103 冒険王の直感(インスピレーション)! 迷宮罠域を無傷で突破せよ
迷宮の深部へ進んだ一行。
突然、床がひび割れ、轟音とともに崩れ落ちた。
リチャードが鋭く指示を飛ばし、仲間たちは即座に後退する。
だが、その瞬間――壁の隙間から槍の穂先が飛び出した。
「危ない!」
オスカーの声が響き、ベルナが身をひるがえす。
槍は胸元をかすめたが、辛くも回避した。
息をつく間もなく、さらに罠が連動して作動する。
「多すぎるぞ、これ……」
ミストラルが息を整えつつ問う。
「どう動く?」
そこでチャーリーが立ち止まり、きっぱり言った。
「俺が行く」
迷いはなかった。
罠を突破するには、経験と感覚に賭けるしかない。
まさに、冒険王として腕の見せどころだった。
チャーリーは足元の石畳に視線を落とし、静かに息を吸う。
「冒険者の直感!」
叫ぶと同時に、床の重さ、壁のわずかな気配、空気の流れまでが手に取るように感じ取れた。
仲間たちの視線が集まる中、チャーリーは歩を進める。
飛び込んでくる槍の軌道を読み切り、その間をすり抜けて前へ行く。
罠はすべて予測どおりに作動し、彼の動きを一度も捉えられない。
見守る仲間たちは声を失った。
「……見事だ」
ゼノスがつぶやき、リチャードも軽くうなずく。
やがて危険地帯を完全に踏破し、最後の仕掛けが音を立てて沈黙した。
チャーリーは振り返り、満足そうに笑った。
「迷宮の一つや二つ、どうってことないさ」
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