666 【真・結城編】いい仲間をもった【挿絵有】
六百六十六話 【真・結城編】いい仲間をもった
三好の優しさ溢れた提案により、オレは休み時間を孤独に過ごすというルートを回避。
教室ではエマが結城との間に入ってくれてるし、今日はなんとか乗り越えられそうだぜ。
未だ結城もオレと話すのは辛いのかお昼になっても一切話しかけてくれず。
エマからは『まぁこういうものは時間が解決してくれるから、それまでの辛抱よ』とのことだが……そうだな、オレはそんなエマの言葉を信じるぜ。
そんなこんなで早くも昼休み。 オレは三好とともに校庭のベンチへと来ていた。
「うはー、それにしてもあっついねー」
隣に座った三好が太陽スマイルをオレに向けながら手で仰いだ風を自身の顔に送る。
「確かに暑い……てかすまんな三好、暑い思いさせちまって。 お前も室内がいいだろうに」
「なーに言ってんの福田。 あんなこと聞いたら流石にほっとけないっしょー?」
「三好……まさかお前がそこまでいい子だったとは」
オレがグスンと泣き真似をすると三好が「はぁー? それどういう意味ー?」と二の腕を軽く殴ってくる。
その後「なんかムカついたから教室戻ろっかなー」と唇を尖らせながらベンチから立ち上がった。
「あーうそうそ! 三好が思いやりのある子だってのは知ってるし、おかげでかなり助かってますーー! だからそんなひどいこと言わないでくれよー!」
オレはワザとらしく立ち上がった三好に手を合わせながら謝罪。 「今のオレには三好が必要なんだよー」と頭を下げる。
「ーー……」
ん、なんだ? 三好の反応がない。
不思議に思い顔を上げると三好はジッとオレを見つめたままフリーズしているではないか。
「み、三好?」
「え、あ、なに?」
すぐに我に返った三好に「ど、どうした?」と尋ねると、三好はなにもなかったかのように「あ、あはは、なんでもないよ」と返答。 続けて「さっきのは冗談に決まってんじゃん。 もしかして本気で私が教室戻ると思った?」と笑いながら再びオレの隣に座った。
「よ、よかった」
「でもこれは貸しだかんね。 今度ジュースでも奢ってもらおっかなー」
「ジュースくらいじゃ物足りん。 もうこれでもかってくらい、おもてなしさせてくれ」
「これでもかってどのくらい?」
「そうだなー。 例えば三好の食べたいお菓子やジュース買って冷房の効いた部屋で食べる……とか?」
「えっ!! いいねそれ!!! それがいい!!!」
先ほどまで暑がっていた三好が目を輝かせながらオレに詰め寄ってくる。
そしてオレの発言を待たないまま「で、いつにする!? てかどこでする!?」と尋ねてきた。
「あー、そうだな。 別にいつでもいいぞ。 あれなら今日でも」
「本当!? でも冷房効いてるとこってどこある!?」
「まぁウチでもいいけどな」
「いいの!?」
「構わん。 てかウチの方がオレが後片付けしやすいしな。 お姉ちゃんも三好が来たら喜ぶだろうし」
「えー! じゃあ行くー!! ただ私のお兄、最近受験対策の勉強とかしてるけど、優香さんは大丈夫なの? 私行って邪魔になったりしない?」
おいおいどこまで気を使えるようになったんだこの初代メスガキは。
オレはそんな三好の言葉に深く感動。
「じゃあ一応お姉ちゃんに聞いてから正式に決めようか」と優香にメールを送り、その数分後、無事優香から『いいね。 お姉ちゃんも佳奈ちゃんと久しぶりにお話したいなー』と返信が。 結果、本日の放課後、三好のおもてなしパーティー開催が決定した。
「やった!! じゃあ福田、帰りのホームルーム終わったら教室まで迎えに行くね!」
「おう!」
「へへへー、じゃあ午後の授業は真面目に受けてお腹空かせとこー」
三好がニコニコ微笑みながら左右に揺れ、それと同じように三好のトレードマークをもいえるポニーテールがふわふわと揺れる。
ポニーテール……やっぱり最高だぜ。
オレがそんな三好とポニーテールを交互に眺めていると、視線に気づいた三好が「ん、どしたの福田。 私の顔なんか付いてる?」とペタペタ自身の顔を触りだす。
「え、あ、いや、なんでもねーよ。 おかげでちょっと元気出たわ。 サンキュ」
「なにカッコつけた言葉言ってんのさ福田ー。 てか逆にこれで元気出してくれなかったら私がショックだし」
「はは、そうだな」
「んじゃー、どうする? 放課後やること決まったし、あのトイレで食べたいもの話し合わない?」
「いいねー。 じゃあ場所移動するか、涼しそうだし」
「やった! なら早速いこー!」
こうしてオレは三好のおかげで楽しい昼休みを満喫。
少し……というよりはかなり元気をもらったため、昼休み終わりに勇気を振り絞り結城に話しかけてみようと試みたのだが……
「あ、あの、結……」
声をかけようとしたところでエマがオレの腕を掴みそれを止める。
その後オレを引っ張り結城から離すと、耳元で小さく囁いた。
「ダイキ、エマから見ても今の桜子はちょっとメンタルが不安定だから……しばらくは控えておいたほうがいいわ」
「や、やっぱそうか」
「うん。 まだ桜子からダイキに告白されたってことも教えられてないから、もしかしたら桜子自身、まだ整理できてないのかも。 だからもうちょっと待っててあげて」
「わ、分かった。 ありがとうエマ」
「素直でよろしい。 とりあえずダイキもあまり病みすぎないようにね。 桜子のことは一旦エマに任せて……完全に忘れることは難しいとは思うけど、ダイキもリフレッシュしなさいよ」
「おう」
これは……エマにも後々何かお礼しないとな。
そうして時間は過ぎて放課後。
ホームルームが終わったのを確認して三好が教室後方の扉から小さく手を振ってくる。
「あらダイキ、カナと何か約束でもしてるの?」
「あぁ。 休み時間とかは三好に相手してもらってんだ」
「そう。 いい仲間をもったわね」
「お前も含めてな」
「ふふ。 じゃ、楽しんでらっしゃい」
「うん、サンキュ」
「福田ー、早くーー!!!」
「おう!!」
本当にオレは最高の仲間をもったよ。
オレは席を立つと隣の席のエマと小さくハイタッチ。 「んじゃ、頼む」と言い残し三好のもとへと向かった。
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