116 セクシー迷走中の剣聖唯奈と執事リチャードの道なき冒険
<唯奈>
リチャードがドアを開けた。
そこには、剣聖らしからぬ唯奈の姿があった。
片足を上げ、腰をひねり、どこか色気を意識したポーズを取っている。
「……お嬢様、何をされているのですか?」
「ち、違うのよ!」
唯奈は慌てて姿勢を直した。
「次の出番に備えて、セクシーなポーズの練習なんてしてないわ!」
リチャードは落ち着いた声で言う。
「お嬢様は“セクシー担当”ではなく、“お笑い担当”です。お忘れですか?」
唯奈は腕を組み、眉を寄せた。
「でも……新キャラが増えてきて、私の人気が落ちるんじゃないかって心配で」
「お嬢様は常識を破ります。ある意味、違法コンテンツです。誰が来ようと埋もれません」
「そ、それはありがたいけど……」
唯奈は腕を組み、難しい顔になる。
「私のおかげで閲覧数やブックマークが伸びてるって聞いたのよ」
「事実です。大変ありがたいことです」
「だったら……私が脱いだら、もっと伸びたり……しない?」
リチャードは即答した。
「お嬢様が脱げば、連載が終了します」
「えぇぇっ!?」
「焦る必要はありません。お嬢様はそのままで十分“破壊力”があります」
「そ、そう?」
唯奈は照れたように頬をかいた。
「じゃあ……次の出番も、私らしくいけばいいのね?」
リチャードは微笑み、優雅に礼をした。
「その通りです。お嬢様は存在だけでチートですので」
唯奈は咳払いをして話題をそらした。
「先日のドロップアイテムで、装備が変わったの」
「それは次回のお楽しみですね」
リチャードは懐から包みを取り出した。
「宿屋の女将から、あんころもちを頂きました」
唯奈の目が一気に輝く。
「べ、別にあんころもちなんか……好きじゃないんだから!」
そう言いながら、手はしっかり包みに伸びていた。
食いしん坊の剣聖と、少々ズレた執事。
二人の“道なき冒険”は、今日も元気に続いていく――。
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