに盛り上がりを見せる。いつも以上に笑顔で活気に満ちていた。
と、そのように町中がお祭り騒ぎで盛り上がる中、ミラはというとソロモンの執務室にてお菓子を食べていた。
「よもや、わしが一番とはのぅ。いや、あ奴らの事じゃからな……こうなるのも予想出来たか」
「まあ、そうだね。だから予定より集合を一時間早く伝えておいたんだけど……まさか君が時間通りに来ちゃうのは予想外だったよ」
「なんじゃと!?」
建国祭の打ち合わせという事で、ソロモンより九賢者達に招集の連絡が送られていた。
今は、その際に伝えた時間を少し過ぎたところだ。エミリアの特訓が終わって直ぐの時間だったため、都合のつけやすかったミラは聞いていた時間通りの到着。
だが、そう予定通りにはいかない面倒な者ばかりが集まったのが九賢者である。ソロモンは、全員が遅れてくる事を見越していたようだ。むしろ今ミラがいる事に驚いてすらいる始末である。
結果ミラは、余計に待たされる事となった。
と、そのように少しばかりの暇が出来たところだ。
「ところで、リリィ達は今どこにおるかのぅ。ちょいと話したい事があるのじゃが」
ミラの方から、そんな事を口にしたのだ。
「え、リリィ達? 君の方から!?」
ミラからそんな言葉が出てくるとは、これもまた予想外だったのだろう。それはもう驚きながら熱でもあるのかとばかりにミラを見やるソロモン。
実際のところ彼女達に散々引っ掻き回されているミラからすれば、自ら近づこうなどとは思わないはずだ。
だが今回、ミラには明確な目的があった。そしてそれは自分のためでもあり、仲間のためでもあった。
「どういう用事か訊いてもいい?」
そんなミラの言動に興味を持ったのか、ソロモンは両目を爛々と輝かせながらそう言った。
「まあ、構わぬぞ。隠すような事でもないからのぅ──」
ミラは、むしろ今後に関係する大切な話だとばかりに付け加えてから、その理由について語った。
ミラがリリィ達に話したいと言った事。
それは、ヴァルキリー七姉妹の五女、エリヴィナに関係するものだった。
以前、まだニルヴァーナに滞在していた時である。エリヴィナに新しい服作りを頼んだ事があった。
それは、これまでのリリィ達が作ってきた魔法少女風の魔導ローブセットとは違い、かっこよさのみを追求した服を作ってほしいというような内容だ。
予定では、最高にクールでスタイリッシュな服が完成するはずだった。
加えて制作するための素材についても、アルマより報酬代わりに最上級の縫製素材が貰えたため、出来上がるのは戦闘面においても上質な服となるはずだった。
だがそこで、だからこそ、そこで問題が発生してしまったと、先日エリヴィナより報告を受けたミラ。
「──というわけでのぅ。うちのエリヴィナに少しばかり設備を貸しては貰えないか頼もうと思ったのじゃよ」
上質な素材というのは、それゆえきちんと扱うには相応の道具が必要となる場合が多い。
ニルヴァーナにいた頃は、王城に十分な設備が整っていたものだ。
対してエリヴィナが暮らすヴァルハラは、どうか。
その場所は本来、ヴァルキリー達が日夜強さを極めんと訓練に励む場所である。そこにエリヴィナが趣味として集めた道具が揃っている程度でしかなかった。
つまりは、家庭のそれと同程度なのだ。
それでもエリヴィナは、持ち前の腕でどうにかこうにかやりくりしてきた。
けれど、今回ばかりは素材が勝ってしまったわけだ。
上級の魔物と戦うような場面にも耐えられる極上の素材を加工するともなれば、それこそ専門的な設備が必要となる。
銀の連塔はといえば、あいにくと術関係においては最上級の設備が揃うも、裁縫についてはまったく専門外の状態だった。
よってニルヴァーナから帰ってきた今、作業が完全に滞ってしまったわけだ。
そんな状況下でミラが目を付けたのが、リリィ達である。
「確かに彼女達が使う設備は、その立場と趣味が合わさってか本格的だからねぇ。目的は十分に叶うわけか」
侍女区画の片隅、リリィ達侍女軍団が力を合わせて完成させた裁縫部屋。筆頭侍女であるリリィが持つ力と、彼女の右腕であるタバサの力、更には志を共にする侍女達の力も加わった結果、そこらの専門店よりも充実した環境が整っていた。
そこには、ありとあらゆる要望に応えられる──否、ありとあらゆる願望を叶えられるように揃えた最先端の設備が揃っているのだ。
