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332 久々の作戦会議!?


 三百三十二話  久々の作戦会議!?



「ええーー!! 福田、今の言葉本当!?!?」


 

 朝、ドSの女王・小畑にエマが加入してくれることを話すと、小畑は目を大きくさせながらオレの両肩をブンブンと前後に揺らす。



「そ、そうだよ本当」


「うわああああ!! すっごい人選じゃん!! エマってそういうの興味なさそうだからやってくれないって思ってた!」



 小畑の近くでは多田と三好も「え、エマがやってくれんの?」「それめっちゃ心強いじゃん」とエマのことを絶賛している。



「なんか……めちゃめちゃ喜んでくれてるようでオレも嬉しいよ」


「そりゃあ嬉しいよ! だってエマ、あんな綺麗な見た目なのに運動神経めちゃくちゃいいじゃん!」


「まぁそうだよね」



 あのユウリとのバスケのタイマン試合……1on1を見てたら誰でもそう思うわな。



 その後小畑は昼休みに早速エマとのコンタクトを開始。

 多田と三好を引き連れて1組へと向かい、オレも気になったのでその話し合いみたいなものに同席することにしたのだった。



 ◆◇◆◇



「じゃあ先ずは第一次・ステージ審査で披露するものを決めましょうか」



 エマがノートの後ろのページに『一次審査』と記していくと、小畑が「はいはい! もちろんそこは歌とダンスがいい!」と前のめりに手を上げる。



「歌とダンスでいいのね? 他にもモノマネやら特技披露……何でもいいんだけど」


「うん! そっちの方がインパクトあるし!」


「でもそのジャンルだと結構競争激しいけど、それでもいいの?」


「なんで?」


「エマもオーディション内容見てみたけど募集年齢は20歳まで……それなら普通に高校生や大学生のダンスサークルやその道で有名な人たちも参加してくるわよ?」



 そうエマが説明しながらペン先を小畑に向けると、珍しく小畑が若干怯む。



「そ……そうなの?」


「そりゃそうよ。 しかもそういう人たちのダンスや歌って相当レベル高いわよ」



 エマの「試しに動画サイトで【ダンス 高校生】で調べてみなさいよ」の一言で小畑はその通りにスマートフォンで検索……するとかなりの数の検索結果がズラリと表示される。



「うっわ、多すぎない?」


「それだけじゃないわよ。 そういう人たちって日を増すごとに増えてってるの。 だからその倍はライバルがいると考えてもいいわ」


「こ、こんなのラブカツオーディションの時とはわけが違うじゃん……」



 小畑はショックを受けてその場で膝から崩れ落ちる。

 そんな小畑を見て三好が「ねぇ大丈夫美波……」と背中をさすっているが……



「いーや! でもそれもいいし! ハンデだし! 私の魅力はそんなものでは抑えきれない!!!」



 どこにやる気スイッチがあったのかは分からないが瞳に闘志を燃やした小畑が突然復活。

 拳を固く握り締めながら勢いよく立ち上がる。



「うわっ! びっくりしたぁ!」


「よくよく考えればこのオーディションが初めてって人も多いんでしょ!? だったら私は今までに何回かそういうオーディションにも参加したことがある……今のところ全部落ちてるけど経験値的には私の方が勝ってるし!」


「よく言ったわミナミ! それでこそエマもやりがいがあるってものよ!」


「エマ……!」



 小畑に向かってエマが手を差し出すと小畑もそれに応え、2人で熱い握手を交わす。

 そんな2人の姿を見ながら三好と多田は「おぉ……」と小さく拍手をしていた。

 その後どんな楽曲でどんなダンスにするかの話になっていたのだが、そこでオレはあることに気づく。



 ーー……あれ? オレ、さっきから一言も発言してないのにスムーズに進んでないか?



 オレは前回のラブカツオーディションの時のことを思い出す。

 確かあの時は楽曲や立ち位置、誰をセンターに添えるかなど、基本はオレが指示出しをしていたはずだ。

 もしかして今回はその役がエマに回ってるとでも言うのか?


 オレは静かにエマに視線を向けて観察。

 エマは真剣かつ楽しんでいる様子で小畑たちの意見を聞きながらその内容を効率よくノートにまとめていっている。



「な、なぁエマ。 書記係オレが代わろうか?」


「いや、大丈夫よ。 ダイキの字、汚いじゃない」



 グサァ!!!



