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02 「呪いをかけられてました」



はい、皆さん。どうもヴィクトル・ベルナードです。

突然ですが皆さん。どうやら私、呪いを受けていたそうです。



* * * *



「ヴィー。今日からヴィーの家庭教師になるイヴォン先生だ」


「はじめまして。イヴォン・リィシャーと申します」


「はじめまして。ヴィクトル・ベルナードです。今日からよろしくお願いします、イヴォン先生」



お父様が連れてきたのは男の先生でした。よかったです。女の先生だったらお父様の美貌と爵位に目が眩んで色々しそうですからね。身内贔屓?いいえ。断じて違います。それにイヴォン先生もとても優しげな雰囲気を醸し出していてかなりモテるのではないかと。大変そうです。



「ヴィーに変なことすんなよ」


「するか」



変なこととはどんなことですか。割と受け入れ難い性癖でもあるのですか。というか、お二人は知り合いでしょうか。いや、この会話のテンポの良さ…まさか友人___



「「友人ではないからな!」」



何も言ってないのですが。顔に出てたのでしょうか。まぁ、二人声をそろえて否定するくらいには仲がいいのですね。いいことです。当主と家庭教師や従者の仲が悪いなんて嫌ですしね。うん。お二人の「こいつなんかと友人なんぞになるか」なんて聞こえません。えぇ。あんまり否定していると友人から親友ヘランクアップしますよ。



「そういえばヴィクトル様」


「ヴィクトルでいいですよ」


「あぁ、ヴィクトル。君、呪いがかかっているようだが」


「「は?」」


「体が衰弱していく呪いだが大丈夫か?」



おや?それはもしかしてですが…



「あの、僕病弱で運動を禁止されているんですが」


「あぁ、それだ」



そんなこんなで、私には呪いがかかっていたことが判明しました。病弱なのは呪いのせいだったようです。ん?ということは呪いが解ければ運動できるのでは?私はインドア派ですが体は適度に動かさないといけませんしね。

なんて暢気なことを考えていた私ですがとてつもない大事件のようです。第三位とはいえ王位継承権を持つ私の命を狙ったという時点で大問題ですが、どうやらこの呪いがかけられてからだいたい三年で死に至る恐ろしいものなのだそうです。たぶん、生まれた時から掛かってる呪いでしょうが黙っておいた方がいいでしょう。

というか、犯人にも心当たりはあります。生まれた時から両親よりも一緒にいて、最近私を化け物でも見たかのように見る__



「わかった。乳母だ」



あぁ、やはりお父様もそう思うのですね。個人的には前世の母に似ていて好きだったのですが。え?悲しくはないですね。強がりではないですよ?なんとな~くそんな気はしていましたから。それに、裏切られたのは初めてじゃありません。


一人思考を巡らしていると、乳母が半ば引き摺られるように連れてこられました。連れてきたのは我が家の優秀な執事です。暗器を持っていますが執事です。何故か他国の機密情報をいくつも知っていますが執事です。誰がなんと言っても普通の執事なのです。



「はなしてください!はなしてっ!」


「ヴィクトルに呪いをかけたな?」


「ええ!かけたわよ!でも死ななかった!生まれた時から呪いをかけていたのに生きてる!おかしいでしょ?!なんなのそのガキ!化け物だわ!毒も効かない!呪いも効かない!暗殺しようとしてもなぜか失敗する!なんでよ!」



あぁ、やっぱりそうだったんですね。変に苦いお菓子とかあったですもんね。でも、そんなヒステリックにならなくてもいいでしょう?



「この化けも__」


「それは申し訳ないことをしました。クッキーもマフィンも変な味がするなーくらいにしか思っていなかったものですから毒だなんて気が付きませんでした。呪いに関しては大抵が三年で死ぬだけであって僕が異質なのかと言ったら違うのではないのでしょうか。暗殺に関してはご愁傷さまです。きっとあなたの実力不足ですね」



にっこりと微笑んであげましょう。特別ですよ?ちょっと、何故青ざめるんです。



「でもそうですね。死ぬなら痛いのは嫌です。ですから__」



__殺すときは心臓を一突きでお願いしますね。



「な、なんなの?!死ぬのがこわくないの?!」


「はい?別に死ぬのはそんなに。けど、苦しかったり痛い思いするのは嫌ですね」



何を言っているのでしょうかこの人は。【死】そのものが怖いというのは生を否定するみたいになるので嫌なのですが。死ぬのは別にそこまで怖くないですが痛いのは嫌でしょう?前世ではいつ殺されるかわからなかったですからね。今更でしょう。

でも、この世界でならと思っていましたがね。どうせどこに行っても同じなのですね。



「ヴィー?」



お父様が不安げに見ています。ああ、お父様()ですね。よくよく見ればみんな似たような反応をしていました。まぁ、乳母にしか聞こえないように話していたので当然と言えば当然でしょうが。乳母はといえばよほどショックなことでもあったのか血の気のない顔で呆然として…んん?恐怖でモノが言えない?そんなわけないでしょう。たぶん……


しばらくすると、乳母は衛兵に引き摺られて去っていきました。


皆忙しそうなので、しばらくは呪いは放置しときましょう。面倒臭いとかそういうのではないですよ?ええ。いつかは解呪してもらいます。()()()()










___________________________

《ステータス》

ヴィクトル・ベルナード


5歳

Lv 1

HP 3,600

MP 1,800


《称号》

ベルナード公爵家長男 異世界からの転生者 神の愛し子


《状態異常》

衰弱[呪い]

___________________________

乙女ゲー要素ですか?まだです。次回は4月30日投稿です。

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