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AIの力でダンジョン攻略 ~コンシェルジュAIの言う通り~  作者: 立風館幻夢
第四章 進む浸食

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第95話 開眼

「……ん?」


ここは……どこだ? 天井が白い……まさか……天国か?


「俺……死んだのか?」


死んだなら……まずは閻魔大王に挨拶しないとな……起き上がらないと……


「死の世界へようこそ……って言えば満足か?」

「……ん?」


その声は……


「社長さん……まさか社長さんも死んだのか?」

「バーカ、生きてるよ、寝ぼけてないで起きろ」


岩のように重かった背中を上げると……状況を理解した。

俺はベッドの上にいて、向かいのベッドに社長さんがいた……頭や腕をミイラのように巻いた包帯姿で、今にも棺の中で眠りにつきそうだったが、社長さんは優雅に本を読んでいた。

そして……


「ミオちゃん……ジャスミンさん……」


2人が、椅子に座り、眠りについていた。


「いつの間にここに……?」

「私が運んでやったんだ、感謝しろ」

「いやあんたも……」

「グローディの力さ、まぁ、2人が診てもらえとうるさくて、医者も融通が利かなくてな、仕方がないのでここにいる、これじゃあ漬物石と変わらんな」


漬物石って……どういう例えだ。

……そういえば。


「それで……あの洞窟はどうなった? 街中に出現したやつは……」

「あの洞窟は完全に倒壊した、もはやただの泥の山だな」

「そうか……」


どうやら……本当に終わったんだな。


「……だが」

「だが?」


社長さんはベッドの上に置いてあったリモコンを操作し、病室内のテレビをつけた。


『都内に出現しました巨大な洞窟は完全に消えました、ですが、洞窟は依然として街中に存在していますので、国民の皆様におきましては……』

『続きましてはまたしても洞窟関連のニュースです、洞窟内に現れました未確認生命体が……』

『昨日未明、海外インフルエンサーが洞窟内を撮影し、そのまま行方不明……』


社長さんは説明をするようにザッピングをし、外で何が起きているのかを説明した。

一通りザッピングをした後、テレビを消し、ため息をついた。


「そんな……洞窟は……消えたんじゃないのか?」

「全部は消えてない、そして……被害に関して言えば、まだ依然としてある」


じゃあ……俺たちがやってきたことって……


「……『俺たちがやってきたことは無駄だった』とか思ってるんじゃないだろうな? 安心しろ」


社長さんはベッドから起き上がり、俺のベッドに近づいてスマホを見せた。


「グローディ、私たちの反応を音声で出力してくれ」

『かしこまりました、只今よりSNS、インターネット掲示板、動画サイトのコメント欄などから出力いたします』


そういうと、グローディは様々な声色で語り始めた。


『すげええええ!! あのトラック超かっけぇ!! 瓦礫の山から飛び出したぞ!!』

『zAIってやばい企業じゃなかった!? つまりzAIとかいうのがこの洞窟をやったの

!?』

『なんかメイドみたいな人が助けを求めてる、みんなで男の人を助けようと奮闘してる』

『突然女の子に携帯電話貸してくれと言われたから貸したけど、アレなんだったんだろう? 凄いボロボロだった、家出の人? 恰好も変だった』

『【速報】zAI、救世主だった』

『zAIの社長面白すぎやろwww気に入ったわ』

『zAIの社長が分かりやすく説明してくれた、俺たち騙されてたんだ』

『俺の爺ちゃん町工場で働いてるんだけど、zAIの人は皆いい人だって言ってたよ』

『お前ら掌返し上手いな、まぁ俺も疑ってたけど』


……これって。


「あの後、私が動画サイトで馬鹿でもわかりやすく説明したらようやっと認めてくれたんだよ、とは言っても苦労したぞ? 陰謀論信じてる奴なんてそう簡単に覆らないし、そういう奴らに説明するのなんて一苦労だったんだからな」

「……そりゃご苦労さん」


……どうやら、俺はSNSのバズりと社長さんに助けられたそうだ。


「……ま、確かにまだ洞窟は消えてはいない! だが好機ととらえなきゃな!!」

「好機?」

「当たり前だ! こういう困っている時こそ稼ぎ時だろう! これからじゃんじゃんグローディを売っていくぞ!! お前も回復したら手伝え」

「おいおい、あんたは本当に金の事ばっかだな……嫌いじゃねぇけどよ」

「ははは! そうか! よし、じゃあ回復したらまずは歓迎パーティしようじゃないか!」

「歓迎? 誰のだよ」

「お前とミシェールに決まってるだろ! 色々忙しくてやってなかったし、お前らには馬車馬のように働いて売ってもらわなくちゃ困る! 働いて働いて働いて働いて……」

「おいおい、そりゃもう死語だぞ」

「あはは! かもな!」


全く……面白い社長さんだよ、ほんと。


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