表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に転生したけどファンタジーなのは俺だけらしい  作者: 三十六
邂逅編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/451

09話 虎穴に飛び込む 1

-村人の家の中-


 急展開過ぎて頭が全然追いつかない。


 俺をここに連れて来たおっさんが別の厳つい恰好した女を連れて来た、と思ったらその女は俺を見て突然大声で喚き散らした。内容が全く分からないが、様子から今俺が擬態している娘の関係者なのは想像がついた。関係性までは推測出来ないが、それなりに見知った関係らしい。


 その女は外へ出て何やら大声で喚いていたが、すぐに別の女を連れて戻ってきた。どちらも腰に鉈の様な得物を下げていたので警戒したが、敵意は感じなかったので様子を窺うことにした。

 そいつも俺を見るなり何か喚いていたが、こちらの反応が薄いとみるや急に傍に寄ってきて俺の身体を触りだした。何かされるのかと驚いたが、触り方が腫れ物を扱うような感じ?やけに丁寧だったので、されるがままにしておいた。結局それだけで何をするでもなく、そいつらはおっさんと共に部屋から出て行った。


 全くもって心臓に悪い。いや、今は心臓は無いか。かなり緊張したのは確かだが。

 これからどうなる?先の展開が全く見当つかない。どうしておくのが良い?


 このまま一か所にまとまっているのは危険だ。外の状況を確認して対策を練ろう。今は少しでも情報を集めなくては。俺は犬型を外で行動させることにした。

 身体が3体でもどれが本体といった区別は無い。主従ではなく、並列にどれも体の一部であって意識も繋がっている。多少距離が開いても変わらない。

 最悪、討伐なり処分なりされたとしてもどれか一体が残っていればどうとでもなる。


 俺は扉を開け、犬型を外へと出した。幸い、建物付近には誰も居ない様だ。見つかる前に少し離れた場所まで避難させ、その場所からこちらを観察することにする。

 片方を村の広場に、もう一方は柵の外側にそれぞれ配置して様子を窺う。

 折角得た人型の身体だが、展開次第では諦めねばならないだろう。


 朝になって村へと別の連中が近づいて来た。騎馬が数騎と・・・あれは馬車か。

 村の入り口で止まった。中から出て来たのは昨晩俺の身体を触りまくった女だ。

 降りて来て同じく昨晩喚き散らした女と何か話している。

 どうやらこちらに向かって歩いて来る。


 状況からすると、俺はあの馬車でどこかへ運ばれるのだろう。

 売られた?いや、それなら馬車ってのはおかしい。見るからに送迎用だしな。

 この娘の格好はこの村の連中と明らかに違う。ダッフルコート擬きにブーツと思しき履物。着ているものの水準が違い過ぎる。であればいいとこの娘だったはずだ。

 ということはあの連中は俺を迎えに来ている・・・で合っていると思う。

 このまましばらく様子を見よう。悪い展開にはなるまい。逃げ出すのはいつでも出来る。

 この娘がどこの娘だったのか、それを確認してからでも遅くないだろう。

 

 扉を開けて昨晩の厳つい恰好をした女が入ってきた。


「-------、--------。--------」


 相変わらず意味は分からないが、昨晩と違って落ち着いた口調だ。

 目の前に来て片膝をつき、俺に手を伸ばしている。


「-------」


 どうも手を取れと言っているようだ。ゆっくりと伸ばして差し出された手を掴む。

 丁寧に扱われているのは理解出来る。警戒の必要性は低いと判断した。

 女は俺の手を握り、歩き出した。やはり馬車へと誘導している。

 

 馬車の前に着くと中に昨晩見た片割れの女が居た。こちらに手を伸ばしている。手を掴もうとすると、両手で抱えるように馬車の中に引き上げられた。あぁ、確かにこの段差は俺にはつらい高さかも。

 馬車の内側は進行方向を向く形でベンチシートになっていた。奥側に座らせられ、扉が閉まるとゆっくりと馬車が動き出した。


 知らない女と狭い空間で二人きり。何とも言えないところだが、言葉が分からないので会話もやりようがない。

 ふと相手を見ると、こちらを見る視線が優しい。

 とりあえず警戒の必要は無さそうだ。軽く愛想笑いしておくのがいいか。

 

 俺は犬型で周囲を警戒しながら少し距離を開けて彼らに追随する。

 どうやら目的地は渡ってきた橋の反対側に在るようだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