697 【真・結城編】告白!?
六百九十七話 【真・結城編】告白!?
なんだかんだで楽しかった修学旅行を終えてからの、まさかのサプライズ。
結城母が退院したことを知ったオレと結城は揃って驚きの声をあげた。
「な、ななななんで言ってくれなかったんですか!」
「そうだよママ!! 言ってくれてたらお祝いの準備とか……いっぱいしてたのに!!」
完全に興奮状態のオレと結城。
そんなオレたちの声を聞いた優香がリビングから顔を出し、ニコニコ微笑みながら結城母のもとへ歩み寄ってきた。
「ダイキも桜子も目がテンですよ。 でも上手くいきましたね美桜さん」
「はい。 これも全部優香ちゃんの協力あってのことです。 ありがとうございます」
まったく……いつから結城母のことを『お母様』から『美桜さん』に変わったんだ?
優香と結城母はオレたちの反応に満足して小さくハイタッチ……「やりましたね!」と手を合わせる。
ていうか……
「お、お姉ちゃんも知ってたの!?」
オレの遅れたツッコミに優香が「そうだよー」と楽しそうにピースサインを向けてくる。
「えええ、いつから!?」
「うーん、それでも1週間前くらいだけどね」
詳しく聞きたかったところなのだが、ここでようやく母の退院を実感した結城が緊張の糸が解けたのか大号泣。
結城母も結城につられて涙を流し、それを見た優香も涙、それを見たオレも涙……となんともいえない空間になってしまったのだった。
◆◇◆◇
夕食時。 オレと結城の対面に座った結城母が今回のサプライズに至った経緯を簡単に話し始める。
「でもママも苦しかったのよ? 退院すること言いたくても、桜子には言えなかったんだから」
「なんで?」
「だって……」
どうやら医師から退院の旨を聞いた結城母はまず高槻さんに電話で連絡。 すると高槻さんからお祝いの言葉をもらった後、『そう言えばその日は修学旅行中なのですが、どうします? 桜子にどちらを優先するか聞きましょうか?』と返ってきた……とのことだった。
「それでママ、桜子には修学旅行を楽しんでもらいたかったから内緒にしてたの。 じゃないと桜子、絶対に修学旅行を休むって思ったから。 もちろんどこから話が漏れるか分からなかったからダイキくんにも内緒にしてたのよ?」
なるほどな。 結城母、そこまで徹底していたなんて。
まぁ確かに内緒話はどこから漏れるか分からないからオレに内緒にしていたのは正解なのだが……
「いやでもお姉ちゃんには教えたんですね」
それだけオレの口が軽そうに見えるのか?
オレが若干ムスッとしながらたずねると結城母がクスッと笑い出す。
「なんですか」
「ううん、もしかして拗ねてるのかなって」
「拗ねてないですよ!!」
くそ……結城の母親なだけあって、美人さとか顔立ちに結城の面影を感じるぜ。
しかも年上ってことでそこに色気も重なって化粧で美人度も増しちゃって……うわああああああああ!!!!
それからも何度かチラチラと結城母の顔を見ていると、それに気づいた優香が「どうしたの? 美桜さんの顔に何かついてる?」とオレに質問。 オレは更に追い込まれることになってしまったのだった。
「もー、ダイキくん、顔を見て照れるのなら私じゃなくて桜子にしてちょうだい?」
「いやいやなに言ってんですか! ていうか結城さんもお母さんに何か言ってあげてよ、このままじゃオレ、結城さんのお母さんに惚れた設定になっちゃうじゃん!!」
「ご飯、美味しい……ママやお姉ちゃん、福田……くんと食べるご飯、幸せ」
「Oh」
なんて幸せそうな横顔……抱きしめたい。
◆◇◆◇
お風呂を終えたあたりで仕事を終えた高槻さんが合流。
今は大体夜の10時過ぎで、リビングでは結城母・高槻さん・優香のアダルトな空間となっていた。
「ぷっはぁーー!! やっぱりお仕事終わりのビールは格別です!! それにお母様ともこうして呑めて……優香さんの手料理まで頂けるなんて……!!!」
缶ビール3本目の高槻さんが顔を真っ赤にしながら隣に座っている結城母に肩を寄せる。
「舞さん、飲み過ぎじゃない?」
「いいんです、それだけ幸せなんですから! ほらお母様も飲みましょ! それともアレですか? ドクターストップかかってます?」
「ううん、もうお酒も常識の範囲内でなら良いって言われてるから良いけど……ほら、今ここにはいないけど桜子もいるわけだし……。 もうみっともない母親の姿は見せたくないっていうか」
「なるほど! じゃあ大丈夫ですねー」
