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異世界に転生したけどファンタジーなのは俺だけらしい  作者: 三十六
邂逅編

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11話 捜索隊長の苦悩 3

-リベスタン城塞 大広間 自警団長タニア-


「お連れいたしました。お怪我等はありませんが、混乱なさっているご様子です」


 私の報告を受け、領主様もゼベットも何とも言えない表情をしている。


 前もって状況は伝えられていたはずだが、彼女の様子を見て事態の深刻さを再認識したということだろう。特にゼベットの心痛は計り知れない。

 ゼベットは『死んで詫びる』とずっと喚いていたらしい。流石に周囲の者が諫めたようだが。領主様もこれからどう接して良いのか悩んでおられるご様子。


 今の彼女は記憶が無いと判断して間違いないだろう。

 幼い頃からずっと近くに居た世話役のゼベットに無反応。ましてや自分の父親を前にしての反応があれではな・・・。明らかに知らない他人を見る目だった。

 

「ご苦労だった。下がって休め」


 いつものように振舞ってはおられたが、目が泳いでいた。余程堪えたのだろう。

 あれほどご心配なされていたのだ。駆け寄って抱きしめたとて不思議ではない。

 そうしなかったのは直接娘の反応を見たからだろう。

 

「お疲れのご様子ですね。私がお部屋までお供いたしましょう」


 皆が困惑する中、お嬢様の横にはジルが立っていた。全く違和感を感じさせない自然な動きで。


 相変わらず彼女は優秀だな。この状況でそう判断して動けるか。城仕えの中でも頭抜けている。あの若さで城仕えの者達を纏め上げているだけはあるな。 

 他の者達は困惑するだけで誰も動けなかった。領主様が強く信任するわけだ。

 私も常日頃から彼女の機嫌を損ねないように部下には強く言っている。

 後の事は彼女に任せておけば良いだろう。他に上手くやれそうな者も浮かばない。



-リベスタン城塞 居住区 侍従長ジル-


「お休みになられた方がよろしいでしょう。また後程参ります」


 そう言って一先ず退室する。自室まで案内したが、最後まで私に誘導されるがままだった。

 ご自身の部屋も分からない程なの?かなりの重症ね。伝え聞いた『記憶が無い』という話はどうやら本当だったらしい。

 森でどんな辛い目に遭われたのかしら?よほどの衝撃を受けないとこんな状態にはならないって聞いたのだけど。


 お転婆にはいい薬だわって思っていたけれど、流石にこれは可哀想ね。

 いつかは回復するのかしら?当分は気を付けて様子を見るようにしないとね。

 私としては今のお嬢様の方が可愛げが在って好みではあるかしら?

 いえ、こんな考えは失礼ね。


 とりあえず今日の夕食はお嬢様の大好物、シチューを人参少な目で作りましょうか。

 これで少しは元気になってくれると良いのだけれど。

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