478 【共通・特別編】秘密のJS女子会
四百七十八話 【共通・特別編】秘密のJS女子会
とある夏の休日前日の夜。 小畑家・美波の部屋。
アイドルオーディションを辞退したものの合格したことで一躍学校の人気者となった小畑美波はたまに定期的に届いてくるファンからのプレゼント……とある物を手にしながら小さく呟いたのだった。
「ーー……なにこれ、すっご」
◆◇◆◇
就寝前。 美波はクラスこそ変わったものの変わらず連絡を取っている親友たち、三好佳奈・多田麻由香とのグループチャットをしながらベッドの上で横になる。
-ミナミ様がインしました-
【カナちー】ばんわー。 美波寝てるかと思ったー。
【まゆか】おつおつー! ウチもそろそろ寝ようかと思ってたよ。
今夜の議題は明日の休日3人で集まることは決まっているものの、何をするかはまだ未定なのでその内容決め。
本来なら晩ご飯を食べてすぐに会話に参加するつもりだったのだが、とある誘惑に負けた結果こうして時間に遅れたわけだ。
【ミナミ様】ごめごめ! ちょっと誰か分かんないファンからプレゼント届いててさ! ちょっとそれで癒されてたんだよね!
美波はそのプレゼントを大事そうに抱えながらニヤニヤ微笑んで文字を入力していく。
【まゆか】そっか、確か美波がメンバー決まった瞬間からファンになった人が今も事務所にプレゼントとかお手紙送ってくるんだっけ。
【ミナミ様】そうそう! それでたまに……だけどこうして送ってもらってるんだよね。 いらないって言ったんだけどせっかくだしって。
【カナちー】ていうかそのプレゼント気になるんだけど! ゲームかなんか!?
【ミナミ様】うーん、これは言葉では難しいかな! ただめっちゃ凄いからさ、明日うち来ない!? 2人にも体験して欲しいんだけど!
【カナちー】え、マジ!? いく!
【まゆか】ウチもー!
こうして2人が明日小畑家に遊びにくることが決定。
その後は『誰か恋バナできる人いないの?』やら『佳奈はまだ福田にコクんないのー? じゃないと私が奪っちゃおっかなー』など、いつも通りのネタチャットで盛り上がり……これまた3人とも小学生なのでそこまで遅くまで起きていられるわけもなく早めに解散したのであった。
翌日。
インターホンが鳴り玄関の扉を開けると、そこには昨日約束していた佳奈に麻由香の姿。 しかしそこにはもう1人いて……
「え、結城さん?」
麻由香の隣には美波はあまり関わったことのない結城桜子の姿。
5年生の頃、少しだけ話す機会があったくらいの仲のはずだったのだがどうして……?
美波が不思議そうに桜子を見つめていると、それに気づいた麻由香が「そこでバッタリあってさ。 どうせなら結城さんも来ない?ってウチらが誘ったんだよね」とすかさずフォローを入れた。
「あーね、そうなんだ」
美波が理解し頷いていると桜子が「あの……お邪魔だったら私……帰るから遠慮なく言ってね」と申し訳なさそうにこちらを見上げてくる。
「え、何可愛い……」
「?」
「あ、ううんなんでもない! お邪魔なんてそんな! ささ、入って入って!」
それから美波は佳奈・麻由香・桜子を引き連れて2階にある自分の部屋へ。
3人を中へと入れると、早速昨夜の話にも登場したプレゼント品を見せつけたのだった。
「じゃじゃーん!! これでーす!!」
「「おおー!!!」」
「あっ」
今1人だけ……桜子の反応だけ違ったような気もするけど気にしない。
美波はそれを3人の前にそっと置く。
「え、美波何これ!」
「ウチも見たことない。 これ何に使うの?」
「マッサージだよ!!」
そう、美波がプレゼントされたものとは少し太めのスティック状で先端にゴム製の球体のついた簡易マッサージ器。
使用方法は梱包されていた箱に記してあったので操作は簡単。 スイッチを入れると球体が細かく振動するので、それを肩や太ももに当てるとかなり気持ちいいのだ。
美波は早速マッサージ器のスイッチを入れると球体が静かに振動。 「ほれ佳奈、とりまそれ肩とかに当ててみ? きもちーから」と佳奈に渡すと佳奈は「ほんとー?」と不信がりつつもそれを言われた通りに肩へ。
しかし疑っていたのもほんの一瞬で、その良さが伝わったのかすぐに「うわ……これすっごー!!」と感激の声を上げていた。
「へへ! でしょー!」
「うん!! 何これめっちゃいいじゃん!! 体育とかで疲れたときとか癒されそう!」
「そうなの!! でも一番気持ちいいタイミングはお風呂上がりなんだなー! 実際に私、それで時間忘れちゃって昨日のグループチャット遅刻したわけだし」
「うんうん、これは仕方ないわー」
佳奈がリラックスした表情で「ああああ気持ちー」と言いながら肩や腰、足に当てていく。
ちなみにその隣では麻由香がこのマッサージ器について調べていたらしいのだが、「え、なんで?」と小さく呟いた。
「およ、どしたの麻由香」
「なんか小型マッサージ器って調べたらR18って出たんだけど」
「えー!?」
「ほら見てよ」
麻由香のスマートフォンの画面を覗き込むと、確かにそこには【この商品詳細は18歳以下の方はご覧頂けません】と表示されている。
「ねね麻由香、ちなみにこれって【18歳以上です】を押したらどうなるの?」
「どうなんだろ。 ウチも色々気になって調べてたことあったんだけど、これが出てきた時はブラウザバックしてたからなー」
「え、じゃあこれって実はエロいやつってこと!?」
美波は目をパチパチさせながら首を傾げる。
「そういうことになるのかなー。 ウチには想像つかないけど」
