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07 「乙女ゲームと酷似しているようです」

今回も短い、気が、しないでもないです。


そういえば、とルットは話を切り替えます。



「第一王女様のこと、どう思う?きっと彼女もヴィーと同じ転生者だよ」



ルットは私が転生者であることも知っていたようで当然のように聞いてきます。



「心当たりがあると言えばある、けど…」



そう、心当たり()あるのですが私はあまり詳しくない方面なのです。


心当たりは、前世の世界であった乙女ゲーム。私はあまり興味はなかったのですが後輩や幼馴染のお姉さんが熱く語ってくれたことがあります。

ゲーム名はわかりませんが異世界ものだったと記憶しています。主人公の女の子は二人のうちから選択でき、転生して第一王女となった女の子と勇者として転移した地球の女の子のどちらかで攻略できるのだそうです。時間軸で言えば王女の方が先で勇者が後。時がたてばたつほど攻略しずらくなるらしく、手慣らしに王女ルートを先にやる人が多いそうです。



「もしかしてその『おとめげーむ』とやらの登場人物扱いをされているわけ?」



ルットは不快感も隠さずに低い声でそう言います。



「う~ん。たぶんそう。名前も一緒なんだろうね」



おそらく、名は一緒なのでしょう。後輩たちが「ヴィー様が」「シルヴェストル様が」などと言っていた記憶があるような、無いような。

ですが__



「でも、ルットはもう絡まれないと思うよ」


「どうして?」


「たぶん彼女はヴィクトル推しだったんだろうから」



そう『推し』。ほかの対象を抑えてそのゲームで一番人気が高かったのがヴィクトル・ベルナード。後輩もお姉さんもヴィクトルを推していましたから人気が高いのは本当でしょう。

ヴィクトル・ベルナードはほかの対象に比べ遥かに攻略が難しい『上級者』向けの対象だったようです。ですが、攻略ができると甘々展開が待っているらしく、プレイヤーの女性の心をわしづかみにしたのだとか。

第一王女の反応を見る限り、彼女は『ガチ勢』と呼ばれるプレイヤーでしょう。そんな気しかしません。ちなみに、ヴィクトル推しの女性はほぼガチ勢だとかなんとか。怖いです。



「『おし』ってのはわかんないけど彼女はヴィクトル狙いってこと?」


「たぶん。自意識過剰かもしれないけど」



思い過ごしの方が断然いいのですがね。



「いや、あれはマジだよ」



嫌すぎます。この調子だと学園でも絡んできそうなんですよね。



「もう、通うのやめようかな」


「いや、通おうよ。主として相応しくなるんだろ?」



そうは言ったんですけどぶっちゃけこの世界の知識レベルって低いんですよねぇ。小学生でも天才になれるんじゃないかなって思ってます。はい。



「でもヴィー。この国のことはこの世界でしか学べないよ」


「うっ……」


「それに領地経営も学ばなきゃ」


「うぅ……」



ルットの言葉がグサグサ刺さります。悲しい…。



「でも、第一王女様がしつこいのも本当だしなぁ」



そうでしょう。そうでしょう。



「ヴィーが婚約者を決めれば早いんだけど」


「えぇ…?」



婚約者を決めたところで悪化するのでは?いじめられそう。いや、まぁ私が守ればいい話なんですけどね。

普通の騎士となら渡り合える自信があります。

ルット?その目をやめてください。ちょっと、引かないでくれます?何で殺りあう前提なんだ、ですか?いや別にそういう事態になっても大丈夫って意味で……おい。残念な子を見る目で見るな。



「あ」


「どうしたの、ヴィー」


「いや、その…」



一つ思い出しました。乙女ゲームに出てくるライバルキャラがいたはずです。転移少女は第一王女がそれの立場でした。なら、転生王女の場合は?転移少女はまだ来ていない。



「…誰だったっけな」


「第二王女様は違う?」



第二王女…出てきてなかった気がします。でも第一王女の事です。もう既にライバルキャラは取り巻きに加えているのでは?

第二王女ってどんな少女なんでしょう。第一王女みたいな子じゃないといいです。



「第二王女様は人気高いぞー」


「何の話だ」



会ったこともない第二王女を誰と取り合うんですか。確かに気になりますけどね?別に恋愛的な気になるではないんです。

もし、第一王女みたいな子が2人もいたらもう…引きこもります。



「引きこもらないでくれ」


「心を読むな」



なんなんですか。ルットが心を読んでくるんですが。プライバシーも何もないんですがね。やめて欲しいです。



「読んでない。ヴィーがわかりやすいんだ」



私のせいですか。そうですか。……ポーカーフェイス出来るようにしようかな。






私は密かにそう思った__








___________________________

《ステータス》

ヴィクトル・ベルナード


8歳

Lv 1

HP 5,400

MP 2,700


《職業》

???


《称号》

ベルナード公爵家長男 異世界からの転生者 神の愛し子

シルヴェストル・ボワレーの主


《適性》

魔法 9,999

魔術 9,000

剣 9,000

槍 8,500

弓 9,500

体術etc.


《状態異常》

悪夢

___________________________

次回は本日12時投稿です。

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