324 エプロンの天使!!【挿絵有】
三百二十三話 エプロンの天使!!
久々の学校も難なく時間が過ぎていき、気づけば放課後。
なんだかんだで早かったなと思いながら1人廊下を歩いていると、後ろから「福田……くん」とオレの名を呼ぶ声が。
振り返ってみると……
ほら、やっぱり天使だ。
結城が若干の小走りでこちらに向かってきている。
「結城さん。 どうしたの?」
「あのね、今日ちょっとだけお姉ちゃんとメールしてたんだけど、お姉ちゃん……風邪なの?」
結城が心配そうにスマートフォンを握りしめながらオレに尋ねてくる。
「あれ、知ってるの?」
「うん」
どうやら結城は明日の土曜に入院している実の母親のお見舞いに行くらしく、そこで手作りのお菓子を作って持って行こうと考えていたらしい。
そこで久しぶりに優香と一緒に作りたいと考えた結城は昼休みに優香に誘いのメールを送ったとのことだったのだ。
「それで……お姉ちゃん、今どんな感じ?」
「んー、食欲はあるかな。 てかそこらへんはお姉ちゃん教えてくれなかったの?」
「うん。 体調崩してるならメール送るのも迷惑かなって思って」
「そ、そっか」
うわあああ、なんて気遣いの出来る子なんだ結城ぃーー!!!
オレが心の中で天使の慈愛に号泣していると、結城が「それでさ……」と話を続けてくる。
「お姉ちゃん、体調悪いんでしょ? だったら今夜福田……くん、夜ご飯とかどうするの? デリバリー?」
「ううん、実は今、星さんがウチに来てくれててさ」
「美咲お姉ちゃん?」
「うん。 星さんがお姉ちゃんの看病がてらにご飯作ってくれるから問題ないと思う。 でもなんで?」
いつの間にギャルJK星の呼び方が『美咲お姉ちゃん』になったんだよと心の中で突っ込みを入れながらオレが尋ねると、結城は少し視線を外しながら何かを言いたげな表情をして黙り込んだ。
「ん? 結城さん?」
「あ、いや……あのね、もしそれで困ってるんだったら、今夜久しぶりに福田……くん家に行ってご飯とか作ってあげようかなって思ったんだけど……」
「え」
「で、でも美咲お姉ちゃんがいるなら大丈夫そうだね。 ごめんね、今の忘れて」
「ちょ、ちょちょちょっと待ってて結城さん!!!!」
オレは急いでスマートフォンを取り出すと、メールはまどろっこしいので直接ギャルJK星に電話を開始。
『もしもーし。 ダイキ、どしたー?』
「あ、星さん? あのさ、今日の夜ってどんな感じなのかなって」
『あははは、ダイキどうしたお腹空いちゃった?』
「まぁ……そうなんだけど、星さんもう夜ご飯の買い物とか行っちゃったかなって」
『ううん、まだだべ。 ダイキ帰ってから行こうと思ってたけど……どして?』
「いや、実はさ……」
◆◇◆◇
結城は一旦着替えてから来るとのことなので先に家に帰宅すると、リビングから制服姿のギャルJK星がヒョコッと顔を覗かせてくる。
「おかえりダイキー」
「ただいま星さん。 よく気づいたね」
「まぁゆーちゃんは今寝てるし静かだからね。 そりゃあ些細な音にも気づくってもんよ!」
ギャルJK星がニカッと笑いながら親指を立てる。
「んじゃダイキ、さっき電話でも言ったけど、ちょっとお願いしていいかな」
「あ、うん。 服とか取りに行くんだよね」
「そそ」
そう、実は少し前のギャルJK星との通話には続きがあり、今日は金曜でまた明日から土日で2連休なのだが……どうやらギャルJK星はその2日間とも優香やオレの世話をしてくれるらしい。 なので服などの私物を取りに一旦家に帰るという話になっていたのだ。
「すまんね。 実はゆーちゃんのブラ、結局1つも合わなくてさ」
ギャルJK星は「へへ」と笑いながらペロッと舌を出す。
「え、てことは今星さん……」
「いやいや、流石にもう乾いたから付けてるよ」
「そ、そっか」
目を凝らして見てみると……確かにギャルJK星の胸部にはそれらしき形が浮かび上がっているな。
「あ、今ダイキ、本当かどうかチェックしたべ?」
「ぎく」
ギャルJK星が「ほんとダイキはエロガキよなー」と言いながらオレの頭をわしゃわしゃと撫でる。
「だ、だって星さんがそんなこと言うから」
「ごめんって。 んじゃ、ちょっくら行ってくるわ」
「あ、うん。 行ってらっしゃい」
こうしてオレはギャルJK星を玄関先まで見送ることに。
「んじゃねー」
「うん、気をつけて」
オレがそう声をかけると、ギャルJK星は玄関を出ようとしたのだが、突然何かを思い出したように「あ、そうだダイキ」と振り返りながら小さく手招きをしてくる。
「どうしたの?」
「大事なこと忘れてたわ。 あのさ、さっきアタシ上はつけてるって言ったけど、実は下は履いてないんだよね」
ギャルJK星が悪戯な笑みを浮かべながらその短いスカートをヒラヒラとさせる。
「え」
「パンツはダイキの勉強机の上に置いてるから、後で誰にも見つからないうちにちゃんと隠しとけよー」
「えええええええええええええ!?!?!?!?」
ギャルJK星を見送ったオレはダッシュで自室へ。
すると先ほどギャルJK星の言っていた通り、机の上にあの麗しいパンツが綺麗に折りたたまれて置かれていた。
とりあえず鼻をつけて匂いを嗅ぐと、当たり前なのだが柔軟剤のフローラルな香り。
「今は時間ないから申し訳ないけど、夜は楽しませてもらうぜ」
そろそろ結城が来る時間だからな。
オレはそうパンツに囁きかけると、それを丁寧に引き出しの奥深くへと隠したのであった。
◆◇◆◇
そしてあれから大体約30分後。
オレは目を輝かせならキッチンに立つ天使の後ろ姿を近くで眺める。
「じゃあ福田……くん、今から作ってくね」
そう……オレの目の前にはピンク色のエプロンを身にまとった結城の姿。
結城がこちらを振り返りながら小さく気合いを入れてガッツポーズしている。
あぁ……可愛い。
「とりあえずお姉ちゃんの体調もあるから消化のいいものにするけど……いい?」
「はい。 よろしくお願いします」
こうして結城は晩御飯の用意を開始。
オレは結城に「何か手伝うけど」と提案したのだが、別にオレのサポートなんて必要ないらしく「それよりもお姉ちゃんの側にいてあげて」とのこと。
なのでオレは結城の要望通り、静かに眠っている優香の姿をただただじっと見つめていたのだった。
お読みいただきましてありがとうございます!!
うおおおおおお!!! 最近挿絵書けてなかったのでこれで3日連続挿絵ですーー!!!笑
間に合ったのでこれで我……悔いなし!
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前回同様、今回の挿絵高画質VERも後ほど作者Twitterにて載せておくのでよろしければ!