「これでエロいことって……どうやるんだろ」
「ね。 ウチもその機械で何するのかは分かんないかな。 エロいアイテムって言われて出てくるのは……ウチは保健の授業で習ったゴムくらいかな」
「うんうん、私もそれくらいしか思いつかない! あ、あとはあれじゃない!? エッチなパンツとか!」
「あー売ってそう!! 真ん中空いてるやつでしょ!」
「ええええ!?!? そんなのあんの!?」
マッサージ器の話は何処へやら。
美波と麻由香は『R18専用商品とはどんなものなのか』について大盛り上がり。
その隣では佳奈がマッサージ器の虜となっており、桜子は佳奈の手にしているマッサージ器に視線を向けつつも、麻由香や美波の間で行われているエロトークを顔を真っ赤にしながら耳を傾けていたのだった。
「あ、ちなみに結城さんはどんなものが売ってると思う!?」
「えっ!?」
まさかのキラーパス。
美波から突然話を振られた桜子は動揺のあまり体をビクンと反応させながら美波たちの方へと視線を向ける。
「え、えっと……なにが?」
「だから18禁で売られてるものだよー」
「う、うーんと……なんだろ、思いつかない……かな」
「そっかー」
「あ、でもそのマッサージ器なら私、使うの多分上手……だよ?」
「「「え」」」
突然の爆弾発言。
桜子の言葉に佳奈・麻由香・美波は同時に視線を桜子へと向け「マジ?」と尋ねる。
「う、うん。 昔これでお姉ちゃ……福田……くんのお姉ちゃんとそのお友達の美咲ちゃんをマッサージしてあげたことあるんだけど、2人とも『す、すごかった』って言ってくれたもん」
「「「おおおおおおーーーー!!!!」」」
これにより3人の興味は一気に上昇。
「じゃあ私にやってみて!!」と先陣を切ったのはやはり……というべきなのだろうか。 ちょうどそれを使って癒されていた佳奈が興味津々な表情を浮かべながら桜子にお願いをする。
ーー……まさかこの後悲惨な光景になることも知らずに。
「えー、佳奈ずるー!」
「ほんとそれな! 元々は私のなのにー」
麻由香と美波がブーブー文句を言う中、佳奈は「へへー、ごめんね! それじゃあ1番いただきまぁす!」とマッサージ器を桜子に渡す。
「う、うん。 じゃあその三好……さん。 そこで上向きで横になって」
「うんしょっと……こう?」
「うん。 じゃあ……行くよ」
「よろしくー♪」
桜子はスイッチを入れるとその先端……細かく振動を始めた球体を優しく佳奈の足裏に当てる。
それと同時に佳奈の口からは「ひぅ!?」となんとも間抜けな声が漏れた。
「ちょっとなにエロい声出してんのさ佳奈ー」
「そーだよー。 別にこれが18禁用だからってエロい声出さなくてもいいんだから」
「そ、そんなんじゃないし! ただ足がくすぐったかっただけだし!」
佳奈が強がれていたのもこの時だけ。
桜子は優しくゆっくりと撫で回すように球体を佳奈に当てていき、少しずつ上へ上へと這わしていく。
「ちょ……結城さん!? な、何これ!! さっきまで私が自分でやってた感じと全然違うんだけど!!!」
佳奈が動揺した様子で顔を真っ赤にさせながら美波と麻由香に問いかける。
「いやいや、そんなの信じないって」
「そーそー。 ただのマッサージじゃん」
「だから違っ……、そんな……んじゃな……」
球体の位置が上へと上がっていくにつれて佳奈の身体がビクンビクンと反応し始める。 そしてその球体が大体佳奈の股辺りに来たくらいだろうか。
佳奈は「ちょ、何……これ……!! 無理無理無理無理ーーーー!!!」と叫びながらクルリと回転して桜子のマッサージから脱走。 「はぁ……はぁ……」と激しく息を乱しながら自身の股を両手で押さえて丸くなった。
「ちょっと佳奈、流石に演技下手じゃん」
「だよね、ウチもこれはないって思うわ」
「い、いや……1回やってみって! これ、しゅごい……てか結城さんがヤバすぎるわ!!」
この佳奈の言葉を1人でも信じていれば犠牲者は減らせていたことだろう。
しかしそんなことを微塵も信じていなかった麻由香や美波は「じゃあ次ウチやってー」やら「んじゃ私は最後お願いー」と順にお願いし、マッサージ器の……もとい桜子の餌食となってしまったのだった。
その日の夜・グループチャット内。
【カナちー】今日のあれすごかったね。
【まゆか】ほんと。 ウチあれ知っちゃったら1人じゃもう出来ないかも。
【カナちー】1人?
【ミナミ様】1人ってなに?
【まゆか】え、マジ?
-桜子がログインしました-
【桜子】よろしくお願いします。
【カナちー】お、桜子きた! よろ!
【まゆか】今日はすごかったよ!! よろしく桜子!
【ミナミ様】桜子よろろ! あれまたやって!!
まさにマッサージ器が紡いだ友情。
この一件で佳奈・麻由香・美波の桜子に対するリスペクトが上昇……以前まで感じていた心の壁が一気に消え去り、夕方家へ帰る頃にはお互いに名前呼びになっていたのだった。
もちろん今日の体験をして以降、美波は夜な夜な……時には学校から帰ってすぐにマッサージ器で楽しみだすように。
しかし美波はまだ知らない。 母親が洗濯物を洗う際、ティッシュ等が衣服に紛れ込んでいないかをチェックしていた時に偶然パンツに触れて気づてしまったことを。
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さぁ今回も次の個別ルートに入る前の共通編!
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