624 【ギャルJK星編】VSストーカー男!!
六百二十四話 【ギャルJK星編】VSストーカー男!!
監視カメラのモニターに写っていたのはギャルJK星に付きまとっていたあのストーカー男。
夜逃げ屋さんたちの話ではまんまと騙されて地方の遊園地に向かったんじゃないのか!?
優香は慌てて夜逃げ屋さんにたち電話。 向こうもこの予想だにしない展開に困惑しているようで、すぐに駆けつけるからそこでジッとしててとのことだったのだが……
「ゆうかちゃんにダイキくんー、そして美咲ー。 いるのは分かってるんだー、出て来てくれないかなー?」
インターホンを鳴らして大声でオレたちに話しかけてくる。
「ああ……ああああ……!」
「美咲、気をしっかり持って。 大丈夫、私がいるから」
恐怖のあまり耳を押さえしゃがみ込むギャルJK星を優香が咄嗟に介抱。
若干ダークオーラを滲み出しつつもすぐにスマートフォンを弄りだし耳に。 「早く。 じゃないとこのままじゃ危ないかも」とどこかに電話を掛けだした。
「ダイキも大丈夫だから、取り乱さないでね」
「う、うん」
最初はオレも優香の言った通り冷静にここで籠城し、助けが来るのを待っておけばあのストーカー男は自滅すると思っていたさ。
でもな、そういうわけにもいかない事態がこの後起きてしまったんだ。
オレたちが相手をする気がないと分かったのだろう、ストーカー男はモニターには映っていないところから何かを引っ張り出し、そして……
「無視を続けるならこっちにも考えがある……マユカちゃんがどうなってもいいのかなー!?」
「「「!?!?!?」」」
マユカ……だと?
新たに映り込んできたのはガムテープで口を塞がれた多田の姿。
大粒の涙をこぼしながらカメラ越しに見ているのであろうオレたちを見つめてくる。 そしてなんとタイミングが悪いのだろう、オレたちの家に何か用があったのか、エマが偶然立ち寄りにきたみたいで……
「ちょ、ちょっとなにやってんのよアンタ!! マユカになにしてんのよ!!」
「あれー? キミは確か……上の階の同級生だったよねー。 それに妹もいたような……わざわざ遠くから人質連れてくるよりもキミたちの家に侵入して人質にした方が効率よかったかなー」
「何言って……マユカを離しなさいよ!!」
「ちょうどいいやー、キミも一緒に人質になってよー」
ストーカー男の体がゆっくりとエマがいるであろう方向へと向けられ歩き出す。
こうしてはおれん!!!
「ダ、ダイキ!?」
「お姉ちゃん!! オレが出たら多田を家の中に……そしたらすぐに鍵しめていいから!」
「ダイキは!?」
「オレはなんとかして逃げる!! じゃないとお姉ちゃんや星さんも危険でしょ!!! お姉ちゃんは星さんのことを一番に考えてあげて!!」
オレは勢いよく駆け出し少し寄り道をしてあるものをポケットに詰め込み玄関へ。 勢いよく扉を開け近くにいた多田を無理やり家の中へと押し入れる。
「ン、ンンーー!!!」
「いいから家の中でじっとしてろ!!」
すぐに扉を閉め左右を見渡すと、ちょうどエマのところへ歩み寄っていたストーカー男がこちらに振り向いていたところだった。
「ダ、ダイキ……なんでアンタ出てきて……!」
エマ、今隙を作ってやるからな。
ストーカー男の注意はエマよりもギャルJK星に一番近い場所にいたオレへ。
「おー。 やっと出てきてくれたねダイキくんー」
ストーカー男が気持ち悪い笑みを浮かべながらオレの方へと向き直る。
そして手間が省けて嬉しかったんだろうな、脅しのためなのかポケットから小型ナイフをチラつかせ「こっちにおいでー」と手招きをしてきた。
さて、時間稼ぎ&無力化の時間だ。
優香やギャルJK星、多田、エマを怖がらせた罪……今ここで裁いてやるぜ。
オレはポケットに手を入れ、中に入ってるものを少し取り出しながらあえて余裕の表情を作りながら微笑む。
「どうしたのダイキくんー。 ていうかそれ何ー?」
「おっとそれ以上近づかないほうがいいぞ。 近づいたらお前は後悔することとなる」
「へー、強気だねぇ。 でもそんなことで大人の僕が言うことを聞くとでも思ってるのかい?」
思ってるんだなー、これが。
あいつは自分の欲求のまま素直に行動してしまうサイコパス野郎。
