676 【真・結城編】お泊まり会③
六百七十六話 【真・結城編】お泊まり会③
な、なぁ。 お泊まり会ってこう……ワイワイキャピキャピしたイメージがあるよな?
ぶっちゃけゲームで盛り上がったり、話に花が咲いてた時は最高にそれを感じてたんだけど……それはお風呂が沸くまでの間、どう過ごすかについて話していた時だった。
「あ、あのね、私……DVD持って来たんだけど……」
結城が皆の顔色を伺いながらリュックから透明なケースに入れられた真っ白なDVDディスクを取り出す。 あれは……録画されたものなのか?
「えー! いいじゃんDVD! ちなみにどんなの持って来たの!?」
三好が興味津々で結城の持つDVDを覗き込む。
「分かんない……入院してるママが、『こういうのあったら福田……くんと仲直……ううん、きっと盛り上がるよ』って教えてくれて。 それで家に帰ってママに聞いてみたら『昔友達からもらったビデオテープをDVDに焼き直したものがあるから、それでよかったら持って行っていいよ』って」
「ビデオテープ?」
「うん……私もよく知らないんだけど、DVDが流行る前まではビデオテープっていうのが一般的だったんだって」
「へー、そんなのあったんだ。 今度私もママに聞いてみよー」
お、おいおいみんなビデオテープ知らないのか!?
確かにDVDが復旧し出したのって結構前だけど、まさか三好や結城ってDVD時代に生まれたのか。
一瞬エマに視線を向けるとエマもオレと同じく驚きの表情で三好たちを見ている。
「エ、エマは知ってんだよな」
「ま、まぁね。 確かに楓時代でももDVDが主流だったけど、家にまだビデオ残ってたもの。 でもそっか……今の子ってそうなのね」
これがジェネレーションギャップ。
オレとエマが絶句している間にも三好は「一体中身はどんなだろう」と大盛り上がり。
「桜子的にはなんだと思う!?」
「うーーん、多分あれじゃないかな、恋愛系の映画とか?」
「あーそれっぽい!!」
うん、なんかオレもそんな気がしてきたぜ。 だってほぼこれは女子会……恋愛青春系とかだったら絶対に盛り上がるに違いないもんな。
結果、再生してからのお楽しみにしようということになりエマがDVDをプレイヤーにセット。
再生ボタンを押し、皆好奇心に満ちた視線をテレビ画面へと向けたわけなのだが……
【途中で視聴を中断したら呪われる心霊動画】
「「「え」」」
「なんなー?」
突然黒い背景に赤文字のタイトルが浮かび上がり、その下には小さく注意書きで『絶対に危険なので中断はお控えください』と書かれている。
そしてすぐに不気味な薄暗い山中が映し出され、ボロボロの白い服を着た女が不規則なペースでこちらに向かって歩いてくるシーンから始まった。
「ちょ、ちょっと桜子、なんなのよこれ」
目を大きくパチパチさせたエマが隣にいた結城の腕を引っ張る。
「わ、私も分かんない。 とりあえず消そうよ」
「わわわーーー!! ダメだって桜子!! 途中で見るのやめたら呪われるって書いてたじゃん!!!」
「え、でも……」
「ぎゃアアアアアアア!!!! 女の人が急にめっちゃ早く近づいて来てる……てか目がめっちゃ怖いんですけどおおおおおお!!!!」
「きゃあああああああ!!!! なんてもん桜子に貸したのよあの教師ーーー!!!!」
「いやあああああああああ!!!!」
女の人がカメラに急接近するとすぐに画面は暗転。
時間にして数分。 最後は再び赤文字でメッセージが映し出され、再生は終了した。
『これを見た日の夜だけは本当にご注意ください。 決して何事も1人で行動しないようお願い申し上げます』
「「「「ーー……」」」」
「なんなー? エマおねーたん、ダイキ、ユッキーちゃん、カナちゃ、あれなんなー?」
◆◇◆◇