「うむ、この国で続きの作業が出来るとしたら、あの部屋くらいしか思いつかなくてのぅ。わしとしてはアレじゃが、エリヴィナのためにもな」
アルカイト王国一どころか、大陸でも随一の設備が揃っているのは間違いない。前に侍女区画に連れ込まれた際に、それをしかと目にしているミラは、同時にその魔窟具合も垣間見ていた。
下手に入り込めば、あれやこれやと侍女に囲まれ着せ替え人形にされるのは確実だ。
ただ今回の役目は、頼むだけ。実際に侍女区画へ赴くのはエリヴィナだけとなる。一度話を付けてしまえば、後は蚊帳の外というわけだ。
そうしていずれ、理想的なカッコいいローブが完成する。万々歳である。
「まあ、わかったよ。面白そ──どのくらいカッコいいローブが出来るのか僕も気になるからね」
エリヴィナが作っているのは今までの侍女作とは違い、ミラの趣味が主軸となるデザインだ。
いったいどのようなローブが完成するのかと、ソロモンはとても興味深そうに微笑みながらテーブルに並ぶベルの一つを指先で弾いた。
「ああ、ソロモン王様。このような機会を下さりありがとうございます! 主様、お願いを聞いて下さり、ありがとうございます!」
設備の使用を頼むと同時に、顔合わせも済ませてしまおうと考えたミラは、ここにエリヴィナを召喚していた。
作業がさっぱり進まない事を余程気にしていたのだろう。一通りの事情を説明し終えたところで、エリヴィナのテンションは急上昇だ。
「少しばかりぶっとんだところもあるが、腕は確かじゃからな。設備もそうじゃが、学べるところなどもあるかもしれぬぞ」
色々と問題行動の多いリリィ達だが、その腕前は本物である。否が応でも地上の情報から遠くなってしまうヴァルハラでは知る事の出来ない技術を学べる絶好の機会ともいえるだろう。
彼女達が生み出した服の数々を着せられて──着てきたミラは、そう太鼓判を押す。
そんなミラの言葉に、ますます目を輝かせるエリヴィナ。
「リリィ、ただいま参りました」
そうしていたところで、いよいよ覚えのある声が扉の向こう側から届く。
リリィだ。
(大丈夫じゃ。今回はなんて事はない。ただ、少しばかり頼みごとをするだけじゃからな……)
リリィとの遭遇とは即ち侍女区画への連行を意味し、否応なしに着せ替え人形とされるのが、これまでの結末であった。
けれど今回は違う。いつもの新衣装は既に前回遭遇時に受け取り済みであり、流石の彼女達とてこの短期間に次の新作を仕立てられるはずはない。
加えて、本日の主役はエリヴィナの方だ。
「ご苦労、入れ」
ソロモンの気取った声が響く中、ミラはエリヴィナを少しばかり前に立たせるようにして自分は一歩下がり、開いていく扉を見据えた。
「いかがいたしましたか、ソロモン様──あら、ミラ様まで! あらあら、いかがいたしたのでしょうか!?」
執務室にやってきた瞬間のリリィは、それこそ別人と見紛えるほどにきりりと凛々しく、正に侍女筆頭といった風格に満ちていた。
けれどもミラの姿を目に留めた直後に、その目の色が変わる。隠す事のない欲望の目だ。それでいて、ミラがそこにいる事を予め把握していながら、いるとは思わなかったといった様子を演じる女優ぶりである。
「何でも彼女の方から頼みがあるそうだ。聞いてやってくれるか」
ソロモンがそう告げると、リリィの目に更なる光が宿る。
「まあ、ミラ様から私にですか!? ええ、そういう事でしたらもう何でもお聞きいたしましょう!」
いる事は把握していた。だが、そのミラからの頼みというのが珍しい事もあってか、リリィは全てを許すが如く寛大な笑顔を浮かべる。そして火に油を注いだ如くに燃え上がり始めた。
トースターパンで、野菜炒めを作ってみました。
たっぷりのキャベツとタマネギに豚肉です。
やっぱりトースターに入れたら、あとは放っておくだけなので簡単なのがいいですね。
ただ、やはりというべきか、野菜ってどうしてあんなに水分が出るのでしょうね……。
野菜炒めのはずが、半分煮込み状態に……。
そしてその水分で味が薄まってしまうので、味付けもなかなか悩みます。
ケチャップ炒めのはずが、ミネストローネ風に……。
すき焼きの割り下なら、もうそのままだったので結構いけました!
他にはどういう味付けがぴったりくるのか……。
とりあえず次は、中華調味料に挑戦してみようと思います!