ということは……これにも反応するってことだ。
「それ以上オレに近づくのなら、これを外に捨てる」
オレがポケットから取り出したのはグルグルに丸められた女物のパンツ。
それをオレは下へ落とすよう手を手すりの外へと突き出す。
「ちょっ……キミ、それは……!!」
「ふふふ、パンツだよ。 あんたの大好きな女物のね」
「そ、それは素晴らしい!! てことはおそらく美咲の……!! 早くそれを僕に……!!!」
目を充血させたストーカー男が少しずつオレとの距離を縮めてくる。
しかしオレは一切怯えることなく首を左右に振った。
「いーや、無理だな。 今からこれは下に落とす。 欲しければこのパンツに土がつかないよう、今すぐ下に降りることだ」
「そんなこと言わずにそれをくれよ」
くそ、これでなんの躊躇もなく降りてくれたら一番よかったのによう。
仕方ない、少し危険にはなるがプランBだ。
オレは間髪を入れずに「無理です落としまぁす!! 3・2・1……」とカウントダウンを開始。
小指にパンツを引っ掛けていたオレはゆっくりとその他の指を離していく。
するとまぁそうなると想像していたよ、ストーカー男は力づくで手に入れようとオレのもとへ突進。 オレの肩を勢いよく掴むと、その先にあるパンツへと手を伸ばした。
「ひゃはは!! 美咲のパンt……もらったあああああ!」
「そうか、そんなに欲しいか仕方ないなぁ。 じゃあお望み通りにあげるからその顔で味わえ!!!」
オレはパンツを迫り来るストーカー男の顔面にパンツを押し付ける。
もちろんその瞬間は幸福の時間だったようで男の口角がより一層上がったのだが……
「ん、なんだこれ……なんかネバネバしてて……それにこの臭い……」
「おー、さすがは変態で同性。 気づくの早かったな。 どうだ、男の成分満載の女物のパンツは」
「そ、それってどういう……!!」
「それ女の子履いてねーんだわ。 それはオレは履いてて偶然にもハックションしちゃった黒歴史のパンツで、だからお前の顔にグッチョリついてるものはもちろん……」
「グギュア……ゴガアアアアアアアアアアア!!!!!」
ストーカー男はパンツを地面に叩きつけると勢いよく袖で自身の顔面を擦り始める。
今だ!!!!
隙をついたオレは男がポケットに忍ばせてあった小型ナイフを素早く引き抜き誰もいない後方へと思い切り投げる。
「このやろ!! クソガキ!! クソガキ!! クソガキイイイ!!!! 殺す、殺す、殺おおおおおす!!!!」
ストーカー男はそう簡単には取れない異臭と格闘しながらもオレに殺気めいた言葉を繰り返す。
しかし……こいつには聞こえてないのかな。 階段を勢いよく駆け上がってきている大勢の足音が。
「ふふ、永遠にそうしてな。 てかもうすぐ援軍が来るし、もう会うこともないだろうよ」
ミッション完了!!!
今の言葉最高にかっこよかったんじゃないかオレええ!!!
オレは颯爽に決め台詞を残して体の向きを家の玄関へ。
すると援護をしようと思っていたのか優香が隙間からオレを覗いており、オレが戻ってくると判断するやいなや「ダイキ、早く!」とオレに手を差し出してきた。
のだが……
「だーかーら、殺すって言っただろー!?」
「ーー……!!!」
突然後ろから襟を掴まれたので振り返ると、そこにはもちろん顔から未だ異臭を放つストーカー男。
こいつ……あの絶望から立ち直るの早すぎるだろ!!!
ストーカー男はニヤリとオレの耳元で「殺す殺す殺す」と囁くと、ヒョイっとオレの体を持ち上げる。
こいつ、マジでオレを……!!!
「はーい!! 僕と美咲の愛を邪魔したダイキくん、今世からバイバーイ!!!!!!」
「!!!!」
気づいた時には時すでに遅し。
オレの体は手すりの外へと投げられ宙を舞っており、瞳に映ったのは慌てて玄関から飛び出してくる優香やギャルJK星、多田、そしてしてやったり顔のストーカー男。
下に視線を向けると木や茂みのないアスファルトとなっており、まったく助かる術が思いつかない。
これは……マジでオレの人生、ここで終了のお知らせなのか?
そんなことを考えながらオレの意識はそこで途絶えた。
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