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560 【水島編】言ってなかったこと


 五百六十話  【水島編】言ってなかったこと



 学校から帰宅してなんやかんやでソファーの上でテレビ等をボーッと眺めていると気づけば17時。


 そういや水島のやつ、家に帰ってから大丈夫だったのかな……。

 

 そんなことがふと頭をよぎったのと同時。 スマートフォンが振動したので確認してみると、それは水島からのメール受信通知だった。



【受信・水島】ごめんねご主人さま。 気づいたらでいいから……電話してほしいな。



 なんだか嫌な予感がビンビンするぜ。

 オレはスマートフォンを片手に自室へと移動。 すぐに水島に通話をかけることにした。



『ーー……はい、もしもしごしゅ……ふ、福田くん。 気づいてくれてありがと』



 コールボタンを押してすぐ。

 あまり元気のない水島の声がスピーカーから聞こえてくる。



「おい水島大丈夫か? メール見たからすぐ電話したんだけど」


『うん、ありがと。 とりあえずさ……ママに代わるね』


「ーー……ん?」



 今あいつなんて言った?

 ーー……ママ?



 突然の水島の発言にオレの脳は理解が追いつかず一瞬フリーズ。

 そしてその間に本当に代わったのだろう。 明らかに水島の声とは声色が違う……アダルティーな声がスピーカーから聞こえてきた。



『もしもし福田くん? 花江の母なんだけど……ちょっとお姉さんに代わってもらうことって出来る?』


「え、それはなんで……」


『花江から少しは聴いてるとは思うんだけど、ちょっと今ウチ……家族間で色々あってね。 それで……』



 あーね。



 今日の昼休みにオレが水島に『居づらかったらウチに来てもいいぞ』って言ってたやつだな。

 確かその時は水島の両親とオレの姉・優香の双方の許可が出たらという条件だったはずだが、これは水島サイドからは許可が出た……ということなのだろうか。


 オレはすぐに『わかりました』と答えて優香のいるキッチンへ。

 優香に軽く事情を説明したのちにスマートフォンを渡すことにした。



「あ、もしもしお電話代わりました。 私福田ダイキの姉で福田優香と申します初めまして。 はい、はい……えぇ、はい。 ーー……えぇ!? はい、なるほど……はい、はい」



 結構な長電話。

 オレは一歩引いたところからその様子を眺めていたのだが、優香は真剣な表情で相槌を打ったり時には驚いたり……そしてなぜか「え、そうなんですかー?」と笑ったりと、それはそれは会話の内容がまったく読めないようなものとなっていた。



 ◆◇◆◇



「はい、ありがとうダイキ」



 どのくらい経っただろうか。

 通話を終えた優香がオレにスマートフォンを返してくる。



「あ、ありがとう。 それで……どうだった?」


「うん。 とりあえず数日の間えっと……花江ちゃんだったよね。 ウチで預かることになったから」



 そう言うと優香は「じゃあちょっと今日の夕食、品数増やしちゃおうかな」と微笑みながらキッチン台へと向き直る。



「そっか。 ごめんね勝手に提案して」


「ううんいいよー。 花江ちゃんのお母様も本当に助かるって言ってたし。 それにお姉ちゃんはダイキが困ってる女の子に優しくしてくれてる男の子だって改めて感じれて嬉しかったよ」


「う、うん」



 なんだよ照れるじゃんかよー。



 オレはかなりご機嫌になったことで自ら「リビングの掃除してきまぁす!!」と宣言。

 といってもリビングを見渡して気になった箇所はオレが帰宅してきたと同時にその辺に放置させていたランドセルくらいで、それを自室に戻したオレは優香に他にすることがないか尋ねたのだが……



「じゃあいつ来るかは分からないんだけど……花江ちゃんを連れてお母さんもいらっしゃるから、2人分のコップとお茶っ葉を出しといてくれる?」


「あ、うん。 わかった。 親も一緒に来るんだ」


「まぁもう暗いし女の子1人は危険だからねー。 それに花江ちゃんのお母さんもお姉ちゃんと話したいんだって」


「へぇー。 さっき電話で話してたのに?」


「うん。 お姉ちゃんさっき電話しててビックリしちゃったんだけど、花江ちゃんのお母さん、お姉ちゃんが中学生の頃のリスナーさんだったの。 それでどうしてもお姉ちゃんと会って話したいって」


「へー、そうなんだ……って」



 ーー……え?