「そうかなー。 じゃあさっき少し飲んだから、もうちょっとだけ」
「さっすがお母様! 分かってますねぇ!!」
オレと結城がリビングの扉から覗いていることなど誰も気づかずにリビング内は祝杯ムード。
結城母も久しぶりのお酒で気分が高まってきたのだろう。 ほろ酔い気分になりながら目の前で高槻さんと結城母の様子を楽しそうに眺めている優香に「ねぇ優香ちゃん」と声をかけた。
「なんですか?」
「優香ちゃんは今日は勉強大丈夫なの? アレなら私たちに気にせず部屋行ってくれててもいいんだよー?」
「あぁ、はい。 大丈夫です今日くらいは」
「そうなのー?」
「こうして年上の方とお話する機会があまりないので新鮮なんです」
おお、酒に酔いながらも優香のことを心配してくれている。
隣で酔い潰れてる高槻さんと違って、結城に似た……なんて気遣いのできる人なんだ。
オレは結城に「優しいお母さんだね」と耳打ち。
すると結城も嬉しそうに「うん、ママ優しいよ。 それに隣の舞ママも、お酒を飲んだらあぁなっちゃうけど、私はそれも込みで好きなんだ」と小さく答えた。
「そっか。 じゃあオレたちはもう寝る?」
「うん。 修学旅行、楽しかったけど疲れたからもう眠い」
確かにもうかなり眠たい。 オレと結城は静かに首を引っ込め、音を立てないようゆっくりとオレの部屋へと体の向きを変えてその場を後にしようとしていたのだが……
「それで優香ちゃんはもう男の子とヤったの?」
「「!!!!!!!!」」
突然結城母の口から発せられた衝撃的な言葉に思春期真っ只中のオレたちはすぐに動きを止める。
「ゆ、結城さん。 今のってお母さ……」
「う、うん。 ママどうしたんだろ」
まさに性欲が睡眠欲を凌駕した瞬間。
オレも結城も会話することを忘れ、再びリビングの方へと聞き耳を立てた。
「えええ!? どうしたんですか突然!! 勉強の話かと思ったらそっち系ですか!?」
優香の動揺溢れた声とは裏腹に、かなり愉快な2人の笑い声が優香の声を包み込む。
「そっち系? ってどっち? 舞さん分かる?」
「分かりませーん。 優香さん、そっち系ってどっち系なのか教えてくださーい」
まるで酔っ払いに絡まれた女子高生だな。
しかし相手は同性……優香もこの状況は逃げきれないと判断したのか、先ほどよりも小さな声量で「え、エッチ系……ですか?」と改めて2人に尋ねる。
「あはーーーん!! エッチ系だなんて!! もうお母様! なんてこと優香さんに言わせてるんですか!? 優香さんはまだ高校生なんですよ!?」
「とか言って舞さんも嬉しそうじゃない! さっきから口角めちゃくちゃ上がってるのバレバレだからね!」
「だって仕方ないじゃないですかー! こんなウブな反応見せられたら……ねぇ!」
「確かにそれはそう! それで優香ちゃん、どうなの!?」
「してないですよ!!!!」
優香の投げやりな返事が部屋の中で響き渡る。
「ええー!? こんなに可愛いのにー!?」
「ですよね舞さん! 私もそう思います!」
「じゃあ……チューは!?」
「ちゅ、チューですか!? チューは……」
ーー……え、なんで優香そこで口籠っちゃうの!?
オレは優香がオレの知らないところでどこの馬の骨とも分からない奴とキスしていたことに絶望。
そのショックから膝から崩れ落ち、結城に支えてもらいながら続きの言葉を待っていたのだが……
「きゃああああああ!!! チューしたんですか!? いつ!? 誰とです!?」
「ちょ、ちょっと待って舞さん! そんな矢継ぎ早に質問攻めするのも良くないって! それで優香ちゃん、そのチューは誰と!? 後どのくらいで次のステップ!?」
だ、ダメだ!!
これ以上聞いているとオレの精神がおかしくなってしまう!!!
限界を感じたオレは結城に「先に部屋に戻ってるよ」とヨロヨロと自室に。
しかしその途中、驚きの発言が耳に入ってきたのだった。
「ちょ……ちょっと前です」
「ええええ!? 誰!? どんなシチュエーション!?」
「ああああもうお酒が進みます!! ほら、もっとカモンですカモンです!!!」
「ーー……うと、です」
「え!?」
「なんて!?」
「弟……ダイキですぅ!! ちょっと前に一緒に寝た時……あまりにも寝顔が愛しくて思わずキスしちゃったんですそれだけなんですーーー!!!!!!」
うおおおおおおおおおお!!!!!
マジかああああああああああああああああああ!!!!!!!
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