「べ、別にあれよね! あんなのただの子供騙し……ウ、ウウウウソに決まってるわよ!!!」
しばらくの間沈黙が流れ、それを切り裂くかのようにエマが腕を組みながらフンッと鼻を鳴らす。
「だ、だよね! 私だってそう思う……でも桜子、お風呂は一緒に入ろうね!」
「う、うん。 なんかごめんね、私あんな映像が流れるなんて知らなくて」
「いいのいいの!! 確かに盛り上がったっちゃ盛り上がったし!」
うわうわ、3人ともかなり怖がってんねー。
確かに内容は子供騙し……単調なんだけどかなり恐怖感を煽ってきてたんだが、ぶっちゃけオレは本物……褐色少女陽菜の姉・愛莉やクヒヒさんとか知ってたからそこまでだったんだよな。
結局3人はまったく怖がっていなかったエルシィちゃんを含めた4人でお風呂に入ることに。
しかしまずは安全確認とのことで、オレに先に入るようお願いしてきた。
「えええ、オレが最初!?」
「当たり前じゃない! それにアンタが最後だと洗濯物物色されたり湯船のお湯とか飲まれそうだし!」
「ぐっ、なんでそれを……!」
「え……冗談で言っただけなのにウソでしょ?」
「エ」
「と、ともかく、ダイキ! 先に入って来なさーーーーい!!!」
「りょ、了解しやしたああああああ!!!」
オレは少し惜しい気もするがお風呂場へ。
まぁぶっちゃけそっちの方が後々やるサプライズ的にもタイミングがいいか。
オレはすぐにお風呂をすませると「何も出なかったぞー」と皆に報告。 それで安心したのかお風呂場にぞろぞろと向かおうとしていたエマたちだったのだが、もちろんオレはそこで「ちょっと待った」をかけた。
「な、なによダイキ」
「ふっふっふ、何か忘れてないかエマ」
「忘れ……? 何を?」
「おいおい忘れられては困るぜ!! さぁ皆の者!! これを受け取るのだ!!!!」
「「「「?」」」」
オレは個別に包んでもらった可愛い柄の小包を1つ1つ丁寧に手渡していく。
そしてそれを受け取ったエマはそこで気づいたのか、「あっ」と声を漏らした。
「ん、何これ福田。 エマは知ってんの?」
「え、あーーー、なんでしょうね。 エマ分かんないワー」
「私も分かんない」
「エッチーもー。 これなんなー?」
皆が不思議そうに手渡された小包へ視線を落とす。
さて、準備は整った。
オレは大きく深呼吸。 早速企画説明へと入った。
「その中にはオレが頼もしい某助っ人と選んだパンツが入ってます!! こんな楽しいお泊まり会……どうせなら新しいパンツで夜を迎えましょう!!! 絶対に似合ってるはずだからそこは安心してください!!!」
「は……はああああああああああ!?!?!? パンツ!?!?」
「福田……くんが、選んでくれたの? 私たちのために?」
「まったくー、仕方ないワネー」
「やたーーー!!! エッチー、ぱんちゅ、うれちーーー!!!」
4人ともそれぞれ違った反応。
しかしそこはやはりエマだな。 「ま、まぁせっかくくれたんだし、履いてもバチは当たらないでしょ。 それにお風呂上がりに『せーの』で開けたら盛り上がりそうじゃない?」と三好や結城を説得。 家から持ってきたパンツを履かないよう、皆持参したパンツを元に戻してお風呂場へと向かったのだった。
「ねぇエマ、これでめっちゃダサいパンツだったらどうする?」
「そん時はダイキをしばきましょ。 ていうかカナ、口角上がってるわよ」
「は、はあああ!? そんなわけない……う、うるさいなああああ!!!」
「桜子はどう? やっぱり複雑?」
「ううん、嬉しい……」
頼む……、うまくいってくれええええええええええええ!!!!!
早くみんなの反応が見たい!!!
オレはソワソワしながらその時を待った。
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