112 天界の全面衝突――運命を賭けた神々の最終戦争
「始まるのか?」
「なら、思いきりやるだけだな」
神々が静かに集まり、これからの行く末を語り合っていた。
「ゼウスが決断した。もう止まらない」
シルヴァーナの声には、焦りと決意が混ざる。
「このままだと世界が丸ごと呑まれる。止めるには、こちらも動くしかない」
反ゼウス派の神々は、無言で頷いた。
*
ゼウスが創った世界は、崩れ始めていた。
天界の力は薄れ、人間の信仰も減り、異世界との繋がりは揺らぐ。
支配の及ばない領域では、反乱勢力が勢いを増している。
その現状はゼウスの怒りをさらに強めていった。
彼はすべてを奪い返すため、天界規模の“アルマゲドン”に踏み切る覚悟を固めていた。
世界を壊し、命も歴史も一から作り直すための暴挙だ。
だが、ゼウスには枷があった。
魂はシルヴァーナが管理し、依り代を通す時だけ本来の力が発揮できる。
それが彼の苛立ちを増幅させ、怒りがシルヴァーナへ向くことも多い。
それでも彼女は怒気を受け流し、暴走だけは押さえ込んでいた。
そして、ひとつの提案を切り札として掲げる。
「神々が直接戦うべきよ。勝者が、この先を決める」
ゼウスはそれを受け入れた。
こうして、ゼウス派と反ゼウス派の全面衝突が幕を開ける。
どちらも世界の命運を背負った戦いだ。
ゼウスは再生のために、反ゼウス派は破滅の阻止のために、それぞれの正義を抱えて立つ。
天上の戦場に立つ神々の視線は鋭く、誰ひとり退く姿勢を見せない。
ゼウスは頂点を守る意志を燃やし、全力解放の域へ踏み入っていた。
反ゼウス派は恐れを抱きながらも、覚悟だけは崩していない。
結末は誰にも分からない。
ただ、この戦いが世界の形を塗り替えることだけは、確かな事実だった。
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