「じゃ、じゃあさ、もし楽曲とか決まったら、衣装選びとかもオレも参加して……」


「それも大丈夫よありがとう。 誤解してるかもしれないから先に言っておくと、アイドルオーディションは学芸会じゃないの。 だから歌う・踊るっていってもそこまで派手な衣装は必要ないわ。 審査員が見てるのは個人の才能や力量……可能性なんだから」



 グササァ!!!



 オレの心が正論のナイフでズタズタにされていく。

 そしてその横では「すごいエマ!! めっちゃ詳しいじゃん!!」と小畑・多田からの称賛の嵐。

 しかし何故だか三好だけが目をパチクリさせながらオレを見つめていた。



「んー? どうしたの佳奈。 さっきから会話に参加してないけどー」



 小畑が三好の顔を覗き込みながら尋ねる。



「あ、うん。 いやさ、福田はじゃあ何すんのかなーって」



 み、三好ぃいいいいいい!!!!!



 三好の言葉にエマ・小畑・多田が反応。

 一斉に視線をオレへと向けてくる。



「ダイキがやること……ねぇ。 別に現段階ではやって欲しいこともないんだけど……」


「で、でもエマを誘ったのも福田だしさ、それで終わりだと福田……なんかかわいそうじゃない?」



 三好ィイイイイイイイイイ!!!!!!



 三好の言葉を受けたエマが「確かにそうね……」と考え出す。



「多田さんにはエマの考えってちょっと古いところあるから意見欲しいな……とは思ってたんだけど、ダイキはーー……」



 エマがジッとオレを見つめてくる。



 ゴクリ。



 なんかオレがオーディションされてるみたいだな。

 ならここは小畑ではないけど自分自身を全力でアピールしてやるぜ!!



「はい!! 必要なもの買い出しやりまぁす!!!」



 オレはビシッと手を上げて雑用アピール。

 少しでも役に立ちたいと言う一心でその瞳をエマへと向ける。



「買い出し?」


「はい買い出しでぇす!! 衣装は要らないって言ってたけどもし小物とかで必要なものあったら買ってきまぁす!!」


「そう? じゃあ今のところは特に思いつかないけど、もしあったらお願いするわ」


「ありがとうございまぁす!!!!」


「あとはそうね……ダンスレッスンした時には撮影した動画見せるから、率直な感想を聞きたいわね」


「任せてください!!!」


「うん、じゃあそう言うことでダイキ、今日はダイキは大丈夫よ。 普通に休み時間過ごしてちょうだい」


「はい、ありがとうございます失礼しまぁす!!!!!」



 オレは軍隊並みのお辞儀をエマにしたあとクルリと体の向きを回転。

 その場を後にしたのだった。


 しかしあれだな。


 冷静に考えるとオレが全指揮をとるというよりも経験者のエマに任せた方が格段とレベルは上がる気がする。

 でも完全な雑用とはいえ、何とか近くで見守ることができるんだ……三好にはマジで感謝だな。

 オレは心の中で感動の涙を流しながら三好にメールを送信する。



【送信・三好】さっきはフォローありがとな。


【受信・三好】は? 何のこと?


【送信・三好】いや、オレのこと仲間に入れないとかわいそうって言ってくれたじゃねーか。 助かったし嬉しかったよ。


【受信・三好】別にフォローじゃないし。 ただそう思ったから言っただけだし。



 まったく、可愛いやつめ。



【送信・三好】そうかそうか。 それにしても今日もナイスポニーテールだな。



 オレはそう送信して机に突っ伏す。

 するとそれはすぐだった。



 1組の方から三好の「は、はぁああああ!?」と言う叫び声。

 三好のやつ……また小畑や多田にイジられたのかな?

 アイツもあれだ、前に比べるとだいぶ愛されキャラになったもんだ。

 

お読みいただきましてありがとうございます!!

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感想やブクマ・レビュー等お待ちしております!!


今回の投稿でとうとう100万文字超えちゃいました 笑

これも皆さんのおかげです今後ともよろしくお願いします♪

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― 新着の感想 ―
[良い点] よ!祝百万字!!! 300話を超えるなんてかなりの長編w しかも毎日更新。 尊敬ですね……! 今回はエマちゃんが陣頭指揮を執る感じですかな。 ダイキは雑用庶務係。 良い感じですな。 相変…
[一言] たぶん、最後のダイキの一言による大声だと思う。
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