「エエエエエエエ!?!?!? そうだったのおおおおおおおおおおお!?!?!??!?」



 これはかなり衝撃の事実。

 まさか水島母までもが優香国の民の1人だったなんて。


 どうやら電話で話してる中でピンときて、『えっ……あ、あの、間違ってたら申し訳ないんだけどその名前と声って……姫だったりしますか?』と聞かれたらしい。

 オレが目を大きく見開きながら驚いていると、優香が「ごめんね、それ先に言うべきだったね」と謝ってくる。



「あ、ううん別に。 それは水島の母親も嬉しいだろうね」


「それで一緒にご飯も誘ったんだけど、あちらの家族のこともあるから花江ちゃんだけよろしくって」


「なるほど」


 

 てことは今夜から水島家は両親2人と激昂の兄を入れた3人での生活ってことか。

 かなりの怒号が飛び交う修羅場になるんだろうなー。


 オレは水島家のこれからに同情しつつもソファーに腰掛けて魔獣ハンターを起動。

 すると優香がすぐに反応し、「そういやダイキ、ちょっと前もお姉ちゃんとやったりしたけどまたブームきてるの?」と尋ねてくる。



「うん、そうだね。 まぁでもレベルもまだ低いし、やっと上位武器を装備できるようになったくらいだけど」


「じゃあさ、もしお姉ちゃんが料理早く終わらせて花江ちゃんたちがその時まだ到着してなかったらお姉ちゃんとちょっとやる?」


「いいよ。 なにやるの?」


「今期間限定のイベントクエストをオンラインでやってるんだよ。 敵が結構強いけど報酬素材がめちゃくちゃいいの」


「え、いいけどオレ多分防具がまだ弱いからすぐにやられるかもよ?」


「大丈夫。 お姉ちゃん全身ゴッド装備だから守ってあげるよ」



 ーー……全身GOD。



 えっと、それってどのくらいの凄さだったかな。

 確か弱い順に下位・中位・上位・S級……それで期間限定系のイベントで、討伐数やポイントなどの累計上位数名のみに与えられるのが各部位に装備するGODシリーズだったような。



「え、お姉ちゃん……全身GOD装備なの?」


「そうだよー。 基本少しの時間でもやるようにしてたし、別に大丈夫って言ってGOD装備くれる人もいたから」



 まさにいろんな意味での姫プレイ。

 それにしても優香、あなたはやることやってから狩りもやってたなんて、あんた凄いよ。



 もちろんオレはその提案を承諾。

 優香も「それじゃあすぐに終わらせるから待っててね」と張り切りだしたのだが、ここでオレもとあることを思い出す。



「あ、そうだお姉ちゃん。 オレも言ってなかったことあるんだけど……」

 

「なに?」


「今夜来る水島も最近魔獣ハンター始めたんだよ。 多分今日持ってくると思う」



「きゃああああああああああああああ!!!!!!!!!」

 


 この言葉に優香のテンションは最高潮。

「だったら今夜は2人で花江ちゃんのレベルを上げていって、それから3人でイベントしよ!!!」と目をキラキラ光らせてオレのもとへ突撃してくる。

 


「あ、うん。 でも水島、本当に初心者だよ」


「大丈夫大丈夫!! 操作や立ち回りを完璧に覚えるまではお姉ちゃん回復役に徹するから!! ちなみに花江ちゃんは何の武器使ってるの!?」


「えーと……確か大剣だったかな」


「うんうん!! だったら回避ローリングとバーストアタックを覚えて貰えば問題ないね! お姉ちゃんも昔大剣使ってたから教えてあげよっ!!」


「ていうかお姉ちゃん、火の加減見なくて大丈夫?」


「あーーん!! そうだったーー!!!」



 こうして優香は本当に料理を速攻で終わらせ、水島たちが訪ねてくるまで魔獣ハンターを開始。

 期間限定イベントのボスを優香が華麗な一撃で倒したところでインターホンが押され、チャイムが鳴り響いたのだった。



 ーー……それにしても優香上手すぎだろ。

 GOD装備で敵の攻撃があまり効かなかったり逆に与えるダメージが大きいのは当たり前なのだが、完全に敵モンスターの攻撃パターンや被弾範囲が頭に入っている……一体どんだけやったらそこまでの域に達するんだよ。

 


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― 新着の感想 ―
[良い点] こんなところにも優香ちゃんの民が……。 魔獣ハンター楽しそうだぜ!
[一言] お姉ちゃん、そんなにモンハン好きなのか。ちなみに、わたしは太刀を使ってたぞ。
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