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717 【真・結城編】大事なこと


 七百十七話  【真・結城編】大事なこと



 ごく僅かではあるが、結城と付き合える可能性が浮上し歓喜するオレ。


 それで家に帰ってからオレさ、色々と調べたんだよ。

【女の子が好きな相手にのみする仕草一覧】的なやつをね。



 だけどなんていうか、ほとんど役に立たないというか……。



☆恋する女の子はその瞳いっぱいで相手を見ようとするよ! だから瞳孔がいつもより開いてたら好感を持たれている証拠!!



「いやバカか。 『おっ! 瞳孔開いてんじゃんこれはフラグゲットだぜ!!』とかなるわけねーだろ」



☆よくこちらを見てきているのであれば気になっている証拠! もしかしたら相手も告白待ちかも!?



「クソが。 マイナスの意味で『うわー、なんか視線感じたから見てみたけどまたコイツか』とか思ってる場合もあんだろがい」



☆話している時に髪を弄りだしたら照れてる証! 勇気を持ってアタックしよう!



「これ書いてる奴大丈夫か? 髪を弄るレベルで会話に飽きてんだろ」



☆『彼氏いるの?』って聞かれたらもう完全にあなたの虜! すぐに安心させて付き合っちゃおう!



「どこでどんな話をしてたらそんな話題になるんじゃボケがああああああああああ!!!!!!」



 あまりのクソな記事にブチ切れたオレはスマートフォンをベッドにシュート。

 こんな意味不明な内容を信じる奴がいるのだろうかと苛立ちを覚えていると、先ほどのオレのツッコミが聞こえたのだろう。 部屋の扉がゆっくりと開かれ、優香が「なんかおっきな声聞こえたけど、ダイキ大丈夫?」と心配そうな顔で顔を覗かせてきた。



 あーやべ、勉強の邪魔しちゃったか。



 オレはすぐにうるさかったことを謝罪して何でもないことを報告。

 しかし優香は自室へ戻る気配はなく、なぜかオレがシュートしたスマートフォンを拾い上げ、よいしょと腰掛けた。



「ん、お姉ちゃん、勉強はいいの?」


「うん、ちょっと休憩。 ダイキとおしゃべりしたいなーって思って。 だめ?」


「ううん、そんなこと」



 オレの了承が嬉しかったのか、優香は「ありがと」と微笑みながら横に座るようオレに手招き。

 オレが隣に腰掛けると「最近はお姉ちゃん、夜ずっと部屋で勉強してたから前よりダイキとお話出来てないなって思って」と優しく頭を撫でてくる。



「ダイキ、学校は相変わらず楽しい?」


「うん」


「困ってることとかもない?」


「うん」


「そっか。 ならよかった。 大体一年前くらいかな、お姉ちゃん、ダイキが卒業まで学校行けるか心配してたこともあったんだけど……うん、その様子なら大丈夫そうだね」


「お姉ちゃん?」



 そこから優香が話だしたのはオレ……いや、元祖ダイキがいじめられていたことに気づいた時の話。

 横断歩道から飛び降りてオレが目を覚ますまでほとんど眠れなかったこと、元祖ダイキのイジメに関わった者すべてに報いを受けさせてから誰も知らない福田祖父母の実家へ帰ろうかと考えていたこと。 それらをまるで最近起こった出来事かのように鮮明に話していく。



「ごめんね、似たようなこと前にも話したよね」


「あー、そうだね。 去年のクリスマスくらいだっけ」


「そうそう、そのくらい」



 懐かしいぜ。

 あれは……ダーク優香が初めて降臨した翌日くらいだったかな。



「それでお姉ちゃんはダイキが記憶こそ失くしちゃったものの元気になって嬉しかったんだけど、普通に考えて記憶がないのってすっごく怖いよね。 時々だけどダイキがお姉ちゃんに心配させないように無理して笑って振舞ってるようにも見えて……次はそのことがきっかけでいなくなっちゃったらどうしようって」



 優香が言葉を発する度、そこに込められたオレへの愛がオレの心に直接届き層を成して積み重なっていく。 

 そしてそれがいっぱいになった時、オレは別にやましい気持ちなどまったくない状態で優香を抱きしめた。



「ダイキ?」


「ありがとお姉ちゃん。 オレ、お姉ちゃんがいてくれたからここまで周りにも恵まれて……お姉ちゃんのおかげで今幸せだよ」


「そっか、そう言ってくれたらお姉ちゃんも今までの頑張りとかが報われた気がして……なんか嬉しいな」



 優香が声を震わせながら抱きついていたオレを更に上から優しく包み返してくる。

 それがもうほんとに……これ以上にないほどに温かくて。



 あー、そっか。 オレは大事なことを見失ってたぜ。



 オレは今の今までどうすれば一度オレをフった結城を再び振り向かせることが出来るかについて考えていた。 でもそれは結局のところ独りよがり……結城の都合なんて全然考えていなかったんだ。

 優香が絶えずオレに向けてくれているような温かさ……見返りのない愛こそが真実の愛。



 なんてオレは愚かだったのだろう。


 

 そうだな、何かアピールをして気づいてもらって、それに答えてくれるかなとかそんなことはもうどうでもいい。

 オレも優香と同じ……までは難しくとも、精一杯結城を愛そう。 見返りとかは関係のない、真の愛で。



 本来ならハッスルして寝るような時間。 しかし色々と複雑な呪縛から抜け出したオレは優香の気が済むまで雑談に付き合うことに。 

 結果、優香はその日の勉強をやめてオレとの会話に熱中。 部屋に戻るのも名残惜しいとのことで久しぶりに一緒に寝ることとになったのだった。



「そういやダイキ、恋の方はどうなの?」



 同じ毛布の中、隣で横になっている優香が「ねぇねぇ」と顔を近づけオレの腕を突いてくる。



「えええ、お姉ちゃん、弟相手に恋バナする?」


「いいじゃん。 お姉ちゃん、美咲以外とはあんまりそんな話しないんだし。 で、気になってる子、いないの?」


「えー、内緒」


「うわー、てことはいるんだ。 だれ? どんな子? かわいい?」


「うん。 可愛いけどお姉ちゃんほどじゃないよ」


「え、なんでそこでお姉ちゃん出てくるの?」


「いろんな面から見ても、どこもお姉ちゃんには敵わないかなー」


「ね、ねぇダイキ。 お姉ちゃんの話聞いてる?」


「とか言ってお姉ちゃん、ちょっと嬉しそうだね」


「もー、お姉ちゃんのこと、からかってたの? ばかぁー」



 あああああああ!!!! 

 愛が溢れすぎて溺れそうだぜ!!!!!



お読みいただきましてありがとうございます!!!

あと少し!!! あと少しですーーーー!!!!!


ちなみに優香が過去のダイキについて話していたのは第166話『最終的にオレが土下座事案!』!。

あれからもう550話くらい経ってるの驚きですね 笑 

ほんとこんな長く付き合っていただいて皆さんには感謝しかないです!!


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