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フェロモン

かなり遅くなってしまいました……

ごめんなさい(泣)

ロミオからは妖しい何かが発せられている。

 これはきっとフェロモンというものなのであろう。しかし、それが私に効くことはない。フェロモンがあることを感じることは出来るが、それによってクラクラする事はない。神の加護が関係しているのだろうか?

 土方も誰もクラクラしている人はいない。何故?

 ああ。ロミオは女の姿をしていても性別は男。

男にフェロモンは効かないのだ。


「何だ、この臭い?ねっとりとしていて、臭い」

 

まるで臭いを追い出そうとしているように手をしっしっと動かした。


「えぇぇ?どうして私のフェロモンが効かないのぉ!フェロモンで楽に済ませようと思っていたのにぃ。」


ぷぅと頬を膨らませて不服そうに言った。


「お前、男なんだから。男には効かないよ」

 

九尾が呆れたように言った。ふかふかの真っ白い大きな耳に可愛らしい女の子のような顔立ち。そして尻尾は存在を主張するように非常に大きく、それは身長の二倍はあるだろう。


「心は女の子なのにぃぃ!!ねぇん、私をい・や・し・て♡」


んーっ♡♡♡♡♡♡


キスをしようとするロミオに向かって土方は剣で斬ろうとしたが、さらりとロミオは軽くかわした。その動作は人間ではないことがよく分かる。その動作を見て、下っ端の兵は腰を抜かして、ぺたりと座り込んだ。


「これから俺等はこんな怪物と戦うのか……?適うはずねぇ。こんなの無駄死にだぁぁぁあああ!! 俺には嫁も子供もいるんだ!! やってらんねぇよ!!!!」


1人の兵士が叫んだ。そして脱兎のごとく逃げ出した。

 それを聴いて他の兵士もに逃げ出した。 


「はぁ。どいつもこいつも使えねぇ。残っているのは幹部と


慧美、凛だけか。」


ちっと舌打ちし、爪を噛みながら呟く土方。


「使えない奴はおとりにしちゃおうよ!! 良い考えでしょ?」


ニヤリと唇を歪めながら笑う沖田。しかし口にはまだチョコレートがついたままである。もう一度言う。口にはまだチョコレートをつけたままである。


「格好つけられてもなぁ。菓子、口につけたままだし。」


凛がぼそりとつぶやいた。それを聞いた沖田はいそいで口を袖でぬぐった。

 よほど恥ずかしかったのか、強く擦りすぎて唇が赤くなっている。


「ぷぷぷっ。ウーケーるぅ」


沖田を指差して笑う。

 ふさふさと柔らかそうな茶色い艶のある毛を生やしている耳はプルプルとふるえている。 

 これもまた、ふさふさと柔らかそうな茶色い艶のある毛を生やした尻尾をバシバシと地面に打ち付けている。






「凛…!! 畜生!!!」


顔を紅くして剣を抜く。しかし、人と妖。力の差は歴然である。剣は凛の肌に当たっても傷一つ着くことなく、剣はバキッとま真っ二つに折れた。


「あー!! 剣がー!! 高かったのに!!」


折れた剣を悲しげに拾う。


「ねぇ、ちょっと私達の事忘れてなぁい?」


「あ。」


土方はロミオの方を見て小さく声を出した。


「んもう! 忘れちゃ、イ・ヤよ? でもそんないけずな所も素敵ー♡」


体をくねらすロミオを皆が白い目で見た。そんな皆の前で突拍子も無いことをしでかした。


んーっ♡♡♡♡♡


土方の唇に触れるもの、それはロミオの唇。つまりは……そう……接吻といわれるものだ。


「止めてくれぇぇぇえええええええ!!」


土方の声は数千里先まで届いたそうな。

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