619 【ギャルJK星編】宣戦布告!?【挿絵有】
六百十九話 【ギャルJK星編】宣戦布告!?
『あー、そろそろ眠くなってきたかも。 ほんとありがとなダイキ、こんな時間まで』
スマートフォンのスピーカー越し。 ギャルJK星が大きくあくびをしながら『あー寝みぃ』と呟く。
「ほんと星さん。 ほんとにもう眠い? 別に気を使わなくても大丈夫だけど」
『なーに言ってんの。 マジだよマジ。 さっきからアタシめっちゃあくびしてただろー?』
「うん……じゃあ眠いうちに寝るのが一番だしね。 おやすみ星さん、またいつでも連絡してきて」
『サンキュダイキ。 んじゃおやすみ』
ギャルJK星との通話を終えたオレは小さく息を吐きながら画面に表示されている時刻を見る。
ーー……現在AM4:30。
すぐに寝れても7時には起きるから睡眠可能な時間は2時間半……まぁオレに今出来ることといえばこれくらいだからな。
そう、少しでもギャルJK星の気を紛らわせてあげること。
そこからオレは一瞬で寝落ち。 充分な睡眠を取れないまま数時間後すぐに優香に起こされた。
もちろんその短い時間で見た夢は、あのいつも先頭に立ちオレたちを引っ張っていってくれていた頃の……
「ここ最近ダイキ、かなり眠そうだけど大丈夫? 遅くまで起きてるの?」
寝ぼけ眼で朝食の目玉焼きにかぶりついていると、優香が「食べながら寝ないでねー」とオレの肩をポンポン叩いてくる。
「んー、まぁちょっとネットサーフィンしてたら目が冴えちゃって」
「そっか。 今日は早く寝るんだよ?」
「そういや星さんのストーカーの話は進展あったの?」
「ううん、でも一応前にも言ったけど、お姉ちゃんの知り合いの探偵さんたちが空き時間を利用して美咲の家の周りに目を光らせてくれてるから美咲は安全なはずだよ」
「なら良かった」
おそらくその探偵は確実に優香国の民。 優香国は精鋭が多いからな……かなりの腕利きなんだろう。
「ほーらダイキ、食べ終わったんなら早く用意してこないと。 遅刻しちゃうよー」
「はーい」
ちなみにギャルJK星と夜な夜な交わしている通話は優香には言っていない。
もしこれを言うとオレの負担を考えた優香が代わりに名乗り出ることは目に見えてるからな。 だからこそギャルJK星にもそのことは優香に内緒にしてもらっていて……問題はかれこれあれから数日は経過してるってことくらいか。
てか早く犯人見つかれって。 どんだけ隠れるのは上手い……それか影薄いんだよ。
「ホワアアアアア」
最近の中では最大級のあくび。
ーー……うん、近々オレにも限界が来るかもしれないな。
その後オレは脳内をフワフワさせながら家を出て登校。 いつもなら登校中や校内の階段を上っている時など『女子のパンツ見えろ!!!』などと毎回念じているのだが今回は流石にそんな余裕もなく、まさに無我の境地状態で教室へ。
しかし途中で尿意を覚えたためトイレへと行き先を変更したオレは、ボーッとした状態のままトイレに入ったのだが……
「ちょ、ちょちょちょ福田!! なんでここいんの!?」
「んえ?」
急に名前を呼ばれたので顔を上げるとそこには多田の姿。
顔を目をまん丸に見開きながらオレを指差している。
「んー、多田か。 おはよ、どうしたそんなに驚いて。 お前もトイレかー?」
「そ、そうだけど……ここ女子トイレだよ!?」
ーー……。
「え?」
「だから女子トイレ!! そりゃあ福田は去年までウチらとよく入ってたからあんま抵抗ないかもしんないけど……でもここ、図工前のトイレじゃないから人、普通に入ってくるからね!?」
「女子……トイレ?」
あー、そう言われてみればなんかいつもとトイレ内の香りが香ばしい気が。
普段の男子トイレとは違う香りを吸っていくうちに少しずつ脳が覚醒……いや、回転を始める。
ああ……ああああああ!!! 何をしていたんだオレはああああああああ!!!!!
