540 【茜編】真相!?
五百四十話 【茜編】真相!?
茜をいじめている奴らにどう制裁を加えるか。
水島との熱い話し合いを終えたオレは家に帰ると早速水島からお願いされていたことの1つを実行することにした。
「えーと、確か茜の脚にアザ作ったやつの名前を本人から直接聞き出すんだったよな」
オレは部屋に籠るとすぐに茜に電話をかけてみることに。
すると茜はすぐに通話に出てくれて、オレは少し気まずいなとは思いながらも「水島が茜の脚にアザがあったことを見つけて、もしかしたらイジメられてるのではないかって心配してたんだ」と話を振ったのだが……
『あー……まぁそうだね、確かに最近になってイジメられだしたんだけど……別にそこまで大したことじゃないから気にしなくていいよありがとう』
茜は『あはは……』と笑いながらあっさりとそれを認める。
「やっぱりそうだったのか」
『うん。 私もびっくりしちゃった。 今の小学生って思ってたよりも結構陰湿なんだね』
「どうにかしよう……とか考えなかったのか? 茜なら脳は中学生レベルなんだし色々と対処しようもあっただろ」
『まぁね。 でもなんて言ったらいいのかな……別にそこまで苦ではないというか』
「え」
そこから茜が語ったのは唯一仲良くしてくれている友達から聞いた、茜がイジメられるに至った経緯。
どうやら最初こそ転校生という物珍しさから男女問わず仲良くしてくれていたらしいのだが、やはり中身が中学生ということもありテストはほぼ全てが満点。 それでいて佇まいも年上の女性の雰囲気が漂うことから周囲の男子たちの目を釘付けに……結果、一部の女子たちから相当な反感を買ってしまったらしいのだ。
「あーなるほどね。 まぁ実際茜は美人だしな。 女子たちが僻むのも分からなくもないが……やっぱ女の世界って怖いな」
『ありがと。 でもこの顔とか体は美香さんのだから』
「いやそれでもモデルは茜じゃねーか」
『それはそうだけど……』
うん、会話してる感じでもあまり茜は思いつめているようには思えない。
まぁそれでも暴力を振るった不届き者は許さないけどな。 オレは早速本題へ……茜の脚にアザを作った犯人を聞き出そうとしたのだが……
『あー……そのことは話すと恥ずかしいんだけど、自分でやっちゃったんだ』
ーー……は?
茜が何を言っているのか意味が分からず黙り込んでいると、茜は恥ずかしそうにしながらもそこにアザを作ることになってしまった経緯をオレに告白する。
『実はね、ちょっと前に体育で跳び箱の授業があったんだけど……ほら、私って今まで入院してたでしょ? 体とかちゃんと動かして来なかったから動かし方があまり分からなくて運動神経はからっきしなの。 それでおもいっきり飛び込んでみたら。跳び箱の角に太ももの内側ぶつけちゃったんだ』
「え、そうなの」
『うん』
な、なんつー負傷の仕方だよ。 まさか自らの運動神経のなさが原因だったなんて。
「じゃ、じゃあ昨日オレと水島が茜の学校に行ったとき、茜の髪が若干乱れてたのは? あれはイジメられてたからなんだよな?」
そう問い詰めるとどうだろう。
茜はまたもや恥ずかしそうに『うぅ……』と声を漏らすと『これも言いたくなかったんだけど……』とその真相も教えてくれたのだった。
『あれもね、その……私なの』
「ええええどういう意味だ!? 自分で頭掻きむしったとか!? そんなわけねーだろなんでイジメっ子のこと庇うんだよ!!」
明らかに誰かを庇ってるように聞こえたオレは「頼むから教えてくれ」と茜に懇願。
しかし茜から返ってきた言葉は『ううん、本当に違うの!』で、茜はさらに言葉を続ける。
『昨日、私は美香ちゃんを意識して三つ編みにしてたんだけどね……』
「三つ編み? うん」
『でもお昼休み前だったかな。 先生から急遽ダイきちくんが来るって聞いて、だったら髪下ろした方が可愛く見えるかなって思って……それで放課後必死に手ぐしで整えてたんだけど、間に合わなかったの』
な、ななな……なんだってえええええええええええええ!!!!!!
オレは先ほどの茜のアザ事件のときもそうだったのだが、乱れ髪事件の真相を聞いてそれ以上に絶句。
こういう時どう返事をすればいいのかもわからない恋愛偏差値皆無のオレは電話越しということをいいことに顔を真っ赤にしながら静かに息を整えていたのだった。
『そ、その……誰にも言わないでね』
スピーカーから茜の甘えたような声がオレの耳にダイレクトに伝わってくる。
「い、言えるかー!」
『あはは、ありがと』
その後オレは今日あったこと……茜の上履きに大量の砂が入れられていたことを話したのだが、茜はもちろんそのことは知っていて、それでもあまり気にはしていないとのこと。
「えええ、でも砂だぞ?」
『うん。 でも泥じゃないし、手で払ったら簡単に全部落ちるよね』
「いやそういう問題じゃ……」
『それに私はちょっと前までずっと命に関わる病気と闘ってたんだよ? これくらいなんとも思わないよ』
「ーー……それを言うのは反則だろ」
ちなみに茜はその砂を入れたりしてくる犯人が誰かまでは分かっていない様子。
『中身が押しピン等に変わりだしたら流石に考えるかな』とは言っていたが……
うん、こればかりは学校も違うしオレが張り込むわけにもいかない。
そこも踏まえて水島と対策を練らねばな。
オレは茜に「とりあえずオレたちはイジメっ子撲滅のため動くけど、もし茜も何か分かった場合は連絡をくれ」とお願い。
今聞いたことを水島と共有するため通話を切ったのであった。
さっき茜はあぁ言ってたが、本人がやられて喜んでいない限りはイジメはイジメ。 そこに大きいも小さいもねーんだよな。
「特にオレの関わる大好きな人たちに手を出した奴は……思い知らせてやるぜ」
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