607 【優香編】圧倒的ピンチ!【挿絵有】
六百七話 【優香編】圧倒的ピンチ!
電波がないということで優香は民を呼ぶことも叶わず。
そして先ほどの優香の言動・行動がヤンキーたちの逆鱗に触れたのかヤンキーたちが優香の前へと集まりだし、スキンヘッドが「さっき福田お前なんて言った? 俺らを消すって? それって喧嘩売ってるやんな」と優香のスマートフォンを奪い取ろうと手を伸ばした。
「触んないでキモい」
優香がまるでコバエを払いのけるようにスキンヘッドの手を叩く。
「は? お前そんなこと言える立場かよ」
「セクハラか痴漢で訴えるけど」
「やってみろよ」
「じゃあお巡りさんくるの待とっか。 見回りで来てくれてるんでしょ?」
「な、なんでお前そんなことまで……!」
さすがはダーク優香。 電波がなかっただけでは一切動揺しているそぶりを見せていない。
この状況をまずいとでも感じたヤンキーたちは互いに目配せ。 人目のつかない場所へと移動しようと考えたのか「ちょっとこっち来いや」と優香たちの浴衣の袖を掴み、神社の奥へと連れて行こうと引っ張りだした。
ーー……どうする。 オレはどうすればいい。
ここからダッシュで離脱して見回りのお巡りさんを探して報告するという手もあるが、もし見つけるのに時間がかかってしまった場合優香たちがどこへ連れて行かれたのか分からなくなる。
かと言ってその役を陽菜にお願いしたとしても、ガキのオレではあいつらの進行の邪魔をできるほど力もないんだよな。
となればここはやはり一か八か。
オレも久しぶりにこの技を使うことになるとは。
そう、パンツ・ロック。
相手のスカートでもスボンでもずり下げて歩行を困難にさせるという、力要らずの究極の技だ。 オレがパンツ・ロックを数人に決めている間に逃げてもらうしかない。
5年生以来やってこなかった技だが……果たして今も出来るのだろうか。
いや、やるしかない。
オレは当時の感覚を思い出しながら神経を指先に集中。
とりあえず対象をスキンヘッドとワックス頭に絞り込み、いざ2人のもとへと飛び込んだ。
食らうがいい!!! ひっさあああああつ!!! パンツ・ロッ……
「ちょっとガキ、邪魔だからすっこんでろ」
オレの手がスキンヘッドのズボンに触れるよりも先、オレの突進に気づいた別のヤンキーがオレの腕を片手で掴んでそれを制止。 そのままオレは胸部を突き飛ばされあっけなく後ろへ吹き飛ぶ。
で、ですよねーーー。
手加減してくれたおかげかあまり痛さは感じられず。
しかしこのヤンキーがオレに注意を逸らしたことがこれ幸いと思ったのだろう。 インキャJK早乙女が手に持っていた巾着袋でそのヤンキーの頭を思い切り殴り、ヤンキーが頭を押さえて蹲った瞬間に優香の背中をこちらに向けて強く押した。
「ーー……! サッちゃん?」
「ユカちん!! 逃げて!!! ボクくん……ユカちんをお願い!!」
優香が若干よろけながらもオレの方へ。
オレはすぐに立ち上がり優香の手を引っ張るとオレの背後へと回す。
「ダイキ……」
「陽菜、お姉ちゃんを連れて先に逃げろ」
オレの指示を受けた陽菜が動揺しながらも優香に駆け寄り手を掴む。
「ダ、ダイきちは?」と尋ねられたのだが、オレがこの優香の友達を見捨てるはずがないだろう。 「オレは後で向かうから先に行け」と振り向き伝えると、視線をすぐにヤンキーたちの方へと戻した。
ーー……のだが。
「!!」
ヤンキーたちへ視線を戻すと目の前にはすでにスキンヘッド。 スキンヘッドはニヤリと気持ちの悪い笑みを浮かべるとオレの胸ぐらを掴みあげる。
うおおおおお!!! 迫力が小学生とは全然違ってて……間近で見るとかなりこええええええ!!!!!
流石に身長差・体格差全てにおいて負けているためオレはどうしようも出来ず。
しかも胸ぐら掴まれててオレ今爪先立ちだしな。 後ろから委員長JK七瀬が手に持っていたバナナジュースをスキンヘッドに投げつけてくれたのだが、スキンヘッドは「うーわ、後で直接舐めとってもらうわ」と言うだけでまったく効いていないっぽい。
ピンチ!!! 圧倒的にオレたちピンチ!!
でも優香がこれで無事に逃げられたのなら……!!
JK2人も心配だったがそれ以上に優香が心配だったオレは、優香がちゃんとこの場から逃げられたのかを確認するため視線だけを優香と陽菜のいた方向へと再び向けた。
ーー……え、逃げてない?
優香がスマートフォンを持ちながら不気味な笑みをスキンヘッドたちに向けている。
「ゆ、優香ちゃん、逃げよ?」
「ーー……」
陽菜は優香の手を数回引っ張るも優香は微動だにせず。
そして小さく一言……「これで終わり」
!!!!!!
もしかして……電波が届いたのか!?
オレが優香の意味深な一言で勝利を確信した……その時だった。
優香の背後から誰が投げたのか超高速で水風船がこちらへ飛んでくる。
「ーー……!!」
気づいた時にはもう遅い。
水風船はちょうどスキンヘッドの顔面にクリティカルヒット。 それでもオレがスキンヘッドの拘束から逃れられないでいると、優香の背後……聞き馴染みのある声と共に予想だにしなかった人物が現れたのだった。
「ったく、たまーに電波無くなるって教えてくれたのゆーちゃんじゃん。 なーんでアタシのラブコールに出てくれないわけー?」
「え、なんで……」
オレはその人物を見た途端思わず声が漏れる。
だって普通想像つくか? そこにはあの抜群の信頼性を兼ね揃えた優香の親友……いや、相棒・ギャルJK星がいたのだから。
お読みいただきましてありがとうございます!
画面の見過ぎで目がピンチなのでもしかしたらお休みする日があるかもです!
本日は間に合ったので時間遅いですが、お楽しみいただけたら幸いです!!




