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044 ふたりの誓い、試練の先に
試練の世界が薄れ、ロウィンの意識は現実に戻った。
目を開けると、変わり果てた晩餐会の会場が目に映る。
音は消え、空気は凍りついたように静まり返っていた。
最初に目に入ったのは、涙をこらえ立ち尽くすシルヴァーナ。瞳は赤く腫れ、髪は乱れている。
「本当に……戻ってきてくれてよかった」
揺れる声に、悔しさと愛情が滲む。
「君の存在が、俺を支えてくれている。君の言葉や笑顔だけで前に進める。だから今度は、俺が守る。君を、そしてこの世界を」
シルヴァーナは涙をぬぐい、小さく頷く。瞳に深い愛情が宿っていた。
空気の変化に気づいたのか、晩餐会の参加者たちが次々と席を立ち、二人のもとへ集まる。
ザルクスが一歩前に出た。
「心から祝福する」
温かさと誇りの込もった声が場内に響く。
「お前たちの選んだ未来を信じ、我々も歩み続ける」
会場に穏やかな熱が広がる。
ロウィンはシルヴァーナの手を握り、まっすぐに言葉を紡ぐ。
「君となら、どんな困難も乗り越えられる」
「私も。あなたとなら進める。これからもずっと一緒に……」
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