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異世界に転生したけどファンタジーなのは俺だけらしい  作者: 三十六
王都武芸大会編

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70話 王国武芸大会 6

-武芸大会会場 観覧席-


 ベルモンドの後は大した内容の試合は無かった。まぁ、奴の印象が強烈過ぎたので仕方の無いところではある。


「いやぁ・・・えらいのが混ざってたものだな。当たった方は不運としか言えん」


「確かに本命扱いされてるだけはありますね。力の差が有り過ぎる」


「デカくても集団戦ならどうとでも出来るけど、1対1じゃ逃げ場が無いねぇ」


 まともにやろうとすれば若干面倒ではあるか。まともにやらなければいいだけだな。


「マリーナは落ち着いているねぇ。あんなの相手にしなきゃいけないのに」


「メリッサさん、オルナの森の灰色熊とどっちが厄介だと思います?」


「あぁ・・・アレと比べたらねぇ。堅いし強いし速いし怯まないしでまだマシか」


「そういうことです。視界が開けた場所で他の敵も居ない。楽な条件ばかりですよ」


「お嬢は大したものだね。でも怪我だけは気を付けておくれよ」


「昨日の人も居るしね。油断しちゃ駄目だよ?」


 どうもメリッサは心配性だな。まぁ原因を作ったのは俺なのが申し訳ないな。



 予選三日目。今日はアーガスが出て来るはずだ。まずはどんな奴か見てみるか。

 相変わらず凡庸な内容の試合が幾つか続く、それなりに見るべきものも有るがベルモンドが比較対象というのは不運と言うべきだろうな。どうやら奴の試合順は最後の様だ。


 最終戦、会場には大柄な男が二人。片方は戦槌と大盾、一方は両手槌を構えている。どちらも鈍器か。両方とも筋肉ダルマで体格も大きめ。夜には遭いたくない人種だな。聞いたところでは両手槌の方がアーガスらしい。


 開始と同時に双方歩み寄っての殴り合いが始まった。どちらもガチガチに鎧で固めているので多少の打撃ではダメージが入らない様だ。とは言え最低限はしっかり回避しているので決定打もなかなか入らない。途中からは乱打戦とも言える状態になり、最終的にアーガスが削り切って勝った。見た目はボロボロだがダメージはさほど有るまい。移動要塞とでも言えば良いのか。特性に特化した戦術ではある。集団戦術では威力を発揮しそうだ。

 

「これで予選は終了かな。明日からは一回戦が始まるね」


「マリーナは最終戦だっけ。第八試合目だからだいぶ待つ感じだねぇ」


「相手はさっきのアーガスって人か。何とか出来そう?」


 あんなのはただの動く的でしかない。対策も何も無いな。


「問題無いでしょう。なるべく怪我させずに終わらせたいところですね」


「アレを見てさえこの余裕、しかも怪我させずにって手加減の算段かい。流石だねぇ」


 殺して構わんのなら開始後数分で済むのだがな。まぁ、その必要はなかろうよ。

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