「福田!! 早くでてかないとマジで誰か来るよ!?」
「ちょああああああああああ!!! 失礼しましたああああああああ!!!!」
日頃の行いが良かったのか幸いにもその時間に女子トイレにいたのは多田1人だけで、オレはちゃんと男子トイレを確認してから再度トイレ内へ。 トイレを終え外に出ると、多田が心配そうな顔でこちらを見ていることに気づいた。
「ん、まだなんかあるのか?」
「うん。 ていうかどうしたの福田、なんかボーッとしてない?」
「あーまぁな。 色々あってな」
「色々?」
多田が不思議そうに首を傾げる。
「あぁ。 ちょっと厄介な奴がいてさ」
ぶっちゃけあのストーカー野郎がいなければギャルJK星も元気なままで、オレもこんな寝不足の毎日を過ごす必要ないんだよな。
そう考えたら改めてイライラしてきたぜ。
オレはギリリと歯を強く噛み合わせながらスマートフォンを取り出すと1枚の画像を表示。
それは優香からもらったギャルJK星とツーショット撮影をしていたストーカー野郎……以前でいうと盗撮魔だった男の写真で、オレはその男に向かって『早くヘマしてまた捕まれ!』と念を送る。
そんなことをしているとどうだろう、多田が画面を覗き込みながら「あれ、福田……そこに写ってるのって星さん?」と食い気味に尋ねてくる。
「そうだけど……あ、そっか多田も知ってたんだな」
「うん、夏休み前にロリコンに追いかけられてる時に。 ていうかその横の人……星さんの知り合いなの?」
多田が若干震わせた指先でクソ野郎を差す。
「んー、いや。 なんつーか、こいつがオレは嫌いというか。 なんでだ?」
顔をあげ多田に尋ねると……どうしたんだ? 多田の顔が若干強張っているような。
「ーー……多田、どうした?」
「え、あ、ごめん。 なんでもない」
「いやいやなんでもないわけないだろ。 どうした、言いたいことあるんなら言った方がいいぞ」
そう声をかけると多田は周囲を見渡し人が近くにいないことを確認するとゆっくりと口をオレの耳元へ。
誰にも聞かれたくない内容なのか、更に手を添えながら小さく口を開いたのだった。
「あのね、これ星さんの彼氏だったら申し訳ないし、多分違うと思うから内緒にして欲しいんだけど……あの時ウチを襲ったロリコンに似てるの。 スラッとした体格とか身長とか……あと鼻や口の感じとか、あ、それと分厚い唇も」
「ーー……」
ーー……え、それマジ?
念の為「どのくらい似てるのか」と尋ねると、多田曰く「あの時は結構暗かったし、自信ないから60パーセントくらい」とのこと。
これはもうちょい詳しく聞いてみる価値はありそうだけど……
「なぁ多田、その話、放課後もうちょっと聞かせてもらっていいか?」
「え、でも今日ウチ塾あるし……」
「そ、そうか。 なら仕方ないな。 すまん」
「でもなんで?」
「実は星さんがな、さっきの男に付きまとわれたりしてて困ってんだよ。 でもあの写真って1年くらい前のやつだしさ、もし多田が見た奴がそいつなんだったとしたら……特徴とかもっと掴めるって思ったんだけど」
「じゃあ行く」
え。
多田ががっしりとオレの腕を掴みまっすぐ見上げてくる。
「た、多田?」
「ウチ、福田の家行くよ!」
「いやでもお前塾なんだろ? だったら今日は……」
「大丈夫! 事情ママに話して今日は塾休む!」
「えええええ!?!?」
夏休み前に助けてもらった恩を感じているのか多田は「早速ママに電話してくるからあとでメール送んね」とどこかへ。
これでギャルJK星を狙う犯人に一歩近づけたかもしれない……そう感じたオレは小さくガッツポーズをした後に教室へと向かう。
そして教室の扉を開けた……その時だった。
「あ、福田ちょうどよかったー」
ドSの女王・小畑がオレの肩を後ろから叩いてくる。
「ん、どうしたの小畑さん。 おはよ」
「なんか知らんおっさんが6年の福田に渡してだってさー」
そうして渡されたのは一枚の封筒。
「え、なにこれ」
「知らないよ頼まれただけだし。 親戚とかじゃないのー? じゃ、私ちゃんと渡したかんねー」
なんか嫌な予感がする。
オレは教室に入るとすぐに封筒をあけ中身の便箋を取り出し目を通すことに。
すると……やはりか。 そこには走り書きしたのか結構汚い筆跡でこう書かれていたのだった。
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福田だいきくん。
夜な夜なミサキと電話してるのはキミだね?
キミの家はすでに把握している。 これ以上ボクのミサキをたぶらかすのなら、ボクはキミやキミのお姉さん・ゆうかさんにも危害を加えなければならない。
愛のために。
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「なん……だと」
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