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687 【真・結城編】楽しい水族館!?


 六百八十七話  【真・結城編】楽しい水族館!?



 結城に連れられ到着した水族館のクラゲコーナー。

 そこにはたくさんのクラゲが種族別……とでもいうのだろうか、各々小さな水槽に入れられていて、結城はそこに顔を近づけながら「綺麗……」と呟いていた。



「確か前にも水族館行ったけど、その時も結城さんクラゲ好きだったよね」


「うん、幻想的で好き。 美咲ちゃんが私の髪型『クラゲに似てる』って言ってくれてから、もっと好きになった」



 クラゲといってもその種類はかなり豊富で、その中でも結城は頭の中心にクローバー模様のついたミズクラゲというのがお気に入りらしい。



「なんでミズクラゲなの? 他のクラゲの方がもっと『クラゲ』って感じしない? ほら、あっちのアマクサクラゲってやつの方が足長いし」



 オレが近くのそのクラゲを指差すと、結城が若干頬を膨らませながらオレを見つめてくる。



「ーー……福田くん、わざと?」


「え?」


「アマクサクラゲって、自分と同じくらいの大きさのミズクラゲを食べるんだよ」


「ーー……そうなの?」



 オレは急いで【アマクサクラゲ】で検索。

 すると先ほど結城が言っていた通り、確かに『ミズクラゲを丸呑みにしてしまう』と書かれていた。



 ーー……え、クラゲって肉食なん?



「あああ、ごめん結城さん。 全然知らなかった……ていうかめちゃくちゃ詳しいね」


「うん。 クラゲ、好きだから」



 それからもしばらく結城は色んな種類のクラゲを見て回ったのだが結局最終的にはミズクラゲの前へ。 「やっぱりこの子が一番好き」とほとんどの時間をそこで費やしていた。


 ていうか今更気づいたけどこのミズクラゲって、ほとんどの個体の頭がクローバー模様なんだけど桜柄に似たやつもいるんだな。

 桜柄のミズクラゲと結城桜子……なんか運命的じゃないか。



「ねぇ結城さん、みんなが『そろそろイルカショー始まる』って野外ステージ向かってるけど、結城さんどうする?」


「福田……くんはイルカ、見たい?」


「いや、オレはどっちでもいいかな。 結城さんに合わせるよ」


「じゃあ……このままがいい。 もっと静かにクラゲ見れるし」


「そっか。 じゃあこの空間独占しちゃおう」


「うん、ありがと」



 一気に人の数が減ったクラゲエリア。

 オレは目の前で楽しそうにクラゲの世界に入っている姿をただただじっと見つめていたのだった。



 一応は吹っ切れたけど……やっぱり可愛いよな。



「ねぇ福田……くん」



 誰もいないクラゲエリア。 結城の声だけがオレの耳に入ってくる。



「あ、はい」


「こうして2人だけの時間、久しぶりだね」


「そ、そうだね」


「その……ちょっとだけ、嬉しいかも」


「え」



 一体結城は何を意図してその言葉をオレに伝えたのだろうか。

 チキンなことにオレはその件に関して深く追求出来ず。 静寂の空間の中、目の前のミズクラゲがユラユラと水槽の中を漂っていた。



 ◆◇◆◇



 水族館を終えたオレたちは再びバスに乗り込み次の目的地へと出発。

 後ろの席では顔を真っ赤にさせた綾小路が西園寺にべったりくっついていた。



「いやー、よかったねぇ水族館!! そう思わない西園寺ぃーー!!!」

「もぉーー!!! 綾小路のせいで全部がめちゃくちゃ……!! ていうか腕絡ませてこないでよ!!!」



 あの2人水族館でもずっと一緒だったのか。

 相変わらず仲のいいことで。 んで、前の席からは……



「ハナエ! ちょっと聞いてんの!? オオサンショウウオをあんな間近で見れるなんてほんと珍しいことなのよ!?」

「もぉー! エマちゃん、水族館は終わったんだからそのトークもういいよぉーー!!!」



 こっちはこっちで水島が未だのエマの弾丸トークの餌食に。

 そういえばオレが水島にエマを擦りつけたんだっけか……なんかすまん。



「ちょっとごしゅ……福田くーーん! そろそろ代わってよぉーー!!」



 エマの相手に疲れた水島が振り返りながらオレに助けを求めてくる。

 しかし……そう、今のオレは出来ないんだよな。 だって今は……



「ふ、福田……ダメ! 前行っちゃ絶対ダメだかんね!!」



 オレの足の上に乗った三好が全力で首を横に振る。

 そしてその隣では多田の上に乗った小畑が「うげー……なんか私、このバスの臭いがダメなのかも……」と口元に手を当てていた。

 まぁそうそうこのラッキースケベなポジションを譲る気はねぇけどな。 だってこの体勢は三好の生足の感触や体温、パンツの感じ……全てが味わえるのだから!!!!



「安心しろ三好。 オレはここから動く気は無い」


「ありがど……うげげー」


「ーー……というわけだからすまん水島。 もうちょっと頑張ってくれ」


「やだよーー!!! ねぇ、結城ちゃんは!? 結城ちゃんならエマちゃんの話聞いてくれるんじゃ……!」


「それも残念だったな水島。 結城さんは今……」



 オレが西園寺たちの後ろに視線を移すと、それを追った水島が「あっ」と声を出した。



 そこには窓に寄りかかりながらミズクラゲのぬいぐるみを抱いて寝ている天使の姿。



「わかったか? 結城さんは今幸せそうに寝てるんだ。 だから起こしてやるな」


「んもぉーー!! 花ちゃんだって寝たいのにいいい!!!!」

「ちょっとハナエ! それでね、今度はチンアナゴについてなんだけど……!」

「うああああああああああああ!!!!!」



 なんていうか……本当に幸せそうな寝顔してるよな結城のやつ。


 フラれたとはいえそんな天使の姿に癒されたオレは心を晴れさせながら視線を窓の外へ。 次の目的地はどこなのだろうか……そんなことを考えながらバスの揺れを楽しんでいたのだった。



「ーー……うげげ。 ごめん福田、そろそろ私限界かも」


「ウオアアアアアアアアアアアア!!!! 三好!!! 耐えるんだああああああああああ!!!!」

  



お読みいただきましてありがとうございます!!!

励みになりますので感想や評価・ブクマ・いいね等、心よりお待ちしておりますーー!!!

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